大塚商会の販売最前線からお届けするセールスノウハウマガジン「BPNavigator」のWEB版です。  
BPNavigator to Go Index Backnumber BP PLATINUM
第2特集 タイムリミットはすぐそこまで迫っている! Windows Server 2003 サーバーリプレースの松竹梅
2014年5月時点の情報を掲載しています。

まだWindows XP搭載PCのリプレースが完全に終了しないなか、2015年7月14日、Windows Server 2003のサポートが終了を迎えようとしている。サーバーは、クライアントPCとは違い、確認・検証の時間を必要とするためリプレースには時間が必要だ。予算化を含め、2014年9月には、計画を実行しないと、サポート終了に間に合わないとされている。ここでは、代表的な3つの提案を紹介したい。


今すぐ始める必要があるサーバーOSのマイグレーション
 2015年7月14日のWindows Server 2003サポート終了に向けたカウントダウンが始まっている。マイクロソフトは2013年の一年間で、合計53個のセキュリティ更新プログラムをWindows Server 2003ユーザーに提供してきた。こうしたサポートの終了が、脆弱性によるウィルス感染リスクなどの拡大に直結することは言うまでもない。サーバーが常時ネットワークに接続していることを考えると、影響の大きさはWindows XP以上と考えていいはずだ。
 2013年時点で、日本国内では約36万台のWindows Server 2003が稼働すると見られる。これは国内全Windows Serverの約2割に相当する数字。移行ビジネスのニーズはきわめて大きいと言えるだろう。
 移行の本命となるのは、マイクロソフトの最新鋭サーバーO SであるWindows Server 2012 R2。多くのハードウェアベンダーが供給するプリインストールモデルを利用することで、移行自体はハードウェアリプレースを通し、ある程度スムーズに行うことができる。
 だがサーバーOS移行には、クライアントOSにはない大きな課題が存在する。それはサーバー上で稼働する業務アプリケーションの移行だ。ある調査によると、Windows Server 2003のワークロードの約1 / 4が業務アプリケーションによって占められ、アプリケーションに紐付けられたデータベースサーバーなどを合わせるとワークロードの過半数に達するという。そのため、多くのWindows Server 2003マイグレーションでアプリケーション移行に関連する工数が発生すると見られている。
 アプリケーション移行は、1年以上の準備期間が必要になることが一般的だ。エンドユーザー様が予算確保に費やす時間を考慮すれば、マイグレーション提案は今すぐにでも行わなければ間に合わない。クライアントPCと異なり、インターネットから切断するなどの対策が困難であるだけに、着手の遅れが深刻な問題へとつながる可能性がある点には注意が必要だ。


アプリ移行は後方互換性の利用が現実的な選択肢に
 業務アプリケーション移行は、@インベントリ収集、A移行方法の検討、B構築と導入、C動作確認という4プロセスを経て行うことが一般的だ。
 インベントリ収集は、社内で稼働するアプリケーションの種類やその利用状況、設計書・テスト仕様書の有無などを確認するいわゆる「棚卸」に相当するプロセス。特に注意したいのは、開発時の担当者がすでに退職し、設計書やテスト仕様書も失われているというケースだ。この場合、移行に際し大きな負荷が発生すると考えた方がいい。また、移行の必要性についても、この段階で検討する必要がある。
 移行方法には、大きく以下の3方法がある。
@仮想化
 アプリケーションには手を加えず、P2V(物理−仮想)変換を行い、仮想マシン上で動作させる。ハードウェアのサポート切れ対策によく使われる方法だが、今回はOS自体のサポートが終了するため、移行後も脆弱性などの問題は残る。
A新規開発・再構築
 Windows Server 2012 R2に対応する形で、アプリケーションの再設計・再構築を行う。サーバーOSマイグレーションは、業務アプリケーションを見直
し、アップデートを行う絶好の機会となるため、エンドユーザー様にとり、そのメリットは小さくない。SI工数が上積みされるため売り上げも拡大するが、サーバーOS移行ビジネスに伴いソフトウェア開発エンジニア払底が懸念される中、スケジュールなどの面でリスクも生じる点には注意が必要になる。
B後方互換性
 Windows Server 2012 R2の後方互換性を利用することで、基本的にはアプリケーションに手を加えず移行する。サポート終了まで一年あまりとなった現在、もっとも現実的な方法と言える。ただしこの場合も、非互換問題の関係上、多少の修正は必要になる。
 なお後方互換性による移行の場合も、動作確認は不可欠となる点には注意が必要だ。


サーバーOS移行が生む新たなビジネスチャンス
 サーバーOS移行には、アプリケーション移行工数に限らず、多くのビジネスチャンスが存在する。OS移行に伴うサーバーリプレース、あるいはクラウドへの移行は、システム全体を見直し、必要に応じてシステムを再構築する絶好の機会でもあるからだ。
 その第一のキーワードとなるのが「ネットワークの刷新」だ。タブレットの普及が進む中、社内ネットワークの無線LAN移行を検討する企業は多い。同じ理由から、社内LANへのリモートアクセス環境整備に対するニーズも高まっている。サーバーOSマイグレーション提案に際しては、ぜひ、ネットワーク刷新に関する拡張提案も行いたいところだ。その方法として注目されるのが、以下で説明するVDI(デスクトップ仮想化)によるリモートデスクトップ環境の構築である。
 第二のキーワードとなるのは、「ディザスタリカバリ・BCPの強化」である。南海トラフ地震など、東日本大震災に匹敵する巨大地震が危惧されるなか、BCP強化に向けた企業の意識はきわめて高い。
 BCP強化に向けた拡張提案を行う際、ぜひ注目したいのはWindows Server 2012 R2に実装された、2ホスト間で仮想化マシンの非同期レプリケーションを行う「Hyper-V レプリカ」機能だ。特に複数拠点を擁するエンドユーザー様の場合、同機能を活用することで容易にDRサイトを構築することが可能になる。
 DRサイト構築に対するニーズは極めて高い。だがコストとの兼ね合いでそれを断念する中堅中小企業も多い。Windows Server 2003マイグレーションは、そのニーズを再度掘り起こす絶好の機会になるに違いない。


arrow 続き「タイムリミットはすぐそこまで迫っている! Windows Server 2003 サーバーリプレースの松竹梅」は本紙でご覧下さい。

サーバーリプレース提案の3大ポイント
図
拡大

 

Backnumber
【弟2特集】

・クラウドサービスとタブレットを組み合わせた業務提案 動画コンテンツで新しいビジネスの提案 【Vol.73】

増える一方のハードとソフトを一元的に管理 IT資産管理ソフトの疑問と活用ポイント【Vol.71】
 
・ビジネスチャンスを掘り起こす! 新コミュニケーションソリューションの可能性 【Vol.70】

・為替変動、消費税増税、Windows XPのサポート終了 etc 今、おすすめしたいIT投資とは?【Vol.69】


 
PageTop
BP PLATINUM本紙の購読申込み・お問合せはこちらから
Copyright 2014 Otsuka Corporation. All Rights Reserved.