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巻頭特集 コスト削減と省エネ対応を実現 中堅・中小企業向け 仮想化提案
2009年11月時点の情報を掲載しています。

これまでサーバ仮想化といえば、大企業など一部の採用にとどまっていた。だが、コスト削減に取り組む、中堅・中小企業でも着実にサーバ仮想化の導入が進んでいる。さらに今秋リリースされたWindows Server 2008R2では、標準搭載の仮想化ソフトウェア「Hyper-V」が「Hyper-V2.0」にバージョンアップし、これまで以上に仮想化に取り組みやすい環境が整ってきた。いよいよ本格的な仮想化時代の到来を迎え、今回はこれまで仮想化提案に取り組んだことのないパートナー様向けに、提案する際の注意点や導入手順を紹介する。



「Hyper-V2.0」の登場で本格的な仮想化時代の到来
中堅・中小企業にサーバ仮想化を提案する好機
 多くの企業にとって共通の課題と言えるのが、コンピュータシステムの運用管理コストの増大である。本来は、業務の効率化や生産性の向上のために行うべき企業のIT投資の多くは、今や既存システムの保守や管理費用に充てられている。その課題を解決する手段として、数年前から仮想化技術によるサーバ統合が注目され、多くの企業で導入が進んでいる。しかし、これまで実際に仮想化導入を行っていたのは、拠点や部門ごとに数多くのサーバを保有する一部の大企業が中心であった。だが、その流れに変化が表れている。中堅・中小企業でも仮想化を導入・検討する企業が増えているのだ。
 その背景にあるのは、サーバ価格の下落や社内ネットワーク環境の向上、企業内で扱うファイル容量の肥大化などにより、中堅・中小企業でも多くのサーバが稼働し、大企業と同様に、その管理の手間やランニングコストが課題となってきているのだ。
 さらに、仮想化を取り巻く環境も変化している。仮想化ソフトウェアといえば、V M w a r eが長い間トップシェアを誇っているが、この秋にリリースされたWindows Server 2008 R2では、仮想化ソフトウェアとして新たにバージョンアップした「Hyper-V2.0」が搭載されている。拡張性や機能面が強化された
「Hyper-V2.0」の登場により、これまで以上に仮想化導入に対するハードルが下がり、中堅・中小企業にも積極的に仮想化を提案し易い状況となっているのだ。


仮想化導入を実現する3つのステップ
導入前の周到な確認が成功の可否を握る
 パートナー様が、仮想化をエンドユーザ様に提案する際には以下の3つのステップで導入準備を進めると良い。
 (1)既存環境の精査(2)仮想環境の検討(3)仮想環境の導入計画。この中で、特に注意が必要なのが、(1)既存環境の精査と(2)仮想環境の検討だ。

 (1)既存環境の精査では、どの物理サーバが仮想化に向いているのかを見極めることが重要である。この洗い出しを詳細に行わなかったために、実際の構築段階で問題が生じて、仮想化自体が失敗するケースもある。正しく現状を把握することが、正しい仮想環境への誘導を可能にするのだ。
 そのためには、パートナー様はエンドユーザ様に確認を取りながら、仮想化の対象とする物理サーバの一覧をまとめる必要がある。それぞれのCPUやメモリ、H D Dの容量に加え、どのようなOS・アプリケーションが稼働しているのかをリストアップするのだ。
 実は物理サーバの中には、仮想化に向き不向きがある。一般に仮想化に向いているサーバはCPU使用率やディスクへの書き込みが少ないWe bアプリケーションサーバやD N Sサーバ、資産管理ソフトの管理サーバやウイルス対策管理サーバなどが挙げられる。また、グループウェアやD Bサーバなど、メモリ使用量やトラフィックの多いアプリケーションもメモリやN I Cを増設することで対応できる。
 一方の仮想化に向いていないサーバの代表的な例としては、Activie Directoryドメインコントローラーが挙げられる。仮想サーバ上でドメインコントロールを動かすと、その仮想サーバが載った物理サーバを再起動した際に、ドメインが見つけられなくなる可能性があるからだ。その他に、仮想化したいサーバ上で稼働しているアプリケーションの仮想化対応状況の確認も必要だ。例えば、Oracle Real Application Clusterは、Oracle VMを使って仮想化を行うことができるが、VMwareやHyper-Vには対応していない。こうしたケースもあるので注意しよう。それ以外に、自社開発したアプリケーションなどを利用する際には、事前の検証が必要となる。
 こうして仮想化に向き不向きのサーバをパートナー様が洗い出すと共に、ハードウェアの入れ替え時期なども考慮しつつ、エンドユーザ様と共に導入フェーズの確認を進めていこう。

 (2)仮想環境の検討では、パートナー様がユーザ企業のシステム構成などを考慮しながら、VMwareやHyper-Vといった仮想ソフトウェアを決定する必要がある。まず、最初に候補に挙がるのは、VMwareだろう。豊富な導入実績と高い信頼性に加え、ビジネスの継続性や即応性を強化するための取り組みも行っている。VMware vSphere4では、中堅・中小企業向けにダウンタイムなしのIT環境を提供する低価格なパッケージを新たに用意するなど、これまで以上に提案しやすい商材も揃ってきている。VMwareはLinux系に幅広く対応している点も特長だ。
 一方のHyper - Vは、Windows Server 2008に仮想化ソリューションとして標準で搭載されているため、追加の購入費用が発生しない点がメリット。また、Windows Serverとの親和性の高さもアピールポイントだ。新バージョンの「Hyper-V2.0」は、論理CPUを256個サポートし、ユーザセッションを切らずに仮想マシンを移動する「Live Migration」機能も追加され、信頼性がこれまで以上に向上している。マイクロソフト製品を中心にシステムを構成しており、スモールスタートで始めたい場合におすすめだ。
 また、この段階でパートナー様が確認しておく点としては、必要なスペックの物理サーバやネットワークのサイジングだ。つまり、どの物理サーバにどのサーバを載せるのか、いくつ稼働させるのかなどを具体的に検討しなければならない。
 仮想環境で考慮すべきことは、サーバの構成だけではない。同時にクラスタリングなどの障害対策や冗長化構成を検討したり、バックアップ構成を決定する。なぜなら複数台のサーバを集約すると、当然リスクも集約されるからだ。
 障害対策を考える際には障害が起きた時にどれだけ許容できるか、という条件を明らかにする必要がある。そのためには、目標復旧地点をヒヤリングし、半日以内に復旧すればいいのか、1時間以内に切り替えたいのかなどを確認しておく必要もあるだろう。それによっても障害対策が異なるからだ。

 ここまで検討できれば、( 3 )仮想環境の導入計画に進むことができる。このステップでは、いよいよ既存サーバの移行方法を決定し、導入・移行スケジュールを策定する。移行にあたっては、P2Vツールを使えば、移行に必要な工数やコストを削減できる。しかし、使用している環境や構成によってはP2Vツールを利用しない方が良い場合もある。やみくもにツールに頼るのではなく、検証を行ったうえでP2Vツールを活用すべきであろう。仮想化の導入までは、この3ステップで実行できる。

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■仮想化ソフトウェアの選定 Hyper-VとVMwareのどちらを選ぶべき?表
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■仮想化にあたって注意が必要なサーバ・アプリケーション表
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【巻頭特集】

・企業向けWindows 7 導入シナリオ その最適な提案と選択を探る 【Vol.46】

・IT市場活性化の起爆剤となるか Windows7への期待と不安 【Vol.45】

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