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2005年3月時点の情報を掲載しています。
いよいよ「個人情報保護法」が4月1日から完全施行される。欧米に比べて、個人情報の取り扱いに関する法律の整備が遅れていた日本だが、この法律の施行によって、情報先進国としての取り組みが問われることになる。果たして、個人情報保護法によって、企業では何が変わるのか? 対外的に対顧客に向けて、どういう義務が生じるのか? また、情報漏えいに対して、どういう対策をとればいいのか? 多くの疑問や不安を抱えている情報システム担当者や経営者がいる。そうした課題と疑問について、個人情報保護法を中心に、企業のセキュリティ対策における最終確認を行っていく。
IT先進国といえる日本で、これまで整備が遅れていた対策が、個人情報の保護を中心としたプライバシーのガイドライン制定にあった。欧米では、すでに1970年代からはじまっていた取り組みが、日本でも35年という時間を経て、やっと法律という形での制定がはじまった。
紙と郵便の時代には、大量の情報を容易に盗み出すことが困難だった。しかし、ITの発達と普及は、大量の情報を閲覧し再利用することを、誰でも簡単にできるようにしてしまった。ITの利便性が、営業支援や顧客管理などに活発に活用されている一方で、個人情報を悪用する犯罪も増えてきた。欧米諸国では、すでに1970年代から大量の個人情報に対する犯罪を危惧して、各国で独自に法律を定めていた。すでに、1980年にはOECD(経済協力開発機構)によって、各国で個人情報保護を一定のレベルにするためのガイドラインも制定された(OECD 8原則)。
しかし、1980年代といえば日本ではまだ、やっとビジネス向けの16bitパソコンが登場してきた時代で、大量の顧客情報の多くは、メインフレームやオフコンなどに記録されていた。そのため、当時は端末の操作を許可するかどうかによって、情報の閲覧におけるセキュリティが保たれていた。また、ネットワーク環境も未整備だったことから、情報の漏えいや不正な転送といった事件も発生しなかった。こうした状況は、1990年代の前半まで続いた。幸か不幸か、日本のIT市場はオープン化の波が遅く、インターネットも1995年以降の爆発的なブームとなったため、OECD 8原則への取り組みは、さほど重要なこととは受け止められていなかった。
レガシーシステムが中心で、情報処理の鎖国状態にあった日本のIT環境を一変させた出来事が、インターネットの爆発的な普及にあった。そのブームと歩調をあわせるように、オープンシステム化の波も押し寄せてきた。1995年からの約10年で、オフィスには一人一台のパソコンが当たり前になり、その多くがネットワークに接続して、電子メールやインターネットを利用できるようになっている。こうした状況から、1995年にEU指令として出された「個人情報が保護されていない第三国への個人情報の移転禁止」や、2001年の米国“Safe Harbor”原則などが、日本の情報管理体制にも、大きな課題としてのしかかってきた。数万円のパソコンや数百円のDVD-Rの中に、何十万件もの個人情報をコピーできるようになってしまった今、政府としてもOECD 8原則や“Safe Harbor”原則などを遵守する法律が必要になり、それが2005年4月1日から施行される個人情報保護法となったのだ。
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■OECD 8原則
パリに本部をおき、先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて「経済成長」「貿易自由化」「途上国支援」などの貢献を目的とした国際的な機構(画面は、OECD東京センターのウェブサイト)
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