エレコム株式会社
エレコムが発売した法人向けAndroidTM搭載端末「LT-H03シリーズ」は、何とバッテリーを搭載していない。スレートタイプの AndroidTM搭載端末が当たり前のようにバッテリーを搭載する中で、「法人向け製品での導入事例を見ていると、バッテリーを搭載しないメリットの方が大きいことが分かり、バッテリーを搭載しない製品を開発することになりました」とエレコム株式会社の営業部法人営業企画課 課長である山田真也氏は話す。バッテリーを搭載しないことでどんなメリットがあるのか。また、バッテリーを搭載しないAndroidTM搭載端末はどんな使い方をされるのか、山田氏に詳しく伺った。

営業部 法人営業企画課 課長
山田 真也氏
一般的なモバイル機器のバッテリーとしてはリチウムイオン電池が使われています。このバッテリーは特性上、充電可能回数の上限が500回程度となっています。法人需要の場合、1年もたたないうちにその回数を超えることも多く、バッテリー関連でのクレームを受けることが多数ありました。
充電以外にも、「使い続けているうちに、バッテリーが膨らんできた」、「主電源を落とさなければいけないので、バッテリーで電源が入り続けていると逆に面倒」など、お客様から寄せられるご指摘がバッテリーに関するものとなっていることが多かったのです。
そこで「いっそ、バッテリーレスの製品にしてはどうだろう」と企画したのがこの製品です。法人のお客様の場合、電源がある環境に固定で設置する場合が多く、バッテリーレスでも問題なく使えることがほとんどだからです。
本機を「AndroidTM搭載タブレット」と呼称すると持ち歩いて利用する従来型のバッテリー付きタブレットを想像される方が多いので、タブレットという名称は使わず、「AndroidTM搭載端末」と呼んでいます。

PCやタブレットのように汎用的な用途ではなく、特定用途に絞った専用端末として利用されることが多いようです。中でもデジタルサイネージ用途は特に人気です。スタンドに設置して利用されるだけでなく、壁に設置して利用することも多いので、背面にはVESA規格のねじ穴をつけています。固定設置の場合に利用していただくことができますよ。
今回、画面サイズを7型から27型まで複数用意しています。32インチ以上となると家電向けテレビモニターがありますが、ビジネスの現場では意外と小さい画面サイズのニーズが多いのです。そうしたサイズのものは、店頭のPOPとして使われている例があります。書店での書籍紹介用、ドラッグストアでは効能など通常の紙POPよりも詳しい情報を表示するため、スーパーでは野菜の生産地紹介用に……など、幅広い利用例があります。
一番多く需要があるのは10.1インチサイズです。このサイズのものは、電子キオスクとして利用する、企業の受付に設置して受付用端末として利用するなど、その手頃なサイズ感も相まって多彩な活用例が出ています。 実は販売を行う前から、個々の法人のお客様向けには製品を提供していました。ご紹介した事例は いずれも実際に導入されたものとなります。また、システム開発を行う会社とのアライアンスも実現しており、「新たなアプリを作りたいのだが」といった声があれば、そこにも対応させていただきます。ぜひお声がけください。

「無線LANは安定しないので、有線LANポートが欲しい」という声に応え、有線LANポートを搭載しています。常時ネットワーク経由で情報を更新し、掲載するというような使い方であれば、有線LANがお勧めです。 USBポートについても、普通のAndroidTMタブレットのような小さなUSBポートではなく、やはりお客様からの要望で通常サイズのUSBポート( USB Aコネクター)を搭載しています。
タブレットも登場してから複数年が経過し、「従来利用している製品の入れ替えにこの製品を導入したい」 というお客様が、2016年に入って増えています。現在では、6割程度のお客様が入れ替え需要で、新規に導入するお客様(約4割程度)を上回っています。また、過去に導入した端末にトラブルがあり、「この製品であれば、困っている点がクリアできそうなので、検証したい」というお客様もいらっしゃいます。タブレットがどんなところに利用できるのか、どのような問題点があるのかを理解していらっしゃるお客様ほど、この製品の仕様を評価してくださるようです。
既になんらかの端末を導入されているエンドユーザー様も、また新たに端末導入を検討されているエンドユーザー様にも、ぜひこの製品の利点をご説明いただき、パートナー様より、ご提案いただきたいです。