大塚商会の販売最前線からお届けするセールスノウハウマガジン「BPNavigator」のWEB版です。
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2003年11月時点の情報を掲載しています。
私は1982年に大学を卒業後、当時のDEC(現HP)に10年半ほど在籍し、代理店、OEM、エンドユーザ、ラージアカウントと、営業担当として経験を積ませていただきました。その第一線において、お客様がMSネットワークやパソコンのLAN等へ期待感を高めている状況を肌で感じ、新しいコンピュータネットワークの時代というものを予感しておりました。その後マイクロソフトからお誘いをいただき、1992年から約10年間、マイクロソフト社でWindows NTの立ち上がり、成熟、そして各種サーバ製品の誕生へと立ち会った形となります。
そして、ちょうど私がエンタープライズ営業の責任者をしていたときに、これまでに無いほどに進化した、コンピュータウイルス(ワーム)「コードレッド」や「ニムダ」の猛威を体験しました。マイクロソフト社員としてその対応に追われていたところ、お客様の現場において、トレンドマイクロの迅速なサポート対応を目の当たりにし、その存在を強くインプットされたのです。
2003年2月に、弊社スティーブ・チャンから「トレンドマイクロの第二フェイズを一緒に創り上げていこう」という誘いを受ける形で入社、その後、執行役員 日本代表に就任させて頂きました。トレンドマイクロは1989年にスティーブ・チャンがウイルス対策の専門会社としてアメリカで立ち上げた組織ですが、最終的に日本に本社を構え、ワールドワイドに展開を行い発展してきた会社です。日本に開発部隊を置き、日本のお客様の声をダイレクトに聞きながら育ってきたということは、お客様にとっても我々にとっても大変なアドバンテージだと考えています。
トレンドマイクロのこれまでの段階というのは、コンピュータウイルスの登場と、Windows95リリースによる爆発的なインターネット人口の増加という状況に対応するため、その瞬間を駆け抜けてきた15年間でした。しかし現在では、ウイルス自体もさらに強力なワームに進化していますし、市場的にもウイルス対策ソフトはその必要性を認められ、普及段階を終えています。そういう状況において、従来の“プロダクツ・アウト”という体制ではなく、“サービス”を供給する会社へと戦略的に移行しているのが現在の段階です。全世界6拠点の「TrendLab(トレンドラボ)」と呼ばれるウイルス解析・サポートセンターにおいて、24時間365日いつでも、全世界にウイルスパターンファイルを供給しているのも“サービス”ですし、『トレンドマイクロコントロールマネージャー』という管理ツールに連動して、ウイルス感染予防や感染後の自動後処理などを提供しているのも、他社にない“サービス”です。ITインフラを基本としながら“サービス”を提供する体制を強化していくこと。これがトレンドマイクロが迎える第2フェイズと考えております。
弊社は「ウイルスバスター」の成功により、コンシューマ寄りのベンダーと認識されているお客様も多くいらっしゃいます。しかし実際には、日本はもちろん、世界においてもインターネットゲートウェイ(ウェブサーバ)対策製品市場でシェア1位、メールサーバ向けウイルス対策製品市場でシェア1位を占めるなど、企業向け製品の分野においても、市場的、ノウハウ的にも、またウイルス対策の技術面でも特許を持つなど、全てにおいてアドバンテージを誇っています。
例えば自らシステムを運用し、情報・セキュリティポリシーを確立しているような大企業や、ネットワークの運用までを自社で行っているような中規模の企業、専任の管理者が存在しないサービスプロバイダを利用して運用している小規模のオフィスまで、各カスタマー・セグメントごとにどのように“サービス”を供給するのが効率的なのか?どのようなパートナーと協力すれば各カスタマー・セグメントに訴求が可能なのか?といったように、戦略的に物事を考え、造りあげ、表現していく必要性を感じています。
今回弊社では『パラマウント』という社是を作り、“安全なデジタル情報を交換できる”というビジョン、“顧客のデジタル情報資産を守るリーダーになる”というミッションを掲げ、それを実現するための“Creativity(創造性)”、“Communication(コミュニケーション)”、“Change(変化)”、“Customer(顧客)”、“Trustworthiness(信頼性)”、この『4C+T』こそが弊社の価値であるというコンセプトを打ち立てました。企業向け、コンシューマ向けを問わず、我々の取り組み方をこのように積極的に明示してソリューション提供を行っていきます。
そんな中で、グローバルスタンダードである者同士が自分たちの専門分野を充分に発揮し、より良いソリューションを提供することで、相乗効果を狙い提携/展開していくソリューションとして『ベスト・オブ・ブリード』という展開を用意しております。例えば2003年5月22日に提携発表しましたように、VPNに特化しているネットスクリーン社と提携することで、その優れたハードウエア技術の上にトレンドマイクロのウイルス対策技術が搭載され、アプライアンスとして提供される、というようなパターンです。このように、SI&インテグレーターにベストなソリューション提供を実現するための展開を考えています。
私としましては、『ユビキタス(即時性)』の鍵を握るメーカーが日本に揃っている、そしてまたトレンドマイクロも日本に本社を構え展開しているメーカーである、という環境・状況に大変興味を持っています。日本でのインターネット環境を考えると、初期の電話回線を利用した課金制ダイアルアップ接続から、現在では光ケーブルまでを含めた常時接続へと一挙に加速しています。そんな中で、当社ウイルス対策製品の即時的かつ自動的なアップデートはもちろんですが、より利便性を大きく打ち出したソリューションを、大塚商会様と協力しながら提供していきたいと考えています。また弊社の一般・個人向け総合セキュリティソフトの『ウイルスバスター2004』のように、「MSブラスト」等といった次世代型ネットワークウイルスの事前対策機能に加え、パーソナルファイアウォール機能やURLフィルタリング機能、迷惑メール対策機能を搭載するなど、コンシューマ分野においても即時性のあるソリューションを提供させていただきます。
また、昨今のウイルス対策への認識の高まりで、実際にお客様の相談に乗れる、知識のある窓口が重要だと再認識しました。そこでTCAE(Trendmicro Certified Antivirus Expert)や、TCSE(Trendmicro Certified Security Expert)という、営業やエンジニアの方向けの、ウイルス対策の資格認定制度の展開をすすめています。今後も社員教育分野や導入後のサポートの充実を含めた『安心感』を、大塚商会様と組んで提供していきたいと考えております。
トレンドマイクロは、プロダクツ、サービスを含め『素材』を提供しているメーカーです。ですから、最終的に取り扱っていただく販社のみなさま、販社の先にいらっしゃるエンドユーザのみなさまの声を理解している大塚商会ビジネスパートナー事業部様の『調理』が不可欠だと考えております。今後さらに協力を深め、更なる企業/コンシューマ向けソリューションの展開に取り組んでいきたいと思います。
トレンドマイクロ株式会社
執行役員 日本代表 大三川 彰彦氏
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