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2004年9月時点の情報を掲載しています。
『パスポート・アドバンテージ』とは、一言で言えば、『WebSphere』や『Information Management』、『Lotus』、『Tivoli』といった、日本IBMのソフトウェア製品の、ボリューム・ライセンシング・プログラムだ。また、ライセンスに対して、標準でソフトウェア・メンテナンスサービスが提供され、中堅・中小企業向けの『パスポート・アドバンテージ・エクスプレス』と、エンタープライズ向けの『パスポート・アドバンテージ』の2種類が用意されている。
日本IBMのソフトウェアライセンスである『パスポート・アドバンテージ』の特徴は、IBMのビジネス・パートナー・プログラムである「PartnerWorld」に加入したパートナーから、購入したユーザーに発行される形をとっていることだ(「PartnerWorld」については、右ページコラム参照)。
『パスポート・アドバンテージ』には、企業規模に合わせて、『パスポート・アドバンテージ』と『パスポート・アドバンテージ・エクスプレス』の2つのコースが用意されている。
『パスポート・アドバンテージ』は、ポイントによるレベル制をとっており、注文したライセンスのポイント累計によって、顧客の料金レベルが設定される。注文が多ければ多いほど有利な料金レベルが適用され、より安くソフトウェアを導入できるというわけである。ポイントは注文のたびに累計され、上位の料金レベルへの移行に必要なポイントがたまれば、より低い料金レベルでソフトウェアを購入できるようになる。『パスポート・アドバンテージ』では、支店や事業所、50%を超える資本関係にある関連会社でも、同一料金レベルで利用できるため、企業規模が大きいほど有利となる。
また、もうひとつのライセンスプログラムとなる、『パスポート・アドバンテージ・エクスプレス』は、よりシンプルなプログラム。ポイント累積による料金レベルの変動といったことは適用されないが、1本単位での購入ができる。500ポイント分は購入する必要がある『パスポート・アドバンテージ』に比べると、1本からの購入が可能だ。また、ライセンス発注の際には、契約条件への同意、登録申請書への記名捺印が不要であるなど、顧客登録手続きをはじめ全体的にシンプルで分かりやすいプログラムとなっている。このため、スケールメリットは低くなるが、中堅・中小企業のユーザーには利用しやすいプログラムになっている。
このライセンスを手に入れるには、『パスポート・アドバンテージ』を取り扱うIBMのビジネス・パートナーに連絡し、プロセッサ数、ユーザー数、サーバの数などの単位で発注する。『パスポート・アドバンテージ』を利用する場合は、2回目以降の追加発注時には、初回発注時に発行される「パスポート・アドバンテージ番号」を提示することで注文履歴が積みあがり、料金レベルが設定されるのだ。
すべてのライセンスに、セットとなって提供されるソフトウェア・メンテナンスには、12ヶ月間の有効期間が設定されている。有効期間中に、使用しているソフトウェアの、最新バージョンやリリースが一般利用可能になった際には、無償でメディアパックが送付されるほか、顧客別に用意されるWebサイト「パスポート・アドバンテージ・オンライン」でもアップデートプログラムがダウンロード可能になる。メジャーバージョンアップに関しても同様なので、アップグレードごとに予算を確保する必要もない。
充実したサポートも魅力だ。製品のインストールや日常的な使用方法などを、専用ウェブサイトの「パスポート・アドバンテージ・オンライン」経由や電話で、IBMのサポートセンターへ質問できるというのはもちろん、業務に関わるような緊急度の高いトラブルに対しては、追加料金なしで24時間365日のサポートも提供される。クリティカルなIT業務を行っている企業に対しては、文字通り大きなアドバンテージとなるはずだ。また、有効期間満了後1ヶ月以内であれば、ソフトウェア・メンテナンスを継続して利用することができる。その際には新規にソフトウェア・メンテナンスを利用する場合の、約半分の料金設定が適用される。
『パスポート・アドバンテージ』では、ポイント制などによる料金レベルは決められているが、そのレベルに対して、単一の価格が決められているのではなく、ビジネス・パートナーごとで販売価格を決めることができるようになっている。このため、単一の価格が設定されているプログラムよりも、ビジネス・パートナー側で動かせる金額の幅が大きくなるため、より大きな利益を出すことも可能な点が魅力だ。
『パスポート・アドバンテージ』、『パスポート・アドバンテージ・エクスプレス』のそれぞれに、料金計算ツールも用意されている。ウェブ画面上で簡単に、最新の料金体系に基づいて計算することができる。さらに、さまざまな割引レベルだけではなく、継続しているソフトウェア・メンテナンスの月割り計算、ポイントの計算などにも対応している。また、『パスポート・アドバンテージ』、『パスポート・アドバンテージ・エクスプレス』で取り扱う製品の、最新料金表も同サイトに用意されているので、ビジネス・パートナーは、これを自由に活用できる。
また前述のように、すべてのライセンスにソフトウェア・メンテナンスサービスが提供されることも忘れてはならない。顧客に対するサポートはIBMが直接行うが、毎年ソフトウェア・メンテナンスの更新手続きは、販売を行ったビジネス・パートナー経由で行うことになる。ソフトウェア・メンテナンスの継続は、一年単位で行われるため、一年に一度は、更新のお知らせ等で、必ず顧客に対して連絡がとれるようになる。このため、これまでは売ったら終りになりがちだった顧客との関係を、長期に渡って維持することができるはずだ。
■ パスポート・アドバンテージ/パスポート・アドバンテージ・エクスプレス比較表
■ パスポート・アドバンテージ/パスポート・アドバンテージ・エクスプレスの適用条件
■ パスポート・アドバンテージの料金レベル
パスポート・アドバンテージについての詳細な情報は、ウェブサイトでも公開されている
URL:http://www.ibm.com/jp/software/
passportadvantage/
■ PartnerWorldとは
「PartnerWorld」は、IBMがビジネス・パートナーを支援するために、世界規模で展開しているプログラムだ。「PartnerWorld」には、「パートナーレベル」と呼ばれるレベル制が採用されており、「メンバー・レベル」「アドバンスド・レベル」「プレミア・レベル」の三段階を用意している。
「メンバー・レベル」は登録が承認されたパートナーで、すべてのパートナーがこのレベルからスタートする。基本的なサービスには、リセラーとしての『パスポート・アドバンテージ』の取り扱い、ポータルサイトやメールによる情報提供、製品に関する販売前の問い合わせや、『パスポート・アドバンテージ』に関する質問への電話サポートが利用できる。また、登録されているIBM技術認定資格者、IBMセールス認定資格者は販売前の電話での技術サポートも利用できる。さらに、ソフトウェアに関するテクニカル・トレーニングの受講料割引もある。
それに加えて、対象ブランドのIBM技術認定資格者を1名以上登録すれば、IBMソフトウェアに関するセミナー開催や、パンフレット作成時にIBMソフトウェア・ブランド・マークの使用が可能になる。「アドバンスド・レベル」と「プレミア・レベル」は、IBM製品の売上金額、IBM技術認定資格者とIBMセールス認定資格者の人数、顧客満足度調査で一定の水準を満たした場合に適用される上位レベルであり、さらに手厚いサポートが提供される。
「PartnerWorld」は、単なるリセラー制度ではなく、テクニカル、スキル習得、販促・マーケティング等の分野でビジネス・パートナーの業務拡大を支援するプログラムなのだ。
PartnerWorldについての詳細な情報も、
ウェブサイトに掲載されている
URL:http://www.ibm.com/partnerworld/jp/
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