アップルコンピュータ株式会社(以下アップル)が提供しているボリュームライセンスは、大きく2種類に分類できる。ひとつ目が、企業と教育機関向けの通常のボリュームライセンス。ふたつ目は教育機関のみが対象となるボリュームライセンスだ。(表1を参照)
ボリュームライセンスの対象となる製品は、「Mac OS X」から「AppleWorks」までの10製品。ボリュームライセンスが適用される購入数は、「Final
Cut Studio」と「Logic Pro」が5ライセンス以上、そのほかの製品については、10ライセンス以上の購入がボリュームライセンスの適用対象になる。
「Final Cut Studio」と「Logic Pro」は、制作スタジオなどの比較的少数のユーザーにも対応できるように、ボリュームライセンスの対象となるライセンス数が配慮されている。
また、「Final Cut Pro 5」、「Motion 2」、「Soundtrack Pro」、「DVD Studio Pro
4」の単体でのボリュームライセンスは提供を終了し、「Final Cut Studio」に包括された形で提供されている。
さらに、「iLife」と「GarageBand Jam Pack」については、教育機関のユーザーのみがボリュームライセンスの対象となる。
■ ボリュームライセンス・ソフトウェア自動送付サービス対応一覧
製品
ライセンス
対象数
ボリューム
ライセンス
自動送付
サービス
Business & Education
Mac OS X
10
○
○
Mac OS X Server 10-Client
10
○
○
Mac OS X Server Unlimited-Client
10
○
○
Xsan
10
○
○
Final Cut Studio
5
○
○
Logic Pro
5
○
○
Final Cut Express
10
○
−
Logic Express
10
○
○
iWork
10
○
○
AppleWorks
10
○
−
Aperture
5
−
Education
Only
iLife
10
○
○
GarageBand Jam Pack
10
○
−
OSをはじめ、ソフトウェアは不定期にアップグレードされる。そのため、企業ユーザーなどがアップグレードに的確に対応するためには、あらかじめアップグレードを見越した予算を組むなどの対応が必要になる。
しかし、アップルコンピュータの「Apple ソフトウェア自動送付サービス」を利用することによって、ユーザーはアップグレードごとに製品を購入する面倒から解放されるのだ。
このサービスは、契約時から3年間に行われるメジャーなアップグレードに対応しており、アップグレード版の提供開始と同時に、契約したユーザーにアップグレード版を自動的に送付するというものだ。バージョンアップ用の予算を確保する必要がなくなるだけでなく、ボリュームライセンスと同様に、ライセンス数が増えるほどコスト削減効果が高まる仕組みだ。「Mac
OS X Server」「Xsan」のサーバ製品についてのみ、1ライセンスから送付が可能だ。
ただ、可能性は低いが、3年間に一度もメジャーアップグレードが行われないことも想定される点には、注意が必要だ。
また、3年間というサービスの提供期間は、あくまでもアップグレード版を送付する期間である。つまりアップグレード版が送付されても、ソフトウェアのインストールをすぐにしなくともよい。だから、最新版さえ送付されていればインストールの時期はエンドユーザーの自由なので、最新版ソフトウェアの利用開始は3年間に限らない。たとえば、ハードウェアのリース期間は4年間であるので配布期間とサイクルが一致しないが、自動送付の期間終了後に、ハードウェアの更新を待って、自動送付された最新版のソフトウェアをインストールすることも可能になる。
自動送付サービスの対象製品は、「Final Cut Express」「AppleWorks」「GarageBand Jam Pack」を除いた、ボリュームライセンスの対象製品がラインアップされている。(表1参照