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| 2003年1月時点の情報を掲載しています。
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  昨年の市況は、年間を通じて決して良いものではありませんでした。景気回復の兆しが少しは見られるかと思っておりましたが、上期よりもかえって下期の方が株価などは厳しいものがあったように思います。 また、株価を含め、IT業界に対する信頼は下落傾向にありました。そのような厳しい状況下ではありますが、一方で企業におけるITの有効利用に対する姿勢はより積極的になってきているといえます。特に中堅クラスの企業のIT投資は伸びてきていますね。ITを上手に活用することで生産性を上げ、コストの削減を図ることこそ、企業がこの逆境を生き抜いていく鍵といえるのではないでしょうか。現に、厳しい市況の中にあっても業績を伸ばしているのは、webを活用しながらIT投資を継続し、しっかりとしたデータベースを持っている会社です。今の経営環境では、気合や根性だけでは業績を上げることはできません。ITにきちんと投資をし、最新の技術や製品を活用している会社が勝ち組となっていると思います。 そうはいっても、これほどの金融不安・雇用不安の中、皆何となく動けなくなっている――現在の市況はそういった印象です。そんな中、大塚商会のディストリビューション事業はビジネスパートナーの皆様、メーカー各社の皆様の絶大なるご支援をいただき、弊社の事業の大きな柱として成長を遂げてきました。誌上をお借りして厚く御礼申し上げます。 2001年には「信頼に応える」を、2002年には「お客様の目線で総合力を活かす」を、全社スローガンとして掲げました。そして、このふたつをあわせて “New WebでNew Waveを起こそう”を合言葉に、“New-Web戦略”を打ち立てました。 大塚商会には、従来のリアル型のビジネスと、生産性アップのためのweb系ビジネス、この双方を持っているという強みがあります。しかし、これをもう一度リアルとバーチャル、バーチャルとリアルといったつながり――Real-on-Real、Real-on-Web、Web-on-Real、そしてWeb-on-Webという4つの切り口から見直してみると、弊社に揃っているソリューションでも必ずしも生かされていないもの、うまくお客様にお伝えできていないものが多々あることに気づきました。 また、業務のボーダレス化が進んだことで、既存の組織や体制に沿った従来型の意識や目線だけでは、お客様のニーズには応えられなくなっていきます。お客様のニーズにお応えすることがイコール会社の信頼につながるわけですから、原点に戻り、もう一度「お客様の目線」に立って社内を見直す必要性を感じました。「お客様の目線」に立ち、新たな問題点を明確化していく必要性です。この辺りから、webも含めて総合的にものを見ていこうという“New-Web戦略”が生まれました。 ビジネスパートナー様におかれましても、大塚商会のバッググラウンドにある多彩なソリューションと“New-Web戦略”を有機的に結合させていただくことで、新たなビジネスチャンスを獲得していただけるものと期待いたしております。  “New-Web戦略”の中でも、ODS の伸びは前年比で4割強を記録しました。ここ1〜2年、同業他社さんもODSに近い商品を出してきた中で、大塚商会では2001年より今までのODS2000から「ODS21」という幅を広げたコンセプトへ展開しました。これにより、回線ビジネス、インターネットFAX、CADの図面関係など対応範囲が広がり、ボーダレス化は進んでいきました。追い風として、競争力のあるカラーコピー機が出てきたことに加えて、ビジネスパートナー様の積極的な拡販努力がこの伸びにつながったと見ています。でも実際のところ、お客様の潜在ニーズから考えると、この倍ぐらい伸びてもおかしくありません。 また、オフィスサプライ「たのめーる」も好調です。こちらに関しては、商品の品揃え、配送体制、カタログ自体も含めて、一度マーケティングの見直しをしました。他社さんとの差別化を重視し、お客様の声に耳を傾けました。そこで出されたさまざまな改善策を具体化できたことが大きいですね。取り扱い商品の幅、掲載商品の選び方についても、大塚商会としては環境問題を重視したカタログも作って提案をしていきました。そうした特色を出しつつ進めてきたことも躍進の理由ではないでしょうか。 私はお客様のところへよくお邪魔しますが、バブル崩壊後の一時、大塚商会自身が厳しい環境にあったエピソードなども交えて、私自身、お客様といろいろなディスカッションをさせていただきました。そういった場で、弊社はすごくいいことがやれる会社なんだなと自信めいたものを感じた次第です。やはり市場の声を聞くことはトップにとって大事なことだと実感しました。 webビジネス全体を見ますと、ここのところ、会員数はずいぶん増えました。この厳しい経済環境下、口座数が増えていくというのは経営者としてもありがたいの一語に尽きます。 いずれにせよ、2002年は新しいメニューが多く加わった年というよりも、今まで取りかかっていたものが修正を繰り返しながら形になり、かつ深みをもって地に足をつけ、成長を始めたという感じです。そしてこの一歩が“New-Web戦略”のバックボーンになっていると思います。 2002年にスタートした「e-otsuka」 においても、大事なことは、大塚商会がものを売ることを意識してつくったポータルではなく、あくまでもお客様が当社に問い合わせをされる際に便利なように作ったポータルだということです。本筋は「お客様のためのサイト」なのであって、こういった考え方などはCSに大きく寄与していると思います。 「QQ-Web」 も同様ですね。要は、視点の問題です。売り手の目線だけで考えるのではなく、常に買い手の、お客様の目線を頭においておくこと。こういった意識は非常に大切だと思います。  株式を公開してからというもの、私自身、さらに社会というものを強く意識するようになったという実感があります。社会に役立つことこそ企業の存在意義だ、との確信が強まったといえましょうか。私どもがここまで成長することができましたのも、ひとえにビジネスパートナー様をはじめとするお客様や社会のお陰ですから。お客様とともに歩みつつ、社員ひとりひとりがこういった社会に対する意識を持つことが、結局のところ会社自身にとってもプラスになってくると思います。現に今、社員個々人からもボランティアの提案が出されてきました。こうした社員の強い思いに、会社としてもできる限り応えていく所存です。 今年のスローガンは常に原点に立ち返り、「お客様の目線で行動し、信頼に応える」としました。経営方針というものは本来、そう毎年毎年クルクル変わるものではいけません。ただ違うのは、これまではいわば啓蒙、バックボーン作り的な期間でしたが、これからは培った基礎を生かし、具体的な行動に移るべき時期だということです。前年に蒔いた種を着実に刈り取るためにも、お客様ともっと密着し、お客様と大塚商会、大塚商会とお客様、この両者がお互いのことをよくわかりあっているという関係を築いていきたいと思っております。これが今年の大きな目標です。 最後になりましたが、今年もビジネスパートナーの皆様へは、私どもの持てるノウハウはすべてご提供してまいります。直販とは違う、インタラクティブな関係を築いていくのが理想です。皆様のIT担当として、今後とも皆様と共に歩んでまいりたいと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。 |
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