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2011年9月時点の情報を掲載しています。
2000年に無線LAN製品が登場して以降、無線LAN規格「IEEE 802.11x」(以下802.11x)は日々進化を遂げ、高速化と安定化を磨いてきた。2009年に正式規格として認定された802.11nは、理論値で600Mbpsの通信速度を実現。飛躍的な高スループットを実現した背景には、2つの技術がある。まず、「チャンネルボンディング」は、隣り合う20Mhzのチャンネルを束ねることで、40Mhz帯で通信し、150Mbpsで通信を可能にする技術。そして「MIMO(Multiple Input Multiple Output)」は、複数のアンテナでデータの送受信を行う技術で、802.11nでは最大4ストリームで通信が可能となっている。そのため、2つの技術を組み合わせた最大理論値が600Mbpsというわけだ。製品としては、150Mbpsや300Mbpsの対応製品が登場している。
インテルが提唱する画面の転送表示規格の「WiDi」は、802.11nを活用する仕組みだ。ノートPCの画面表示と音声をワイヤレスでハイビジョンテレビなどに送ることができる。ノートPCとHDMIケーブルで接続しなくても高品質なフルHD映像(1080p)と音声を出力できる。最近はHDMI出力端子を搭載したノートPCも増えてきたが、すべてのノートPCにHDMI出力端子を搭載することはありえない。特にビジネス用の製品に搭載されることはまずないだろう。とするならば、高性能のハイビジョンテレビをモニターとして、有効に活用する仕組みになりえる。
WiDiを利用するには、対応する第2世代インテルCoreプロセッサ搭載ノートPCと、受信側に専用のアダプタが必要となる。このアダプタは、各周辺機器メーカーから、1万円ほどで対応製品が登場している。機能としては、ノートPCの表示画面を複製する「クローンモード」、ノートPCとテレビをディスプレイとして利用できる「マルチディスプレイモード」、転送先の画面だけを利用する「モニターオフモード」がある。
活用法としては、マルチディスプレイモードで画面を追加して作業効率の向上させたり、クローンモードで大型ディスプレイやプロジェクタを使った高品質な映像でのプレゼンや発表といった目的が思いつく。ケーブルに制限されず、最大6m離れた場所から利用できるので、広い会議室や会場でのプレゼンに利用しやすい。また、店頭やオープンな場所に大型のディスプレイを置き、離れた場所のノートPCから映像や広告などを操作するといった使い方も考えられる。その場合はモニターオフモードにしておけば、節電に貢献できる。
2011年4月のインテルの発表会では、HDCP(Highbandwidth Digital Content Protection)に対応することが発表された。これまでWiDiは、著作権に保護されたDVDやBlue-rayの映像を出力できなかったが、コンテンツ保護規格の一つであるHDCPに対応すれば、これらの映像も無線で伝送できるようになる。地上デジタルテレビ放送の映像はARIB(電波産業会)の認定は受けていないようだが、将来的にさまざまな高画質なコンテンツを伝送できれば、用途に広がりが生まれることは間違いない。通信技術やインフラが整ってくれば、おのずとコンテンツは高画質の方向へシフトしてゆく。
画面の無線転送サービスには、WHDI規格などもあるが、インテル主導であること、そして比較的導入が簡単であることから、WiDiを理解しておけば、今後の提案に幅を出せるのではないだろうか。
WiDiでは、ノートPCから1080pのフルハイビジョン映 像と音声を無線で伝送することができる
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