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2003年7月時点の情報を掲載しています。
不正プログラムの脅威
現在、大半のコンピュータにはコンピュータウイルス検知・駆除を目的とするアプリケーションソフトがインストールされているはずです。ブロードバンド常時接続時代のパソコンでは、何がしかのセキュリティ対策を施す必要があるわけです。秋葉原のパソコンショップでも、店員に「これを購入すれば、セキュリティ面は安全というわけだね…」と確認するお客様がいます。
それに対する店員の反応は様々です。「まず、間違いありません」と断言する店員が大半ですが、コンサルティングセールスを考える店員の場合、「例外があることにも留意してください」と話すでしょう。そんな店員は次のようなことを考えているはずです。
「コンピュータウイルス検知・駆除システムまで含めた既存のセキュリティツールでは、ネットワーク最大の脅威といわれる不正プログラムを検出できないケースが多いはずだ」
ここで言う不正プログラムとは、トロイの木馬、ハッカーツール、スパイウェアなどを意味します。不正プログラムは既存のセキュリティ対策をすり抜けて、ネットワークに侵入する性格を持っています。通常はハードディスクの中に引きこもっていますが、ある意図を持つ人がツールを動作させると、企業の信用を失墜させそうな状況を演出します。
タイピング履歴記録ソフトでパスワードが無意味に!
先日、インターネットカフェのパソコンから個人情報を不正に盗み出し、ネットバンクにアクセスして、1,600万円を盗んだ犯人が逮捕されました。この事件では、容疑者たちは「キーロガー」というツールを仕掛けていました。それはキーボードのタイピング履歴を記録するソフトで、本来は技術者が自身のタイピング履歴を記録させ、複雑な作業工程を復元させるツールでした。ところが、これが悪用されると大変です。秋葉原でこの分野に詳しい店員の話を聞いてきました。
「日本製のキーロガーに、マウスの動作履歴、起動ソフトや表示画面まで記録するものがあります。これを仕掛けられたPCは、パスワードが無意味になってしまいます。ログなども含め集められた情報は、設定されたメールアドレスへ定期的に送信されます。遠隔地にいる仕掛け人は、ポテトチップスでも食べながら漏洩情報を眺めているわけです」
以前、自社の顧客情報を漏洩させてしまった美容関係の会社がありましたが、キーロガーのような不正ツールが仕掛けられた場合、パスワード、顧客情報、知的財産を奪われてしまいます。無意識のうちに加害者企業に仕立て上げられてしまう可能性もあるわけです。
これからはウイルスよりもペスト対策
秋葉原には「ファイアウォールなどで万全なセキュリティを施しているから、うちは安心だ」と胸を張る企業ユーザも来ます。それはそれで結構ですが、違う観点から問い合わせると、思わぬ答えが返ってくることに茫然とさせられる時もあります。たとえば、「外部からのニンゲンが簡単に社内に入ることができますか?」、「海外のアダルトサイトに頻繁にアクセスするような社員はいませんか?」という質問がそれです。もし後者の質問が当てはまれば、Webサイトからスパイウェアを送りつけられている可能性が高まります。スパイウェアの中には個人PCや企業サーバにバックドアを形成するものがあるのです。セキュリティホールを作成することが目的というツールもあります。そんな場合はファイアウォールやIDSでさえ検出できません。
しかし、嘆いてばかりはいられません。実は不正ツールを検知・駆除を目的としたソフトが既にあるのです。『ペストパトロール』(http://www.pestpatrol.jp/index_dl.htm)がそれです。12,000以上のペストファミリーから68,000以上のペストを検出し、駆除できるツールです。これからはウイルスよりもペスト対策が重要になるわけですね。当然、前出のキーロガーも検知します。某警察署への導入実績もあり、検知だけできる試用版を上記サイトから無料ダウンロードできます。読者の皆さんも、一度試されることを推奨します。
島川 言成
パソコン黎明期から秋葉原有名店のパソコン売場でマネージャを勤め、その後ライターに。IT関連書籍多数。日本経済新聞社では「アキハバラ文学」創生者のひとりとして紹介される。国内の機械翻訳ソフトベンチャー企業、外資系音声認識関連ベンチャー企業のコーポレート・マーケティング部長を歴任。現在、日経BP社運営のビジネスサイト「日経SmallBiz」でIT業界の現状分析とユニークな提案をするコラムを連載中。PC月刊誌「日経ベストPC」では秋葉原のマーケティング状況をリポート。また、セキュリティ関連ベンチャー企業のマーケティング部門取締役、ゲームクリエーター養成専門学校でエンターテインメント業界のマーケティング講座も担当。
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