東芝のパソコン事業は、グローバルにビジネスを展開しています。開発からサービスに至る一貫したビジネスモデルを構築し、ワールドワイドにおけるベストプラクティスを目指して取り組んでいます。たとえば砂漠のような寒暖の激しい過酷な環境でもPCは使用できるように設計されているので、頑丈なつくりになっています。そのため、日本のお客様が出張などで東芝のノートPCを海外にもっていくケースが非常に多いです。日本と海外のニーズは多少違いますが、軽くて薄いノートPCとしてやはり世界中で高い評価を得ています。
また、クライアントPC事業は、これまで一貫して付加価値の高いノートPCの提供に、こだわりをもって取り組んできました。たとえば東芝製のノートPCは、電力の損失を低減する「低損失基板」の採用で低消費電力を実現したり、配線スペースを省き部品実装スペースを大きくとることが出来る「スタックピア構造」を採用するなど、他社にはない実装技術で搭載しています。また最近では、ノートPCの利便性を保持したまま、テレビに匹敵する高画質映像を実現したAVノートPC『Qosmio(コスミオ)』シリーズを投入し、量販店などで非常に好評です。しかし量販店などで大量に仕入れて販売していただく場合は、たとえ付加価値の高い新製品であっても、市場が評価する適正価格にまで販売価格を引き下げざるを得ないのが実情です。せっかく市場ニーズに応えた付加価値の高いパソコンを提供しても、価格競争に巻き込まれて安く販売してしまっては、その魅力も半減してしまいます。当社のパソコンのプロダクト戦略としては、まず営業を通じてお客様に東芝製パソコンの付加価値をよく理解してもらうことを徹底して行います。他社と差別化できる技術や機能をお客様にわかりやすく丁寧に説明して、理解していただくことが、現在のパソコンのプロダクトビジネスでは重要なポイントになります。そのためには、B
to B(Business to Business)のビジネスモデルを着実に展開するとともに、B to B to C(Business
to Business to Consumer)のビジネススタイルを常に意識して、エンドユーザーである個人の多様なニーズを汲み取っていく必要があります。パーソナルな部分を大切にしたサービスを提供し、それをフィードバックして新製品の開発などに反映させるサイクルを確立し、東芝ならではの付加価値をさらにブラシュアップしていきたいと考えています。