株式会社アイ・オー・データ機器

従来製品からハード、ソフトなど全面を大幅強化
一新したのがHDL6-Hシリーズ

アイ・オー・データ機器のNAS「HDL6-Hシリーズ」は、同社NAS製品の中で最高品質、最高性能の製品だ。「NASを利用する際のトラブルを減らすために、従来製品の機能強化ではなく、新たに開発しなおしたのがHDL6-Hシリーズ」と同社の事業戦略部 商品企画2課 課長の宇津原武氏は話す。HDL6-Hシリーズはどんな点が強化され、どんな特徴を持っている製品なのか、宇津原氏に伺った。

耐振動を考慮し設計しなおされたハードウェア部分
株式会社アイ・オー・データ機器
事業戦略部 商品企画2課 課長
宇津原 武氏

当社が法人向けNAS製品を発売したのが2006年です。その後、製品強化を進めてきましたが、振動対策、庫内の温度対策などのためには、従来製品の改良ではなく、全く新しい製品を作る必要があると開発されたのがHDL6-Hシリーズになります。筐体自身は、ズレやひずみが発生しにくくなるような強度設計を行いました。

開発段階で、筐体ファンが壊れて振動が発生し、ハードディスクのパフォーマンス低下につながっていることが明らかになりました。そこで開発を一時中断し、筐体ファンの経年劣化なども想定し、筐体ファンの固定ネジを中空ネジに変更し、振動が直接筐体に伝わらないような仕様にしました。

ソフトウェアも大幅に強化しました。とにかく、冗長性がない状態を減らしたい! そのための機能強化として、新たに開発した仮想ファイルシステム「拡張ボリューム」を採用しました。2台のハードディスクでペアを組み、ペア間でファイル単位のミラーリングを実施し、複数のペアを仮想ファイルシステムで束ねています。RAIDの場合、ブロック単位でミラーリングしますが、ファイル単位のミラーリング(コピー)を行っています。万が一、片方のハードディスクが故障した場合、RAIDはハードディスクのデータ使用容量に関わらず、容量全体をリビルドする必要がありますが、拡張ボリュームでは、ペアを組んだもう一台のハードディスクから保存されていたファイルを書き戻すだけでリビルドが出来るため、高速に復旧することが可能になります。また、拡張性も高く、将来の容量拡張も可能です。たとえば、購入時の内蔵ハードディスク6台全てが1テラバイトだとしても、将来、容量が不足した場合、ペアの2台の片方ずつを順に4テラバイトに切り替えることで、容量拡張が可能です。仮想ファイルシステムにより、RAIDのようにリビルド時に全部のデータが消えてしまうことはなく、データを保持したまま、容量拡張が可能になりました。

専用サービスで内部を見える化
「HDL6-Hシリーズ」は、従来製品の機能強化ではなく、NASを利用する際のトラブルを減らすために新たに開発しなおしたNASだ。
写真拡大

宇津原氏 できる限り強化は行いましたが、機械ですから絶対に壊れませんとは言えません。ハードディスクには寿命もあります。そこで、クラウドを介して離れた場所からもNAS内部がモニタリングできるサービス「NarSuS」も提供しています。NASの健康状態を見える化することで、異常の予兆をいち早くキャッチすることが可能となるのです。異常が起こる予兆を発見した場合には、部品の交換や、障害発生時のハードディスクを交換するなど、対処を早くすることで、連鎖的に発生するトラブルを防ぐことができます。

2006年頃にNASを導入したお客様はそろそろリプレースの時期に来ていると思います。新しいものに取り換えるのがいいだけでなく、従来製品を使っていて感じていた問題点を改善するために色々な工夫があることをぜひ、知っていただければと思います

販売店の皆様には、お客様のために適切なNASを選んでくださいとお願いしたいです。法人のお客様の場合、NASは安ければ良いのではなく、用途、目的に合った製品を選んでいただくことで、トラブルなく、利用して頂けるのではないかと思います。もし、製品を使っていて、足りない部分があると思われたら、ぜひ、当社にご意見を頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

→メーカーズボイス一覧に戻る