日本オラクルのライセンス体系は、使用ユーザー数によって価格が決まる「Named User Plusライセンス」と、使用するサーバのプロセッサ数に比例した「Processorライセンス」のふたつだ。これらのライセンスは、差額を支払うだけで「Named
User Plusライセンス」から「Processorライセンス」へのアップグレードが可能など、段階的な投資に対応することもできるので、必要なデータベース環境とユーザー数に応じた、柔軟なライセンス購入を可能にしている。
「Named User Plusライセンス」は、使用するユーザーの数に比例したライセンスだ。この場合の使用するユーザーとは、任意の一時点で当該オラクル製品(複数の独立したプログラムにより構成されている製品の場合は、その1プログラム)を実際に使用しているかどうかにかかわらず、1台の特定されたコンピュータ上に導入された当該オラクル製品に対して、使用する権利を与えられている特定の個人(特定の個人には、人間が直接操作しないような装置[備付の自動読取装置等]を含む)を指している。
「Named User Plusライセンス」は、一般的にユーザー数が少ない場合に、有利なライセンス体系となっている。使用するユーザー数に応じて価格が決まる。ただし利用する際の最少ユーザー数は、製品ごとに異なるので購入の際確認する必要がある。
オラクル社のデータベース製品の場合、プログラムのエンジン部は共通のものが使用されており、データベースとして各製品の性能差はほとんどない。一見高価な印象を持ってしまいがちなオラクルのデータベース製品を、安価でシンプルに利用できるライセンス体系としてオススメできるだろう。
一方「Processorライセンス」は、使用するサーバに搭載されるプロセッサ数に応じ価格が決定する。使用ユーザー数が多い場合や、不特定多数が利用するため、ユーザー数を把握できない場合はこちらを利用する方が良いだろう。具体的には通常「Named
User Plus」ライセンスで50人以上の特定ユーザーが利用する場合は、「Processor」ライセンスを選択したほうが安価になる。また、既に「Named
User Plusライセンス」を利用している場合でも、「Named User Plusライセンス」から「Processorライセンス」へ各々の定価の差額を支払う事により、アップグレードが可能となっているので、例えばシステム開発段階では必要なユーザー数の「Named
User Plusライセンス」を購入し、本稼動時に「Processorライセンス」へアップグレードするという段階的な投資も可能となる。
「Oracle Standard Edition One」
「Oracle Standard Edition One」は、一昨年より提供されているスモールビジネスや部門システムなど、中・小規模のシステム構築に有効な「Oracle
Database」製品のソフトウェアライセンスの一種だ。具体的には、x86互換プロセッサでOSがWindows、Linux、SolarisまたはMAC
OSの場合は2プロセッサ搭載可能なハードウェアで、上記以外の場合は1プロセッサ搭載可能なハードウェアで、「Oracle Database」を利用する場合が対象となる。それ以外は一部クラスタリング機能を除き「Oracle
Database Standard Edition」の機能を使用することが出来る。
また大規模なデータベースのシステムを利用したい場合、クラスタリングなどに対応した「Oracle Database Standard
Edition」へのアップグレードも可能だ。これまで性能的に優れるものの、コストの面で「Oracle Database」の導入を躊躇していた中小規模の企業でも、格安で柔軟なデータベースシステムの導入を可能にしている。
■ Oracle製品を取り扱うベンダー向けパートナープログラム
「Oracle PartnerNetwork Member Partner」 「Oracle PartnerNetwork Member Partner」(以下OPN
Member Partner)は、Oracle製品を使ったシステムの開発やパッケージ開発を行うパートナー企業を対象に、Oracle製品の再販権を持たないビジネスパートナーとして、日本オラクルが技術面と営業面の両方から直接支援するパートナー支援プログラムだ。
具体的には、案件の獲得に向け提案前に製品評価やインストール検証を行う場合や、顧客に向けたデモを行うためのプロトタイプのアプリ制作、製品のデモンストレーション等にかかるライセンスコストを日本オラクルが負担する「デモンストレーションライセンス」や、パッケージ製品の新規開発、既存製品のOracle対応、社員教育向けの開発ライセンスなど、パッケージの開発からユーザーに導入するまでの開発ライセンスコストを負担する「デベロップメントライセンス」などが無償で提供される。
これらの無償ライセンスを利用することで、営業面ではOracle製品に関したビジネス投資コストの低減や、常時オラクル社の営業やSEに案件の相談を行うことが可能になり、常にOracle製品の最新情報や技術情報へアクセスすることが可能になる。Oracle製品を利用したシステム開発やパッケージ開発に関して、わずかなコストで大きな特典を得られる制度なので、該当する企業は検討してみてはいかがだろうか。