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2005年3月時点の情報を掲載しています。
「LAMP」=「Linux,Apache,MySQL,PHP」の4つのオープンソースソリューションにより、コストパフォーマンスを追求したWebシステムの構築が可能になる。中でも一般的にコスト高である、アプリケーション構築とデータベースシステムのオープンソースソリューションを紹介する。
Webシステムを作成する場合、「LAMP」というキーワードがトレンドである。
「LAMP」とは、Webシステムを構築するソフトウェア構成を表す言葉である。OSに「Linux」、Webサーバに「Apache」、データベースに「MySQL」、スクリプト(プログラム)言語に「PHP」というオープンソースソフトウェアのそれぞれの頭文字を取っている。これは、互いの親和性が高く、勿論コストパフォーマンスにも優れ、安定した質の高いソリューションとして、最近では超大規模Webシステムにも積極的に導入されている。
欧米では、数年前から「LAMP」がWebアプリケーション開発のトレンドとして常識となっている。PHP言語では、その開発ツールやプログラムを、MySQLと併せて、国内ではゼンド・ジャパン株式会社が提供している。
MySQLは、MySQL AB社が提供する世界で最も人気のあるオープンソースデータベースシステムである。大規模で高速なデータベースシステムとして、世界的に非常に多くの実績を誇っている。特に接続ユーザー数が多くなってもレスポンスの劣化は少なく、商用データベースで人気の高いOracle 9iとほぼ同等であるといわれている。
日本でも楽天株式会社をはじめとして各社が採用しており、個人向けの小規模システムから企業の超大規模システムまで、幅広いニーズに対応可能である。全世界で、約400万台にインストールされている。
MySQLは、無償のダウンロード版と有償の商品版がある。用途に応じて、どちらかのライセンスを選択してMySQLを入手(購入またはダウンロード)して利用することが可能だ。
●MySQL GPLライセンス(無償ダウンロード版)
オープンソース特有のライセンスで、自己責任で使用することができる。他のソフトウェアと組み合わせた場合、オープンソースにしなければならないので企業ユーザー向けではない。勿論、研究や試用に利用するには、最適なライセンスと言える。
●MySQLコマーシャルライセンス(商用版)
一般的な有償のソフトウェアと同様のライセンス。Webシステムとして企業内外で使用したり、自社製品と一緒に販売することが可能。
■ LAMPソリューション
■ 主要なデータベースのレスポンス比較
(EWeek Benchmark調べ)
Zendプロダクトは、Webシステムを構築するためのスクリプト(プログラム)言語であるPHPの、開発や運用を支援するためのソリューションである。Zendプロダクトを利用することで、PHPのポテンシャルを最大限に引き出すことができる。
●『Zend Platform』
これまで、WebサーバのPHP実行環境は、個別のWebサーバで実行することが前提になっていた。そのため、複数のWebサーバ上のPHP実行環境を管理するには、高度なノウハウが必要となっていた。『Zend Platform』は、1台のWebサーバ上から複数のWebサーバまで、幅広いPHP実行環境を高速化すると共に管理業務を大幅に軽減するプロダクトである。
単体のPHPサーバに対しては、PHPサーバでの問題発見と再現さらに解決・高速化・Javaとの効率的な連動とこれまでのPHP実行環境を大幅に強化する。
さらに、マルチサーバ環境においては、『Zend Platform』で強化された複数のWebサーバを一元管理可能。これによって、導入設定から運用監視まで、シームレスな管理環境を実現する。
●『Zend Performance Suite』
『Zend Performance Suite』は、PHPを使用したWebサイトを大幅に高速化するソリューションである。3つの機能「コンテンツ・キャッシュ」「データ圧縮」「PHPスクリプト・キャッシュ」により、PHPコードを変更することなく、導入のみで高速化を実現する。高速化はWebサーバ自体の効率化につながり、高速化していないWebサーバと比較して多くのリクエストに対応できる。
一般的には、30倍の高速化が見込め、日本国内では、約860倍の事例も報告されている。『Zend Performance Suite』は、多くの企業サイトの高速化に貢献しており、日本最大級のオンラインショッピングモール楽天市場にも採用されている。
また、『Zend Performance Suite』は、ファイルダウンロードを高速化する「Zend ダウンロードサーバ」を搭載している。「Zend ダウンロードサーバ」は、Webサーバに大きな負担をかけるファイルダウンロード処理を、Webサーバをバイパスして処理を行う。そのため、未導入と比較して約2倍のリクエスト数に対応する。さらに、Webサーバをバイパスするため、Webサーバの負荷を大幅に軽減してWebサイト全体のパフォーマンスも向上する。
■ 『Zend Platform』の構成例
●『Zend SafeGuard Suite』&『Zend Encoder』
PHPコードは、Webサーバにテキストファイルとして格納される。そのため、Webサーバのファイルにアクセス可能な権限があれば、どのような内容か参照することができる。また、何らかの原因でWebサーバの設定に問題が発生した場合、PHPコードを通常のHTMLファイルと同様にWebブラウザに送信してしまう危険がある。
特にデータベースにアクセスするような処理では、データベースへの接続処理の内容が外部に漏れてしまう危険性がある。万が一にもそのような事態に陥らない対策が必要である。
『Zend SafeGuard Suite』および『Zend Encoder』は、通常テキストファイルとなっているPHPコードを暗号化および中間コード化するプロダクトである。暗号化および中間コード化されたPHPコードは、その内容を判読することはできない。また、中間コード化されたPHPコードは、実行時の翻訳がなくなるので高速化される。
■ 暗号化されたPHPコード
●『Zend Studio』
『Zend Studio』は、PHP開発効率を大幅に向上する統合開発環境である。PHPによるWebシステム構築を支援するためのさまざまな機能を提供する。特に実際のWebサーバと連携してデバックを行う「リモートデバック機能」を搭載して、煩雑なデバック作業を効率的に行える。
さらに「プロファイラ」では、Webサーバ上で実行されたPHPコードの実行時間をレポートとしてグラフ表示する。この機能によって、パフォーマンスのチューニングを具体的な数値情報によって行うことが可能になった。
■『Zend Studio』表示例
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