エレコム株式会社

モバイル時代に先駆け最新の無線規格にいち早く対応した
法人用無線LANアクセスポイント 「WAB-I1750-PS」

エレコムの最新無線規格11ac対応「WAB-I1750-PS」は、モバイル端末の環境整備を支援する法人向け無線アクセスポイントである。タブレットやスマホなどのモバイル端末の利用が加速する現在、従来の無線規格である11nと比較して約2.8倍の高速大容量の次世代規格「11ac」を業界に先駆けて採用し、これからの無線LAN環境再構築の主流となる最新の製品として登場した。この製品が生み出された背景や将来性について、 同社商品開発部 常務取締役の梶浦幸二氏と開発担当の小島雄一郎氏にお話をうかがった。

いち早く無線の最新規格11acに対応した製品
エレコム株式会社
商品開発部 管掌 常務取締役
梶浦 幸二氏
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「WAB-I1750-PS」の取り付けには、盗難・いたずら防止用セキュリティカバーも標準装備している。学校やホテルなど、多くの人が出入りする施設でも安心して設置できる。
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梶浦氏この製品を開発した背景にあるのは、急激に進んでいるスマホ・タブレット端末の普及です。弊社では快適なモバイル環境構築を支援するために、最先端の無線規格で最大1300Mbsの(5GHz・規格理論値)高速無線通信IEEE802.11ac(以下11ac)に対応した「WAB-I1750-PS」を開発しました。

無線LANの最大の課題は通信速度です。現在の有線LANは1000Mbpsの通信速度があります。しかし、いま普及している11n/aや11n/g/b規格の無線LANは300Mbpsと1/3以下のスピードしかありません。そのため基幹業務利用では支障が出るとして導入をためらっている企業もあります。ところが11acはいまの有線LANをも超える1300Mbpsの通信速度を誇ります。それにより、最近導入の進んでいる有線ギガバックボーン環境をフルに活用することができます。さらなるモバイル端末の普及を見据えたとき、最新の無線規格11acに対応した製品を開発することは大きな命題でした。このような使命をもって開発された「WAB-I1750-PS」は、これからの本格的なモバイル時代の主流となる製品です。

小島氏高速大容量の通信を安定して行うための技術開発では、基本となる高速無線通信技術の開発だけでなく、3年間の性能保証や各種信頼性試験にパスすることなどさまざまな困難がありました。なかでも一番苦労したのが耐熱性能です。たとえば夏休み中の冷房のない小中学校など、どんな利用環境でも動作不安定にならないようにできるだけ高い温度に耐える製品となることが求められます。耐熱性が劣ると機器の不調だけでなくIC部品が壊れたり寿命が短くなったりするなどの障害もでてきます。「WAB-I1750-PS」の開発では一般の電子機器の耐熱基準である40℃を上回る50℃の耐熱目標を設定し、開発と検証を繰り返しました。40℃までの耐熱性はすぐにクリアできたのですが、50℃のハードルを乗り越えるのはとても大変でした。

企業での無線LAN環境を支援するさまざまな特徴
エレコム株式会社
商品開発部 開発4課
コーポレートネットワーク開発チーム
小島 雄一郎氏
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スマホ・タブレット端末の急激な普及にともない、快適なモバイル環境構築を支援するために、最先端の無線規格で最大1300Mbsの(5GHz・規格理論値)高速無線通信IEEE802.11ac (以下11ac)に対応した「WAB-I1750-PS」が開発された。

梶浦氏「WAB-I1750-PS」は11acの採用に加えて、業務で利用する際に効果を発揮するさまざまな特徴を兼ね備えています。

まず導入の際に注目されるコスト削減対策。無線LAN化により、オフィスの模様替えや移転の際のLANケーブル配線工事によるコストと手間が大幅に軽減されますが、さらにコスト削減効果を発揮するのが、イーサネット配線経由で給電も行う「PoEパススルー」機能です。

オフィス内に複数の無線アクセスポイントを構築する場合、それぞれの機器にLANケーブルと電源の配線工事が必要です。PoEパススルー機能により、「WAB-I1750-PS」からLANケーブルだけでアクセスポイント1台をPoE給電で接続することが可能です。配線工事を別々にする必要がないため、複数の無線アクセスポイントの設置・工事費のコスト削減効果につながります。また、節電スケジュールで業務時間外や休日はスリープ(待機電源)設定できるため省エネ効果も発揮します。

セキュリティ機能は利便性を高めながら強化をはかっています。外来のお客様にインターネット環境を提供できるように、社内の基幹通信とは別に「ゲストWi-Fi機能」を搭載していますので、社内セキュリティを確保しながら来客者がタブレットやスマートフォンなどを自由にご利用いただくことができます。この機能を利用すれば、店舗やショールームなど一般のお客様、ホテル、学校などでも業務用の基幹通信とお客様サービスのためのインターネット接続環境が同時に実現できます。セキュリティではさらにマルチSSID機能で業務・利用者別のネットワークを構成することも可能です。

製品の取り付けについては、盗難・いたずら防止用セキュリティカバーも標準装備しています。学校やホテルなど多くの人が出入りする施設でも安心して設置できます。

いまのところ11acを上回る無線規格は定められていないので、「WAB-I1750-PS」はこれからの数年間は最高のパフォーマンスを発揮する主流の製品になると思っています。また、モバイル端末も同様に11acの高速通信タイプが主流になるでしょう。企業でのモバイル化はもとより、学校教育の現場でもタブレットの導入が加速し、2020年の東京オリンピック開催で日本を訪れる外国人に無線LANによるインターネット環境の提供がもとめられるなど、無線LANの利用機会は今後さらに増えると予測しています。企業と連携して無線環境の整備に取り組む自治体も増えています。東日本大震災以降は災害時の有効な通信手段としての無線LAN利用も着目されています。

このようなモバイル端末の利用普及が加速することにより、市場ではさらに使い勝手のよい無線LAN環境の再整備とサービスの提供が求められてきます。これからのモバイル時代を見据えた次世代無線LAN環境を構築することは、他社に優位性を保つための有効な設備投資となります。最新の次世代規格11acに対応し、セキュリティを強化、PoEパススルー機能をはじめとしたコスト削減にも効果を発揮する「WAB-I1750-PS」の導入をぜひご提案ください。

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