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 ここにきてMicrosoftのWindows 7に関するアップデートが活発さを増している。昨年10月末のプレビュー版公開に続き、1月には実質的なパブリックベータ版をリリース、2月3日にはWindows 7のSKU構成（提供されるエディション）が明らかにされた。 それによると、Windows 7で提供されるエディションはWindows Vistaと同じ6種類。うち1種類が新興国向けで、わが国では提供されない点もWindows Vistaと同様だ。 最上位に位置づけられるのは、大企業向けにボリュームライセンスのみで提供されるWindows 7 Enterpriseと、それに匹敵する機能を持ちながら店頭販売でも提供されるWindows 7 Ultimateだ。この位置づけは現行のVistaと変わらない。 変化が見られるのはその下のWindows 7 Professionalから。Windows Vista Businessの後継となるProfessionalは、下位のWindows 7 Home Premiumの全機能を包含した上で、ドメインネットワーク参加を含むビジネス向けの機能を持つ。 Vista BusinessにはMedia Centerが欠けているなど、Vista Home Premiumの完全上位互換とは言えない部分があり、時にユーザを悩ませたが、Windows 7ではこれが解消されることになる。Microsoftでは、ビジネスユーザ全般にWindows 7 Professionalを、コンシューマユーザ全般にWindows 7 Home Premiumを推奨するとしており、この2つのエディションで大半のユーザをカバーできると考えている。 最も大きな変更は、Home Premiumの下位エディションとして提供されてきたHome Basicが新興国向けのSKUとなり、わが国をはじめとする先進国の市場から姿を消すことだ。その代わりに最下位のSKUとして、Windows Vistaまでは新興国向けに限定的に提供されてきたStarter版が、Windows 7 Starterとして全世界で提供される。 Windows XPから提供が始まったStarterは、初めてWindowsを利用するユーザ向けに、高度な機能を制限し、低価格のハードウェアと組み合わせて、最終製品価格を安価にすることを狙ったSKU。プリインストールのみの提供だが、そのライセンス料はかなり低く抑えられている。Windows 7 Starterでも、同時に起動可能なアプリケーションは3本まで、ユーザインターフェイスのAeroやマルチタッチをサポートしないといった機能制限を設ける一方で、ライセンス料も低く設定されている。 こうした機能制限版を先進国市場に投入する理由は、2008年に大ヒットしたネットブックの影響だ。ネットブックを低価格で提供できた背景には、MicrosoftがULCPCライセンスという名称で、安価にWindows XP Homeを提供したことがあげられる。すでにノート型PC市場の3割近くを占めるまでに成長したネットブックのエコシステムを壊さず、しかもリリースされてから8年目に入ったWindows XPを引退させるには、Windows 7に低価格にライセンスできるSKUが必要なのである。 問題は、Starter版になじみのない先進国のユーザが、Starter版に設けられた制約に納得できるか、という点にある。これならWindows XP Homeの方が良かった、と言われないためには、十分な説明と場合によってはこれまでStarter版には用意してこなかったアップグレードパスの提供も必要になるかもしれない。
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