大塚商会の販売最前線からお届けするセールスノウハウマガジン「BPNavigator」のWEB版です。
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2004年7月時点の情報を掲載しています。
今回のアップフロントオピニオンは、日本電気株式会社(以下、NEC)執行役員常務 津田 芳明氏とパートナービジネス営業事業本部長 細谷 豊造氏、当社 取締役 大塚商会ビジネスパートナー事業部担当の塩川 公男とビジネスパートナー事業部事業部長 広瀬 克彦による対談をお届けします。新たなマーケット創出を目指すメーカーとディストリビューターが、お互いにどのように協力して市場をリードしていくのか、それぞれの立場から語っていただきました。
大塚商会 塩川 公男 取締役(以下:塩川)
:NECさんと大塚商会との関係は、オフコンの時代から築いてきた深く長い歴史があります。NECさんがバックにある大塚商会というイメージは非常に強力だと感じています。我々の長い歴史の中では、PC等はわりと最近の話ではあるのですが、NECさんの持つSIソリューションのイメージも重ねて見ていただけるというところは、ディストリビューターとしての強みになると感じています。
NEC パートナービジネス営業事業本部長 細谷 豊造氏(以下、細谷)
:私たちは同じビジネスをやっているわけですが、一方で違う面も持っている。NECはNECで、大塚商会さんは大塚商会さんで、それぞれの違う分野を武器にお互いを生かさなければならないな、と感じています。お互いに良いところがあれば、どんどん取り入れて相互に発展していくという関係でいきたいです。
塩川
:今後、我々としてはどこかで差別化していく必要がありますね。いまおっしゃったように、お互いに違いを持っているとしたら、それぞれの良さを生かして一緒にやれたらいいですね。その点、SIの部署はわりとそういうビジネスをしていると思います。同様に他の部分でもこれまで構築してきた財産を共有しつつ、NECさんと一緒にどのような戦略で市場を攻めていくかということを、今後の大きなテーマとしていきたいと感じています。
大塚商会 ビジネスパートナー事業部長 広瀬 克彦(以下、広瀬)
:そうしないと、各メーカーさんのWebダイレクトがどんどん広がっている現状、いくら量を売ってもやはり利幅の少ないところで消耗するばかりになってしまいますからね。
細谷
:ディストリビューターの事業というのが、利幅が薄くなり、段々厳しくなっています。そのような状況で、やはりそれぞれのディストリビューターさんは、特徴を出す必要が出てきていると思います。NECが大塚商会さんに一番期待しているのは、我々が他社にないようなモノをどんどん製品として大塚商会さんに出していき、それをワンストップ・ソリューションによってうまく市場へ提供していっていただきたいということです。そういう部分は大塚商会さんしかできないところだと思います。
EC執行役員常務 津田 芳明氏(以下、津田)
:私どもが、大塚商会さんについて考える場合、ディストリビューターという言葉でひとまとめにしてしまうより、大塚商会さんらしさの出るディストリビューターというものは、どうあるべきかというのが重要です。逆に言うと、それは他のディストリビューターが真似できないところです。大塚商会さんは、ソリューションを付加価値として売っていこうと考えられています。そういうことが重要だと思います。
細谷
:商品を右から左へ流すだけのディストリビューターじゃないという点が、大塚商会さんの一番の強みです。それはやっぱりメーカー側としても魅力的な部分であり、我々の期待する部分もここにあります。
塩川
:エンドユーザーの顔が見えるということですよね。
細谷
:そうですね。我々が商材を提供し、私たちがアプローチできないところを、大塚商会さんのソリューションで売っていただく。お互いが補完しあえるということです。
津田
:今まで我々は、大塚商会さんと30年間一緒にビジネスをやってきました。その中でパートナービジネスのノウハウを蓄積してきましたが、特に最近では大塚商会さんの実施しているソリューションに弊社のノウハウをつけ加えられるところがあれば、どんどん協力しますよという姿勢で臨んでいます。大塚商会さんと近い目線にたって、商材を含めてもっと連携できるのではないかと考えています。
例えば、弊社では人材育成のeラーニングのようにリセラーさんを、どうやってもっと大きくしていくか、育てていくのかというノウハウは持っています。この部分での連携はできると思います。
それからもうひとつ、大塚商会さんが他のディストリビューターと全然違うところは、やっぱりソリューションを売るという仕組みがあるという点です。
塩川
:他のPCメーカーさんもそうですが、最近ダイレクト販売という形態が出てきて、ディストリビューターの存在が一体どうなっていくのだろうかということも、一方ではあります。NECさんもコンシューマーはダイレクトを立ち上げていますが、そのあたりはどのようにお考えになっていらっしゃいますか?
