モバイルブロードバンドの環境が整い、社外でもストレスなくインターネットを利用できるようになり、オフィス以外の場所で業務を行うことは珍しい光景ではなくなった。しかし、社外で業務を行う際には、個人情報や機密事項の漏えいを防ぐための施策が必要となる。そこで、端末から社内のPCにセキュアにアクセスできる「リモートデスクトップ」が注目を集めている。このリモートデスクトップは、在宅勤務を支援し、BCP対策や節電対策としても有効だ。東日本大震災を契機として、企業の関心が急激に高まり、リモートデスクトップを利用した在宅勤務制を導入する企業も増え始めている。まさに今が導入を提案するチャンスなのだ。 |
リモートデスクトップとは、他のPCのGUIを操作する機能。主なメリットは、社外から社内のサーバやPCにアクセスすることで、情報の活用や業務の遂行が可能になる。
このリモートデスクトップの導入のメリットは、運用管理側とユーザ側の双方にある。まず、運用管理側の最大のメリットは、管理コストの削減だ。クライアントPCへの新しいソフトウェアの導入やバージョンアップなどを遠隔操作で行えるため、効率的な作業が可能になる。ヘルプデスク業務の効率化もリモートデスクトップ導入のメリット。オペレータが操作するPCの様子を、目の前の画面で確認できるため、問題点が明確になり、早期解決につながる。特に情報システム部門の担当者が営業所などに出張してサポートしている場合は、経費や人件費の削減効果を期待できる。
一方、ユーザ側のメリットは、PCの保守管理に伴うストレスがなくなるとともに、テレワークとして在宅勤務の支援にもなること。在宅勤務が実現できれば、BCP対策として活用できることに加えて節電対策にもなる。
総務省による試算では、企業が在宅勤務を導入することで、オフィスでは40%以上の電力消費量の削減が可能になる。その分、家庭での電力消費量は増大するが、それを合算しても10%以上の節電効果が期待されている。
リモートデスクトップの接続方法には、ヘルプデスクなどの一時的なアクセスに適したワンタイム接続タイプと、営業所のPCを操作する場合に適した常時接続タイプがある。また、複数のOSが混在するシステムに接続する場合もある。Windowsはもちろん、Mac OS、Linux、Pocket PCなど、さまざまなOSに対応したソリューションが提供されているので、エンドユーザ様の利用環境を理解したうえで、適した接続方法やサービスを提案したい。
そして、リモートデスクトップを導入する際に、最も注意すべき点はセキュリティの確保だ。セキュリティは、IT管理者の頭の痛い問題。社外から社内のシステムに接続するリモートデスクトップは、情報漏えいのリスクがある。しかし、手間なくセキュアにリモートデスクトップを構築できれば、IT管理者の負担を軽減しながら、生産効率を高められる。例えば、オーシャンブリッジの『ISL Online』やシマンテックの『Symantec pcAnywhere』なら、セキュアなリモートデスクトップ機能を始めとする、多彩なリモート機能を備えている。
手軽さならフリービットの『MyVPNインスタントテレワーク』に注目したい。U S Bの指紋認証キーをP Cに挿すだけで、セキュアなVPN通信を簡単に実現できる。強固なセキュリティにこだわるならウオッチガード・テクノロジー・ジャパンの『WatchGuard SSL 100/560』。基本設定によりSSLトンネルを自動構築でき、信頼性の高い接続を実現する。
他にもセキュリティで注意したいのは、クライアントPCにデータを保存している場合、PCの紛失や盗難に遭うとそこから情報が漏えいする危険があることだ。その点、クライアントPCにデータを保存しないクラウドサービスならば、この問題を回避できる。
続き「リモートデスクトップを使いこなす」は本紙でご覧下さい。
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ここがメリット
・ヘルプデスク業務を効率化
・IT管理部門のコスト削減
・在宅勤務を支援、BCP対策、節電対策
・IT管理者の負担を軽減
・クラウドサービスで情報漏えい回避
・仮想化提案でビジネスチャンスを拡大
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