ミッションクリティカルな基幹系システムが、高価なUNIXから安価なLinux環境へ大きくシフトしている中で、高可用性を実現するHA(High
Availability)クラスタソフトに対するニーズが急増している。そこで、Linux市場で高い評価を得ているHAクラスタソフト『SteelEye
LifeKeeper for Linux』(以下LifeKeeper)について詳しく紹介したい。
Linuxは、Webサーバやファイルサーバが中心だったが、ここ数年、『Red Hat Enterprise Linux』がビジネス市場に浸透してきたことから、ミッションクリティカルな基幹系システムにもLinuxを導入する企業が増えてきた。これに伴い、HAクラスタに対するニーズが急速に高まっている。
HAクラスタとは、複数のサーバを冗長化させることにより、システムの停止時間を最小限に抑え、業務の可用性を向上させるクラスタシステムのことである。単純に言えば、同じサーバを2台設置しておいて、1台がダウンしたらもう一台がタスクを引き継ぐ仕組みだ。これにより、システムを継続的に運用できるようになる。
現在、Linux上で利用できるHAクラスタソフトにはさまざまな製品があるが、国内市場でトップシェアに迫る勢いで好調な売上を示しているのが、HAクラスタソフト『LifeKeeper』(開発・販売元:米国SteelEye
Technology社)である。『LifeKeeper』は、2001年からノーザンライツコンピュータ(2002年にテンアートニと合併)によって国内市場で販売が開始された。その当初から大塚商会は協業して販売活動を展開しており、その後もテンアートニと密接な連携を図り、積極的な販売展開を行っている。大塚商会における『LifeKeeper』の今年上期の売上は、前年同期比220%という高い伸びを示している。『LifeKeeper』を導入するエンドユーザーの業種や規模は多種多様だが、ここ1、2年はOracle(Linux版)などデータベースをHAクラスタ化する際に導入するケースが多い。金融系の基幹系システムなどに採用されるなど、その信頼性は市場でも高く評価されている。
『LifeKeeper』の最大の魅力は、オープンソースや商用製品を含めた主要なデータベースや業務アプリケーションに対応したARK(アプリケーション・リカバリー・キット)が用意されていることである。これを活用することにより、データベースや各種業務アプリケーションサーバのHA化が、スクリプトレスで簡単に行えるようになり、HAクラスタシステムを構築する際の導入コストや開発工数を大幅に削減することができる。そのため、エンドユーザはもちろんのこと、HAクラスタシステムの構築を手がけるSIerにとっても大きなメリットとなる。
たとえば、データベースであれば、『DB2』『informix』『MySQL』『Oracle』『PostgreSQL』『SyBase』のARKがすでに用意されている。
そのうえ、ARKに未対応のアプリケーションについても、「LifeKeeper Generic ARK』を使用することで、起動/停止/監視/再起動の4つのスクリプトを作成するだけで簡単にHA化することができる。API(Application
Program Interface)などの専門的な知識は必要ない。そのため、『LifeKeeper』は、一度導入したSIerからのリピート率が極めて高い。それだけ、『LifeKeeper』が扱いやすいHAクラスタソフトであることを物語っている。
他社のHAクラスタソフトの多くは、専門知識がないとシステム化することが難しいため、自社のSEを使ってシステムを作り込まなければならない。その結果、開発コストが余分にかかったり、障害発生時の対処に時間がかかってしまう。その点、『LifeKeeper』は、余分な開発コストをかけることなく、HAクラスタシステムを簡単に構築できるのだ。その意味では、ビジネスパートナーにとって、お客様に導入提案がしやすい商材といえるだろう。