BPNavigator to GO - 巻頭特集

　大塚商会の販売最前線からお届けするセールスノウハウマガジン「BPNavigator」のWEB版です。

2002年7月時点の情報を掲載しています。

IDCによると、2001年に世界で出荷されたデュアル・プロセッサ・サーバ製品の中で、インテル社製CPUを搭載したサーバ、いわゆるIA（インテル・アーキテクチャ）サーバのマーケット・セグメントシェアは86%に達した。さらに、2002年から2003年にかけてそのマーケット・セグメントシェアは9割に達するという。
IT産業の景気が停滞する中で、IAサーバは確実にその売り上げ台数を伸ばしている。
IAサーバをプラットフォームとして、これからのIT市場はどのように進化していくのか。
インテル社へのインタビューを中心に、そのテクノロジーとビジネスチャンスについて取材した。

　WebサービスとWebアプリケーションは、これからのIT産業を支える重要なシステム構成であり、同時にビジネスモデルでもある。現在の産業は、何らかの形でITを取り入れなければ時代の流れや市場の動向に取り残されてしまう。わずか4bitの処理能力からスタートしたインテル製CPUも、進化の速いIT産業の中でいまや64bitへと飛躍しようとしている。こうしたCPUの進化にあわせて、インターネットを基盤としたネットワーク環境の整備が進み、いまやWeb技術を核とした新しいシステムの構築とビジネスの推進が求められている。そして、これらのWeb技術を活用するためには、社内の情報基盤も新しい仕組みに作り変える必要がある。それが、かつてWindows DNAと呼ばれていたアプリケーションの三階層モデルだ。
　三階層モデルとは、アプリケーションを開発し利用するためのシステム基盤になる。旧来のアプリケーション開発では、データの記録や更新を含めたすべて情報処理を一つのサーバに集約していた。パソコンを使った情報処理でも、かつては高性能なマシン一台でデータの読み書きや計算などを行っていた。
　それに対して、三階層モデルではデータ処理とビジネスロジックと入出力操作を完全に分離した。データ処理はOracleやDB2、SQL Server などのRDBだけを実行するサーバに集約し、サーバそのものの用途と性能を単純にした。そして、業務処理に関するビジネスロジックなどのプログラムは、別のサーバで処理させる構成にした。ここまでならば、まだ二階層だが、ここにWebサーバを追加して、中間のサーバで作成したビジネスロジックやミドルウェアによる情報処理をHTMLやXML化することで、Webブラウザによる操作を実現した。

　Webを利用した三階層モデルでは、データ処理や計算に修正が発生したときは、中間に位置するビジネスロジックを管理しているサーバのコードを修正するだけで必要な更新が可能になる。以前のクライアント/サーバ型のアプリケーションではビジネスロジックをクライアント側で処理していたため、コードの修正は何十台ものクライアントを更新する必要があった。それに対して、Webサーバもデータベース・サーバも修正することなく、コードの更新を一度に実行するといった集中管理ができるWeb三階層モデルは、大規模なアプリケーション開発においても、その生産性やメンテナンス性を大幅に向上させる。
　さらに、このWeb三階層モデルは、社内の情報システムだけではなくインターネットへのWebサービスとしても利用できる。そのため、今後の情報システムにおける新規導入やリストラクチャリングでは、確実にこのシステムモデルが導入されると考えられる。

　IAサーバで構築する三階層モデルは、IT市場に新しいビジネスのチャンスをもたらす。いままでのシステムの入れ替えだけではなく、ホストコンピュータやオフィスプロセッサなどで構築されたシステムも、今後はこの三階層モデルによって、新しいWebアプリケーションやサービスの開発が加速するからだ。
　さらに、既存のシステムとWebサーバを連携させるためにも、三階層モデルの構築は効果的だ。マイクロソフトの.NET戦略は、この三階層モデルを基盤としてそれをさらに推し進めたものとなる。先ごろ、同社が主催した「the Microsoft Expo 2002/SPRING」の基調講演で壇上に立った阿多社長によれば、これからのITによるビジネスは、自社のシステムだけではなく、協業する他の会社のシステムとの効果的な接続や連携が必要になってくる。そうした「繋がる」エンタープライズシステムを構築するためには、.NET開発環境を最大限に活用できるWindows DNA による三階層モデルの導入が必要になる。そしてそれを多くの企業に推奨することが、新しいビジネスチャンスとなるのだ。

続きは本紙でご覧下さい。

Windows DNAモデル図
http://www.microsoft.comより

三階層モデルへの発展過程http: //www.microsoft.comより

三階層モデルの利用例
http://www.microsoft.comより

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