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2010年11月時点の情報を掲載しています。
人材の獲得、育成、活用は、企業の生産性向上に不可欠であるだけでなく、新たなビジネスモデルや事業展開にも必要なものだ。ITを使って効率的な人材管理を行うフレームワークが求められている。
HCMは、人事において各従業員の成果や能力向上などを把握し、採用、配置、育成、評価、報酬を中長期的な戦略で総合的に管理することを示す。給与などの管理を行う従来の人事情報システムとは異なるものと考えられ、人材の能力を把握して不足点をスキルアップさせ、人材の最適化と能力の最大発揮を行うことを目的としている。同義語として、HRM(Human Resource Management)という言葉があるが、HRMではResource(資源)という言葉が使われているため、人材を「消費」するイメージが強かったが、ResourceをCapital (資本)という言葉に置き換えることによって、人材が企業に重要なものとして位置付けられている。しばしば「人財」というように表記されることもある。
以前は、人材の育成管理を一部の優秀な社員に対してしか行っていなかったが、経済環境やビジネス環境の厳しさから、一定レベルの全社員が能力を最大発揮して持続的な成長に貢献できるよう、包括的な管理を行うことが求められており、大企業を中心に人材に注目して企業価値を高めることが考えられている。また、新興市場へビジネスがシフトし、グローバル化も進む中、グローバルな人材の育成も急務だ。IBMが行っている主要企業のCEOや経営層などを対象とした調査「Global CEO Study 2010」では、今後5年間で重視する取り組みとして日本のCEOの約93%が「人材・スキルの向上」をあげており、人材の重要性が多くの企業で認識されていることを示している。
人事部門が効率的に人材の管理を行うには、給与管理だけでなく戦略的に経営に直結した人材管理のフレームワークを構築する必要がある。各従業員が入社後に受けた教育・資格、配属された部署と手がけた業績、資質や行動などを効率的にデータ化・数値化し、それによって事業戦略をベースにした人材戦略を行わなければならない。そのためには、ITによって効率的に人材管理する必要があり、多くのソフトウェアベンダーがHCMに関連したソリューションを提供している。
さらに、HCMはリーダー不足の解消といった課題に使われることもある。HCMシステムに蓄積された教育や業績の実績や資質に関する情報を活用すれば、企業のトップなどの後継者をこれまで以上に的確に選抜できるようになる。今後は、大手企業だけでなく、中小でもHCMを活用することが期待されるが、人事部門やシステム部門がしっかりとした運用を行わなければHCMシステムを活用できないことが課題となるだろう。
長引く不況やビジネス環境への対応などの多くの課題がある中、企業は価値の向上と持続的成長のために一層の努力を行わなければならない。限られた“資産”である人材を適切に育成・管理していくことは、このような課題の解決策の1つとして非常に有効であるため、今後も多くの企業がHCMに注目していくことが予想される。
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