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第2特集 ユーザーのニーズに応えるプリンタ・複合機の提案ポイント
2008年11月時点の情報を掲載しています。

ここ数年、企業の内部統制強化、情報漏えい対策などのコンプライアンスの観点から、さらにはTCO削減、業務効率の向上、環境対応などの観点から、社内のプリンティング環境を再構築するニーズが急増している。そうした中、入出力機器の機能を1台に集約した複合機が、オフィスワークのキーステーションとして活用されはじめている。そこで今回は、時代のニーズにマッチしたプリンタ・複合機の提案ポイントや、各種ソフトウェアとの組み合わせによる訴求力の高いプリンティングソリューションを紹介したい。




あらゆる面で進化を遂げたプリンタ選びのポイント
印刷方式とトナー
  現在、プリンタは高速・高品質・高機能化など、あらゆる面で大きな進化を遂げている。たとえば、これまでカラープリンタは、モノクロプリンタに比べて印刷速度が遅かったが、現在は高速印刷を可能にするタンデム型エンジンを搭載する機種が主流となり、モノクロプリンタとほとんど変わらない印刷速度を実現している。一方、モノクロ印刷が多いオフィスでは、タンデム型エンジンよりも安価な4サイクル型エンジンを搭載した機種を選択した方が経済的といえるだろう。
  また、各メーカーがトナーの改良に取り組んだことにより、従来に比べて印刷画質が格段にアップしている。最新のトナーでは、均一で小粒な粒子が使われているので、色の濃淡を滑らかに表現し、9600dpi相当の高密度印刷を実現している。特にチラシやプレゼン資料などを数多く印刷している企業に対しては、高画質プリンタへ買い替えの提案をしたい。

運用操作性の向上とグリーンIT
  プリンタの性能向上とともに、運用性、操作性も向上している。たとえば操作パネルが大型化されて見やすくなり、直感的に操作できるメニュー画面を搭載した機種が多くなっている。また、トナーカートリッジの大容量化による交換回数の削減や消耗品の交換がすべてフロントから行えるなど、操作性やメンテナンス性も大幅に向上している。
 さらに地球環境に配慮し、筐体や部品のリサイクル化などを推進することでエコマークを取得している製品も増えてきた。昨今は、企業のグリーンIT化の取り組みが注目されているので、エコマークやグリーン購入法などに適応しているかどうかも、プリンタ選びの重要な選択肢に挙げられるだろう。


オフィスワークの中核導入が多い複合機のメリット  ここ数年は、コピー、プリント、スキャナ、FAX機能を1台に統合した複合機(MFP:MultiFunctionPeripheral)が、プリンタ導入に際して大きな注目を集めている。コンシューマ向けのプリンタ市場ではすでに主流になりつつある。ビジネス向けのプリンタ市場でも、オフィスワークのキーステーションとして、ネットワーク対応機能を標準装備した複合機を導入する企業が徐々に増加し、大きなトレンドになっている。実際、IDGジャパンの調査によると、企業規模を問わず、これから複合機を導入したいと考えている企業が非常に多いことがうかがえる(表1参照)。数名規模のSOHOから1,000名以上の企業まで、ビジネスを効率的に進める上で、今や複合機は必須の導入機器になっている。
 複合機の導入メリットは、第一にコピー機やプリンタなどを何台も設置せずに済むので、省スペース化を実現できることだ。特にオフィススペースが限られている事業所には最適といえる。
 第二に複合機は、スキャナ機能を使って紙文書を簡単に電子化できるので、書類や図面、契約書などをサーバやパソコン上で管理することができる点だ。これにより、紙文書をバインダーなどに保管する手間が省け、必要な情報を必要なときにパソコン上から素早く取り出せるようになるので、社内の情報管理が楽になるとともに、オフィスの資料スペース削減にもつながる。
  また最近の複合機には、スキャンしたドキュメントを直接メールで送信したり、USBメモリへ直接保存できる便利なスキャニング機能を標準装備している製品が多い。さらにFAXで受信した文書を印刷せずに共有フォルダへ直接保管したり、外出先のパソコンのメールアドレスに自動的に転送できるものもある。こうした機能を効果的に活用することで、ペーパーレス化によるコスト削減や業務効率の向上に大きく寄与することが可能になる。
 三つ目に保守・メンテナンスが容易になることもメリットだ。コピー機、プリンタ、FAXの消耗品交換や故障のたびに、各メーカーごとに連絡する手間が無くなり、請求書なども一本化できるので事務の効率化が可能になる。
 現在、リコー、キヤノンなどのコピー機系ベンダや、エプソン、OKIデータなどのプリンタ機系ベンダがそれぞれ複合機を販売している。ユーザーにとってコピー機系ベンダ製品は、コピー用紙など消耗品の注文からメンテナンスまでワンストップで手間いらずだ。一方、プリンタ機系ベンダの製品は、1枚ごとに課金されるコピーチャージが不要なので、プリント時と同様の印刷コストでコピーできる利点がある。社内の利用状況などを加味したうえで最適な複合機を選びたい。


紙媒体の情報漏えいを防止するセキュリティ機能が大幅に強化  現在、情報漏えいの経路として最も多いのは、紙媒体による流出と言われている。従って、企業が情報漏えい対策を実施するうえで最も考慮しなければならないことは、紙文書を出力するプリンタ・複合機のセキュリティ対策である。そのため、最近のプリンタや複合機には、さまざまなセキュリティ対策機能を搭載している。
 たとえば、顧客リストなどの機密文書を印刷すると、「コピー厳禁」「社外秘」などの文字が背景に浮かび上がる「透かし印刷機能」が標準装備されている。また、印刷したユーザーのIDや日付などを同時に印字することで、誰がいつ印刷したのかわかる機能を備えた製品もある。こうした機能により、情報漏えいを抑止すると共に、万一機密文書が流出した場合でも、その流出元を特定することができる。
 さらに、パスワード認証機能を備えているものや、ICカード認証や生体認証の仕組みを組み合わせて利用できる製品もある。こうした個人認証機能は、印刷する本人がプリンタや複合機まで足を運んで認証しなければ出力されないので、印刷物を置き忘れたり取り違えによる情報漏えいにつながるトラブルを未然に防ぐことが可能になる。個人情報を数多く取り扱っている情報サービス業などでは必須の機能といえるだろう。

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■表1 企業規模別レーザープリンタ導入意向
表
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図

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■複合機のセキュリティ機能
表
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