ディレクトリとは本来、電話帳や住所録という意味の言葉であり、UNIXの世界やWindowsの前のMS-DOSでは、ファイル管理の中でよく使われてきた言葉である。
このディレクトリをファイル管理だけでなくネットワーク管理(ネットワークユーザーやネットワーク資源の管理)にも使えるようにしたものがディレクトリサービスである。ディレクトリサービスは、LDAP(Lightweight
Directory Access Protocol)を用いてデータの照会と検索に即応できるように最適化された特殊なデータベースともいえる。
ディレクトリサービスでは、このサービスを提供するサーバのことをDirectory Server (ディレクトリサーバ)またはLDAPサーバと呼び、Linuxディストリビューションにはオープンソースのアプリケーションとして『OpenLDAP』が同梱されている。
通常こうしたディレクトリサービスは、OSやプラットフォームごとに異なる仕様のものが用意されている場合が多い。例えば、Windowsネットワークにおいては、「Windows
Active Directory」を用いてWindowsのユーザーアカウントを管理し、MacOS環境では「MacOS X Server」によるユーザー認証機能を提供している。そこで問題となるのが複数のOSが混在している環境ではそれぞれユーザー情報データベースを個別に用意しなければならず、運用・管理が煩雑となる。その解決策として注目されているのが『OpenLDAP』を利用したシステムである。これによりユーザー情報データベースを一元的に管理することが可能になり、OSプラットフォームに依存しないユーザー情報データベースを提供することが出来る。
例えば、Windows端末ではsambaのドメイン管理機能と連携することで、同様にUNIXやLinuxではftpやmailでの認証、Mac環境ではMac
OSXサーバへのMacログオン認証と連携することでユーザー情報データベースを『OpenLDAP』のサーバに集約しユーザー管理を統合することが可能になる。
さらに大塚商会では、『OpenLDAP』と『Windows Active Directory』との連携を可能とする『LDAP Manager』(エクスジェン・ネットワークス)というGUIツールも提供している。既存のWindows環境下で運用している『Windows
Active Directory』の情報もWebベースの管理画面で一括して行うことができ、メタディレクトリとして構築したOpenLDAPサーバとActive
Directoryサーバとの間でユーザー情報の同期を取れる仕組みを提供する。
『LDAP Manager』を利用することで、『Windows Active Directory』だけでなくNovelの『NDS』やIBMの『Notes』といったさまざまなディレクトリサービスの一元管理も実現する。またCSVによるユーザーの一括登録やユーザーのパスワード有効期限の管理、Windowsドメインログイン時の通知機能との連携、パスワード有効期限チェックや、一般ユーザーが自身のユーザープロファイルを、Webブラウザから変更するセルフメンテナンスなど多くの機能を提供する。大塚商会では、このようにLinuxベースでの優れたユーザー情報データベース管理を実現するソリューションを提案しており、万全なサポート体制を整えているので、いつでもお気軽にご相談していただきたい。