キヤノンマーケティング株式会社
キヤノンマーケティングジャパンが投入したミニプロジェクター「C-5」は、これまでのプロジェクターとは異なる市場をターゲットとしている。まず胸ポケットに収まるサイズ、そして電源なし、接続の手間を最小限とした手軽さ、画質、明るさなどを追求してきたプロジェクターとは異なる特長を持っている。キヤノンマーケティングジャパン オフィスデバイス企画本部 ビジネス周辺機器企画部 ビジュアルソリューション企画部・主任の山和宏氏は、「今回、当社がこの製品を発売したのは以前とは異なり、この製品を利用する環境が整ったと考えているからです」と話す。どんな状況変化があったのか、そしてこの製品でどのような新市場開拓を見込んでいるのか、山氏にお話を伺った。

オフィスデバイス企画本部
ビジネス周辺機器企画部
ビジュアルソリューション企画課 主任
山 和宏氏
キヤノンマーケティングジャパンでは、中期経営計画の中でもプロジェクターを注力製品の一つに位置づけています。従来のプロジェクターは画質、明るさを追求してきました。それに対しこの製品は、胸ポケットにも収まる幅124mm、奥行き71mm、高さ20mm、重さ169g。小型、軽量、電源レスで約3時間利用可能。パッケージに三脚、ケーブルが含まれ、ITを使い慣れていない人でも簡単に利用できるといった点が特長です。
これまではプロジェクターを使っていなかったような少人数の会議、プレゼンテーション用に利用していただけると思います。画質、明るさを追求した製品ではないと申し上げましたが、解像度はVGA、明るさは50ルーメンで、室内で投影していただいても少人数の打ち合わせには十分な品質です。
実は以前、そこにはいくつか原因があったと分析しています。まず、電源に繋ぐことなく利用できる時間が1.5時間程度と短かった。営業職の方が利用されるといっても1.5時間では1件の客先で利用している間に電源が切れてしまいます。これでは複数件の営業先を回るといった場合には利用できません。これに対してC-5は電源なしで約3時間利用できるので、続けて複数の客先で利用することが可能になったと思います。
次に利用環境としてスマートフォン、タブレットとプロジェクターにつなげて利用しやすいデバイスが登場していることが、ミニプロジェクター市場拡大を後押しすると見ています。MHL対応のミニHDMIケーブル1本でタブレット、スマートフォンと接続することができますので、気軽に利用できると思います。
ミニプロジェクターをプロジェクターの一つのジャンルとして定着させていきたいと考えています。

大塚商会の方と打ち合わせをしていた際、工事現場など電源のないところで、朝の作業確認の際に利用することができるのではないかという提案をいただきました。こうした提案は今後のお客様への提案・PRにもありがたいです。電源レス、小型といった特長を活かして、まだまだ新しい使い方ができる製品だと思います。例えばお医者様に営業に行かれる製薬会社の方から、「新しいプレゼンの方法として利用できそうです」といった声もいただいています。
いろいろなお客様に接している販売店の皆さまであれば、当社では想定していなかった用途が数々と思い浮かばれるかもしれません。是非、そういった新しい用途を提案していただき、これまでのプロジェクターとは異なる、新しい市場をご一緒に作り上げていくことができればと考えています。どうぞ製品を見ていただいて、いろいろな声をお寄せいただければと思います。