細谷
:我々は、企業向けに関しては他のPCメーカーさんのようなダイレクトはやらないという考えでいます。もちろん我々の関連会社には直接やってしまった方が早いという部分もありますが、一番大事なのは、販売店さんの強みと我々の強みを生かすことです。
ダイレクト販売をするにしても、大塚商会さんがやっていらっしゃるのと同様、いかにして販売店さんと一緒に攻めていくのかということです。特に地方へ行くと、販売店さんも利幅の少ないところにはなかなか出られないという時代になっています。そういう所をお手伝いすべく、販売店さんが自ら我々のWebを利用することで、上手にNECを活用できる仕組みを立ち上げようとしています。
そういった意味で、我々がエンドユーザーに対して直接やるのではなく、販売店さんができないところは我々がお手伝いするというダイレクト販売のやり方を考えています。あくまでも販売店さんをメインとして押し出していく仕組みです。
もうひとつは、我々のお客様の中で、特に大企業さんで、2種類の異なるお客様がいらっしゃるということです。我々の営業部門で抱えているお客様と、我々が絡まずとも自分たちだけで導入されているお客様です。少なからず、我々の営業部隊が直接関わっていないお客様がいらっしゃるのも事実です。本来我々のやらなければいけない部分に関しては、直接アプローチするつもりで考えています。
それ以外に関しては、先ほど言ったように、基本的には販売店さんを生かした形のダイレクト販売もやっていくという方針です。
塩川
:組織としてのNECさんの販売員さんはしっかりしていますよね。企業関連も含めてしっかりしたものを持っていらっしゃる。
細谷
:私どもは、むしろパートナーとなる販売店さんは財産だと感じています。大塚商会さんは大塚商会さんで販売店さんに対するものを持っていらっしゃいます。そういう部分も大事にしていきたいと感じています。
塩川
:日本でも製造業が復活した中で、全部海外に出て行っているところと、NECさんのようにそうじゃないところと出てきていますね。外資とは異なり、NECさんは純粋な日本の企業ですからね。
津田
:ええ。我々もキーテクノロジーは全部国内で保っています。それ以外の所は海外に出していますけれど。一番心配なのは、やはりこのままだと資源がない日本はだめになってしまいそうだということです。我々がどうやって生きているかというと、やはり付加価値を加えるということしかないわけです。それが今、海外へどんどん出て行ってしまっている。やっぱり製造業が頑張らないと、日本は豊かにならないと思います。
塩川
:最近、色々なところでそういう声を聞きますね。「メイド・イン・ジャパン」というキーワードで。
津田
:日本の経営者は一時期、ちょっと自信を失いかけたのです。最近は少しずつ自信を回復していますから、こうした流れを大事にして、頑張っていきたいです。
細谷
:なにしろ日本の中堅企業経営者の方々もたくさんいらっしゃいます。お互いに助け合って、大きくしていくんだという思いが大切です。
広瀬
:とにかく、日本国内の購買力を強くしなければなりませんね。
細谷
:そうですね、戦後じゃないですが、日本全体でボトムアップしていこうと考えて行く必要もあるのかもしれません。強いところだけ大きくなっても、日本という国はそれだけで成り立ってはいけません。そうするとある程度の基盤を全体で作り上げていかなくちゃならないでしょう。
それは今まで大塚商会さんがずっとやってきたことなんですけれど、もう一度、違う仕組みの中で実現する必要が出てきていると思います。それを我々も一緒にやっていきたいと思います。
津田
:先ほどの話で、お客様のニーズということがありましたけれど、それをどれだけ吸い上げられるかということが、我々のキーとなってくると思います。強みを発揮するためには、そうしたものをいかに吸い上げるか、というところに掛かってきているわけです。ですから、大塚商会さんからもそういうものを、ぜひ出していただきたいと思います。
塩川
:今年はユーザーの声を相当今拾っていますので、徹底的にそこはやるつもりなんですよ。
津田
:そこで、どういう商材が必要になるということが出てきたら、我々は力になりますよ。
塩川
:それはぜひお願いしたいところですね。我々がソリューションビジネスを展開する際、一番大事なのはサービスだとか、SIのシステムの中身になってくるんですね。我々のセクションは、まさにそこで勝負していく必要があるので、やはりメーカーさんとのタイアップが命になってくるんですね。そういう面ではぜひ一緒にやっていきたいですよね。
広瀬
:NECさんもソリューションをたくさん持っていらっしゃるので、個々のリセラーさんに広めて行きたいと感じます。そういうお手伝いを私たちができればいいですね。
細谷
:そうです。そういう意味で、我々をぜひ上手く使って欲しいと思います。そうすると我々にとってもまた、そこが強みになりますから。
津田
:まったくその通りだと思います。本当の意味でのディストリビューターとメーカーのコラボレーションを実現していきたいと思います。
日本電気株式会社
執行役員常務 津田 芳明氏
株式会社 大塚商会
取締役 ビジネスパートナー事業部担当 塩川 公男
株式会社 大塚商会
ビジネスパートナー事業部 事業部長 広瀬 克彦
日本電気株式会社
パートナービジネス営業事業本部長 細谷 豊造氏
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