キヤノンマーケティングジャパン株式会社

ネットワークカメラ 「VB-S30D」
多彩な環境で高画質撮影を実現するクラス世界最小ネットワークカメラ

防犯意識が高まっていることもあって、ネットワークカメラは年々市場を拡大している。キヤノンは、小型のフルHDネットワークカメラ「VB-S30D」、「VB-S31D」、「VB-S800D」、「VB-S900F」を投入。中でも「VB-S30D」はパン・チルト、光学ズーム搭載のネットワークカメラとしては世界最小ボディの製品だ。同じカメラといっても、デジタルカメラとは全く異なる環境で使われるこの製品はどんな特徴をもっているのか。今回、ハードウェア設計を担当したキヤノン株式会社 NVS事業推進本部 NVS開発センター 主任研究員の松尾正毅氏と、ソフトウェア開発を担当したキヤノン株式会社 NVS事業推進本部NVS開発センター 主幹研究員の仲摩聡氏に、こだわりをもって作られたこの製品の特徴とはどんなものかを伺った。

光学ズームレンズを搭載しながらカメラ本体の超小型化を実現
キヤノン株式会社
NVS事業推進本部 NVS開発センター 主任研究員
松尾 正毅氏
キヤノン株式会社
NVS事業推進本部 NVS開発センター 主幹研究員
仲摩 聡氏

松尾氏ネットワークカメラは小型化が進んでいます。それだけにVB-S30Dは、ハードウェア部分に関しては、小さくすることにこだわって開発しました。

しかし、ネットワークカメラには他のカメラとは利用環境が全く異なります。24時間、365日稼働することが当たり前で、小さくしながらも発生する熱をどう逃がすのか? といったことを考え設計しなければなりません。特効薬はなく、シミュレーションを行い、実機を試すという作業を繰り返し精度を上げながら、超小型化に近づけていきました。
さらに店舗やオフィスの中に設置して違和感 のないデザインであることにも気を配りながらも設置しやすいことも必要でした。これもトライ&エラーを繰り返し、形にしていきました。

仲摩氏デジタルビデオカメラと同じ映像エンジンDIGIC DV IIIを採用し、キヤノンならではの高画質で撮影することができます。さらに監視用途で利用されることを想定し、月明かり程度の暗い場所でもはっきり色を写すことができます。 店舗の場合、ドアが閉まっている時とドアが開いて外光が入った場合とで明るさが全く違うケースがあります。撮影シーンの明るさの違いを解析し、映像の暗部を明るく補正するSSC(Smart Shade Control)と、露出補正の双方を同時に最適に制御するオートSSC機能を搭載しました。

この補正機能を作るのは容易ではありませんでした。コンビニエンスストアのように大きな窓に面して時によって、外光が沢山入って来る室内を撮影する場合、室内をはっきり写そうとすれば人がきちんと写らない。人がはっきり写るようにすると、外が真っ白になる。外に合わせると室内が真っ黒になってしまう。実写を重ねながら繰り返し、ソフトウェアを調整していきました。画質は目に見えてわかるため、導入を決める大きなポイントとなる部分ですので、こだわってソフトウェアを開発しました。

監視用と決めつけてはもったいない!
VB-S30Dは、デジタルビデオカメラと同じ映像エンジンDIGIC DV IIIを採用し、高画質で撮影することが可能。さらに監視用途で利用されることを想定し、月明かり程度の暗い場所でもはっきり色を写すことができる。
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松尾氏 監視の場合、人がいない環境で録画を続ける。その状態から動きがあった時に検知する機能も搭載しています。動きがない環境を撮影し続けるのはネットワークカメラならではの撮影だと思います。

仲摩氏ネットワークカメラ=監視用というのが一般的ですが、監視用だけに利用するのはもったいない。もっと色々なところに活用できる価値をもっていると思います。
販売店の皆様にも、安心、安全を売るという監視用の利用に加え、それに限定されない新しい用途に活用して頂ければと思います。「こんなお客さんがいるので、こんな使い方ができないか」といった提案を頂くことができれば、うれしいですね。

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