大塚商会の販売最前線からお届けするセールスノウハウマガジン「BPNavigator」のWEB版です。
Up Front Opinion
|
Another side Talk
|
巻頭特集
|
Open Source Solutions
|
ソフトウェアライセンス
|
IT活用
|
売れるショップ
|
ビジネストレンド
|
イベント
2004年1月時点の情報を掲載しています。
IP電話が注目されている一方で、Webカメラを活用したテレビ会議システムも注目されています。従来の企業で利用されていたテレビ会議システムは、専用機を使用するものでした。遠隔医療や放送局の要望に応えられるような高品質な水準を求める場合、そちらを選択することになりますが、ブロードバンド環境の普及と同調して、インターネットを活用したテレビ会議システムも注目されています。
最近のPCにはWebカメラが同梱されているケースが増えています。それだけWebカメラへの関心が高まっていることを証明しているといえるでしょう。
PCを利用したテレビ会議システムは、インターネットの接続環境次第で多様な構成を組むことができます。会議に利用するケースも考えられますが、場合によってはテレビ電話的なものになることもあるでしょう。遠隔地にいる人との会議に利用する状況も考えられますが、社内でのコミュニケーション活用ツールとしても注目すべきです。
映像メディアはテキストメディアと比較した場合、相互理解が非常に高まります。Webカメラに「これが新製品のモデルです」と提示された状態を想像してみてください。双方向性がありますから「ちょっと裏側を見せて」という要求を出すことも可能です。ADSLで実効速度1.5Mbps以上を確保できれば、多くのユーザが満足できるレベルの動画を見ることができるでしょう。
社内において代表取締役の命令などを全事業所に向けて発表するというケースを考えてみましょう。フランチャイズビジネスなどに関わる中堅・中小企業でしたら、数百の事業所を抱えることも珍しくはないはずです。経営責任者が発する情報が、書面などに編集・加工されずに、ダイレクトに伝達されることは、スピード経営を重視される時代、非常に重要なことだと思います。
コストパフォーマンスを追及できるWebカメラを利用したテレビ会議は、企業内研修に役立てることも可能です。所属長が開催する集合研修や製品説明会のメリットを否定するわけではありませんが、部署のスタッフの空間と時間を規制することも否定できません。大切な取引先とのミーティングのために出張に出かけることと製品説明会の、どちらを優先するのでしょうか。
ブロードバンドを活用すれば、遠隔地からでも製品説明会の様子を映像で確認することができることは言うまでもありません。社内情報を共有化することは強い企業になるために必須の行為だと考えられます。
音声のみでの説明が難しい商品として金融関係、製薬業関係の商品があります。昨年、話題になった総合ディスカウントショップのドンキホーテのビジネスを記憶されている読者がいらっしゃることでしょう。同店では店内のドラッグコーナーにテレビ電話を設置して、テレビ電話の向こうにいる薬剤師が消費者の相談を受け、薬品の販売を行ないました。
この行為に対して厚生労働省からは薬事法違反と指摘されましたが、石原東京都知事からは支持されました。全国的な薬剤師の不足という事情がありながら、ドラッグストアは出店ラッシュが続いています。そんな状態なのに薬剤師の常駐を求める薬事法という壁は大変悩ましい問題でした。薬剤師をテレビ電話の前に配置させることで、そうした問題を解決できるのです。
話が少しそれました。現在販売されているWindowsXP搭載パソコンには『Windows Messenger』が標準搭載されています。PCにおけるテレビ会議システムは、このパソコンにWebカメラ(ビデオボードが必要になる場合もありますが)を購入するだけです。WebカメラはUSB接続のものが多く、数千円程度のものから販売されています。USBで接続することは非常に簡単ですが、パソコンの処理速度が速いものでないとストレスを感じるかもしれません。もちろん最新モデルならば問題はありません。
パソコンはテレビ会議の端末にもなります。従来のテレビ会議システムも利用したいというなら、IP接続でLANのなかでテレビ会議システムを運用することが考えられます。大半のテレビ会議システムはITU-T国際標準のH232に対応しているはずです。ちなみに「Windows Messenger」もこれに準拠しています。
注意しなければならないことは、テレビ会議で利用されるデータ通信の帯域の確保だと思います。インターネットを利用したテレビ会議システム導入を考えられている人は、社内LANを構築したシステム管理者の見解を聞くべきだと思います。せっかく導入したのにストレスばかり蓄積するようなシステムになっては大変ですから。
島川 言成
パソコン黎明期から秋葉原有名店のパソコン売場でマネージャを勤め、その後ライターに。IT関連書籍多数。日本経済新聞社では「アキハバラ文学」創生者のひとりとして紹介される。国内の機械翻訳ソフトベンチャー企業、外資系音声認識関連ベンチャー企業のコーポレート・マーケティング部長を歴任。現在、日経BP社運営のビジネスサイト「日経SmallBiz」でIT業界の現状分析とユニークな提案をするコラムを連載中。PC月刊誌「日経ベストPC」では秋葉原のマーケティング状況をリポート。また、セキュリティ関連ベンチャー企業のマーケティング部門取締役、ゲームクリエーター養成専門学校でエンターテインメント業界のマーケティング講座も担当。
本紙の購読申込み・お問合せはこちらから
Copyright 2006 Otsuka Corporation. All Rights Reserved.