この連載の目的は、流行している○○検定に、単に相乗りしたものではありません。筆者はデジタルクリエイターを目指す専門学校で学生たちと話していて、話題になったIT用語をメモしています。この検定は、学生が説明に困った最新IT用語をまとめたものです。通常の検定は無味乾燥なものになりがちですが、面白味も付加してみました。オモシロマジメな解説が読者の知識欲に貢献できればと考えています。

○昔の名前は違います（設問01）
日本語は４文字に落ち着く傾向があります。最初の頃、「１セグメント放送」と呼んでいたものが、2005年9月に「ワンセグ」と命名されました。国内の地上デジタル放送方式は、１つのチャンネルを13の「セグメント」に分割。映像、データ、音声などのセグメントを束ねているのです。ハイビジョン放送(HDTV)は12セグメント束ね、通常画質の放送(SDTV)は4セグメントを束ねています。移動体放送向けのセグメントは１つ。帯域が通常放送の1/4で、低解像度サイズしか伝送できませんがケータイにフィットしたわけですね。

○郵政民営化にも影響したのでは（設問02）
eメールはどうして送受信できるのでしょうか？ネット上の住所を簡便な単語で置きかえた「ドメイン」のおかげです。ネットの住所は、機械が判別できる数字（IPアドレス）で構成されますが、人が憶えられるものではありません。人に憶えやすくさせる目的で、住所を文字表現したものがドメイン名。メルアドは「×××@△△△.co.jp」、URLは「http://www.△△△.co.jp」のアレです。“jp”は日本を、“co”は一般企業を、△△△の大半は企業名を意味します。原則的には世界にひとつしかないと考えておいて結構です。

○こっそり潜んでそのうちに（設問03）
個人情報などを、勝手に外部に送信されたら大問題。利用者の個人情報と操作行動を、ヒソカに収集しては送信させる悪意あるツールのことをスパイウェアと呼んでいます。最新のスパイウェアはPC利用者のキー操作をトレースしてメール送信したり、定期的にPC画面を送信するものまであります。多くのスパイウェア開発者は、著名なスパイウェア検出・駆除ソフトに対抗するために、ステルス形式を採用したり、頻繁に亜種化する技術を採用しています。通常の削除方法では削除できないものまであります。要注意だと指摘しましょう。

○あまりに膨大な数だから（設問04）
Webサイト総数は爆発的に急増中。ひとつひとつのWebサイトの内容精査は無理。やれば、どれだけの時間が必要になるでしょう？な解　説らば、内容を簡略化して配信するフォーマットを決めてしまえ、うむ、XML形式で記述すれば便利だと考えた開発者が登場するのは自然です。ニュース関連のWebサイトは、記事を頻繁に更新します。そうしたWebサイトをRSS形式で更新情報を配信すると、読者はどの記事が最新に更新されたかが簡単にわかります。ブログでも頻繁に採用されはじめたRSS形式の記述ページの閲覧用ソフトがRSSリーダーです。

○原点はベソスの閃きだった（設問05）
自身が運営するWebサイトやメールマガジンなどに、契約した広告主の広告を掲載し、顧客の誘導を狙う個人や企業のことを、一般的にアフィリエイトと呼びます。アフィリエイトはアマゾン・ドットコムが、1996年に開始した「アソシエイト・プログラム」が原点。アマゾンの創設者で現CEOのジェフ・ベソスの姪がHPを作ったとき、彼女がアマゾンが販売する商品を、作ったHPで紹介したいと話したそうです。彼女はジョークで、売れた場合の報酬まで求めたようです。それを聞いたベソスにアソシエイト・プログラムを閃きました。

○開発者を楽にさせるくれるツール（設問06）
OSが公開するAPIは、各アプリは入出力処理やファイル管理などのOS機能をAPIで活用させています。アプリを効率的に開発するにはAPIが必須です。Windows 95/98とWindows NTでは、OS同士で多くのAPIを共通させ、共通部分だけの使用で、両方のOSに対応するアプリ開発が可能です。グーグルのWeb APIを活用して、独自のWeb2.0サービスを提供しているベンチャー企業も数多く見かけられます。NECではグループウェア「StarOffice21」でAPIを公開しています。StarOfficeの持つ機能を利用したアプリがAPIで簡単に開発できます。

○コンピュータは賢い･･･実は（設問07）
インターネットの起源をたどるとA R P A N E T にぶつかります。ARPANETは大型コンピュータを共有するために開発されたネットワークで、1968年に稼働しました。ARPANETが従来の電話網と違うのは、コンピュータ同士にデジタルデータを交信させた点。電話は人と人が音声をやりとりしますが、人は情報の多少の誤りを自動補正してコミュニケーションできます。コンピュータには人並みの自動補正能力はありません。厳密な規約が必要になるのです。ARPANETのエンジニアたちは、コンピュータ間の厳密な規約を「プロトコル」と呼びました。


◎回答：設問１→３（ワンセグ）／設問２→２（ドメイン）／設問３→１（スパイウェア）／設問４→４（RSS＝Rich Site Summary）／設問５→４（アフィリエイト）設問６→４（API＝Application Program Interface）／設問７→４（プロトコル）