マイクロソフトが提唱する、手書き入力が可能なパソコンTablet PC(以下、タブレットPC)が、有力パソコンショップ店頭に陳列されはじめた。タブレットPCは新たなパソコンの形態として提唱されたもので、国内で販売された製品には、OSにMicrosoft
Windows XP Tablet PC Edition日本語版が採用されている。
当初はソーテック、東芝デジタルメディアネットワーク、NECソリューションズ(発売は第4四半期)、日本hp、富士通が、自社ノウハウを活かしたタブレットPCを発売したが、今後はノートPCを発売している各ハードベンダーから多様なモデルが発表されるだろう。
タブレットPCの機種形態は大きく分けて2種類だ。ピュアタブレット型と呼ばれるタイプは、パネル形状でキーボードがないか、取り外し可能なキーボードが付加されたもの。もうひとつがコンバーチブル型で、これは既存のノートPCのように、パソコン本体にキーボードを付属するが、画面部分を180度回転させることができる。
パソコンの形状を変化させるOSで問題になるのはアプリケーションソフトだ。マーケティングに定評のあるマイクロソフトだから、その点の抜かりはない。Windows
XP Tablet PC Editionに対応した“デジタルインク”(手書き入力機能)利用可能なソフトを開発するメーカーは、発売当初でも33社もあった。今後は爆発的に増えるだろう。ペリフェラル分野も同様だ。ワコムが、筆記具メーカーの米A.T.クロス社と共同で、タブレットPCの専用電子ペン『Penabled
Executive Pens for TabletPCs(ペナブル・エグゼクティブ・ペン)』をすでに開発している。このペンは、米A.T.クロスのデザイン技術と、ワコムのペン入力技術を融合させたもので、マウスのボタンに相当するサイドスイッチとイレイサー(消しゴム機能)スイッチを装備している。ペンに内蔵された圧力センサーで、個々人によって異なる筆圧の強弱で表示カラーの濃淡を表現することができる。