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第2特集 増える一方のハードとソフトを一元的に管理 IT資産管理ソフトの疑問と活用ポイント
2013年11月時点の情報を掲載しています。

従業員が増えすぎて、PCがどこに何台あるのか分からない。このような危機から企業のシステム管理者を救ってくれるのが、IT資産管理ソフトウェアだ。中核となるのは、社内のサーバやPCとソフトウェアのインベントリ(台帳)を自動的に作成・更新する機能。現状を正確に可視化してくれるので、無駄なIT投資を防ぎ、管理コストを削減するのもたやすい。“シャドーIT”をあぶり出すためのツールとしても大きな効果が期待できる。


IT資産管理ソフトウェアのもっとも基本的な役割は、何が・どこに・何台あるかを記録すること

サーバやPCの台数が増えてきたらIT資産管理ソフトの導入を考えたい
 経営や業務の規模が拡大するにつれて、サーバやPCの台数もおのずと増えてくる。
 すると、資産としてのハードウェアとソフトウェアを管理するためのIT資産管理ソフトウェアが必要になる。表計算ソフトで管理する場合、一覧表作成のような簡単な資産管理しかできない。導入されているハードウェアとソフトウェアの状態を自動的に把握して記録させる、といった高度な使い方にはとても対応できない。
 また、複数の人が作業にかかわるようになると、情報を一元的に管理することが重要なテーマとなる。これが、IT資産管理ソフトウェアを必要とするもう一つの理由だ。
 さらに、ITのコンシューマライゼーション(消費者化)が進む今、従業員が勝手にIT機器を設置してしまう「シャドーIT」や「BYOD」(私物機器持ち込み)が管理面での大きな問題になっている。私費または部署の消耗品費などで購入されたノートPC、タブレット、スマートフォンなどが、IT部門の許可を得ることなく、社内のLANや無線LANにつなぎ込まれてしまう。こうした「簿外」「管理外」のIT資産をあぶり出すためにも、IT資産管理ソフトウェアは重要な役割を果たすというわけだ。
 IT資産管理ソフトウェアのもっとも基本的な役割は、「何が・どこに・何台あるか」を記録することにある。このソフトウェアを使ったからといって管理できる項目が大幅に増えるわけではないが、情報を自動的に取得し、一元化された資産管理データベースに保存できることは専用ソフトウェアならではの強み。製品によっては、固定資産管理ツール、運用管理ツール、セキュリティ対策ツールなどと連携できるものもある。

エージェントやパケットを使ってハードとソフトの状態を自動収集
 この「何が・どこに・何台あるか」を記録しておくための場所が、インベントリまたは資産管理データベースと呼ばれる。
 ハードウェアのインベントリについて、IT資産管理ソフトウェアは、社内ネットワークに接続されている機器を探索して、資産管理データベースに登録するところまでを自動的に行ってくれる。担当者がしなければならないのは、購入年月日、使用部署/使用者、リース満了年月、耐用年数といった情報をキーボードから追加入力することだけ。製品によっては、他アプリケーションからCSVファイルなどでデータをインポートする機能も利用できる。
 IT資産管理ソフトウェアがハードウェアを自動探索するのに使う方法は2つある。エージェントと交信して情報を入手する方法と、その機器が発するネットワークパケットを監視する方法だ。エージェント方式のほうが深いところまで正確に分析できるが、事前にエージェントを組み込んでおく必要があることが難点。ただし、Intel AMT対応のIT資産管理ソフトウェアを使えば、Intel AMTを装備したPCについてはエージェントなしで深くて正確な分析が可能だ。
 一方、ソフトウェアに対する自動探索は、対象機器で動作中のプログラム本体、レジストリ(OS内のシステム設定情報データベース)、ディスク内のフォルダ名/ファイル名などを手がかりに行われる。バージョンやパッチ適用の有無を判定してくれる製品もあるから、バージョン管理やパッチ適用管理との連携も容易だ。
 ソフトウェアのインベントリを作成しておくことは、企業のコンプライアンス対策としても大きな意味がある。

インベントリを一元的に管理しIT資産の現状を「見える化」する
 こうして出来上がった資産管理データベースを基に、IT資産管理ソフトウェアはさまざまな機能を提供していく。全体のカナメとなるのは、資産管理データベースの内容を分かりやすく表示する「見える化」や「一元管理」の機能である。多くの製品は統合型の管理コンソールや企業情報ポータル(EIP)を用意しているので、ITの専門家ではない人、例えば、「財務部門の固定資産管理担当者」でも表示された情報を活用するのは容易だ。事業所や管理業務別に担当者を割り当てている企業の場合は、表示する範囲や内容を使用者のアカウント情報に基づいて制御できる製品を選ぶとよいだろう。
 また、さまざまな管理帳票の作成・表示・印刷もできる。例えば、耐用年数を迎える機器の一覧表、無線LANに接続したスマートフォンやタブレットのリスト、セキュリティ対策が行われていないPCの部署別一覧表、ベンダーから不具合の報告があったソフトウェアを使っているPCの一覧表、ソフトウェアの契約ライセンス数の消化状況レポートなど。管理帳票に求められるレイアウトと項目は企業によっても管理用途によっても変わるので、ユーザ側で自由にカスタマイズできる製品を選ぶようにしていただきたい。
 これらの機能によってAs-Is(現状)が正しく把握できると、To-Be(目標)との差を埋めるための管理作業に取りかかれるようになる。
 ハードウェアに対する典型的な管理作業としては、廃止するものを管理対象から取り除き、足りないものを買い足すといったものがある。取り外し、廃棄、発注、据え付け、初期設定といった一連の処理は人間系(書類手続きや現物の移動)で行われるので、IT資産管理ソフトウェアですべきことはごくわずか。その機器をインベントリから削除し、据え付けと初期設定が完了した機器を自動または手動で資産管理データベースに登録するだけでよい。



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