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2010年5月時点の情報を掲載しています。
これまでのコラムでは、企業でのIT活用法について触れてきたが、今回は少し趣向を変えて、中堅中小企業に適したITを使ったネットビジネスについて考えてみたい。
ネットビジネスを大きく分けると、ITにおける新しい技術を全面に押し出したサービスと、Web環境をベースに、動画や音楽などのデジタルコンテンツを含む商品やサービスの販売を行うものとに分けられる。
前者は、現在ではIT自体が一般化してしまい、他との差別化を実現する新技術がなかなか登場しないため難しい状況にある。
そこで、今回は後者のWeb販売に着目し、無理のない範囲で試験的に行えるネットビジネスのターゲット市場を探ることとする。
独自性の高い商品で勝負する「ニッチリッチ市場」
Webによる販売の成功では、米アマゾンに始まった書籍のネット販売が有名である。それぞれでは少量しか売れない書籍を、ネット販売の利点を活かして多品種販売することにより売上の増加を実現するという、「ロングテール市場」の例としてあげられることが多い。
デジタルコンテンツをWebで販売する場合は、印刷・流通費が不要となるため、そのコストが大きく削減できるメリットがある。しかし、Web経由での動画や音楽コンテンツの販売には大企業の参入などもあり、ダウンロード価格の値引き合戦を誘発している。体力のない中堅・中小企業のビジネスとしてはうま味がない。また、最近では無料コンテンツが増えているため、大企業においてもあまりビジネスになっていない。
そこで、今回新たに考えたいデジタルコンテンツの市場が「ニッチリッチ市場」である。ほかでは入手できないようなクオリティの高いコンテンツを、少ない顧客に高く売るということだ。マーケットは非常に小さい(ニッチ)が、高額でも買える(リッチ)顧客がいる市場である。これなら量がでないので、大企業の参入も考えにくい。
また、コンテンツの中には万人うけせず、一部にしかうけないコンテンツがある。だが、そういったコンテンツから感動を得た一部の人たちは、それが高価だろうとどうしても欲しくなり、売っているところを探して「購入」という行動に出る。
潜在需要のコンテンツ化こそWeb販売に適した商材
音楽は、デジタル化・ポータブル化が定着し、利便性のためにデータが圧縮されているせいで音楽としての品質は劣化している。純粋な音楽ファンにとっては、嘆かわしい現実だろう。もしもネットビジネスで、音楽コンテンツがこれまでにないくらい高い品質でダウンロードでき、従来のオーディオ機器で再生できるというようなサービスがあれば一部のニッチな音楽ファンは、高価なコンテンツ費用に対する支払いはまったく苦にせず、買い求めるのではないだろうか。最近は1枚10万円もするガラスCDが売れたり、デパートの売上が今年に入って上向き始めたりもしている。
新たなネット市場、デジタルコンテンツでの「ニッチリッチ市場」は一つのヒントとして、読者のビジネス拡大に少しでもお役に立てたらと考える。
【経営者とIT いま求められるITセンスとは】
・第2回 中小企業の経営に求められるIT活用 【Vol.49】
・第1回 クラウド時代の企業戦略 【Vol.48】
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