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2010年1月時点の情報を掲載しています。
最近、業務アプリケーションシステムの利用形態が大きく変化している。
かつての業務アプリケーションは、大型コンピュータで自社用のシステムを構築していたため、これを使用できるのは大企業に限られていた。そして中小企業は、大企業の利用時間が余ったところに電算センター業務を依頼し、利用料を払って個別のアプリケーションを使わせてもらうのが一般的だった。
その後、パソコンの出現により、ワープロや表計算などのOA機器の利用が始まったり、業務用パッケージソフトが発売され、中小企業でも廉価にコンピュータ利用ができるようになった。
やがて、ネットワーク基盤の整備が進み、自社のサーバではなく共同のサーバであるクラウドシステムでのサービス提供が実現されてきている。
では、このような時代に、中小企業の経営におけるIT活用はどうしたら良いのかを考えてみよう。
IT環境の安定稼働とコスト削減を担う管理要員の育成
まず、必要なことは「管理要員」の育成である。
しかし、中小企業においては、ITのみの専任社員を用意するのはもったいない。これは本業と兼務で適性を配慮しての育成となることを申し添える。
クラウド時代では、自社内にはクライアント機器しかなくなり、管理する対象は少なく簡単になる。ただし、ネットワーク基盤やネットワーク事業者などの外部とのトラブル対応など、社内および稼働環境の統合的状況の把握や知識が必要だ。
管理要員の役割は、IT環境の安定稼動を図るとともに、ITコストの削減を狙うことである。このような企業全体の費用削減業務などに興味を持っている人材を兼務させると良いだろう。
ネットワーク基盤となるデータセンターなどのサービスは、価格競争が進み年々廉価になってきている。自社のシステム規模を把握して、適切なコストの選択を1年に一度くらいは調査してみてはどうだろうか。
活用要員は実際の業務に携わる人を起用
続いて、「活用要員」が必要である。
この分野は、以前はOA要員として、業務に非常に近いシステムを処理していた。
表計算(エクセルなど)だけでも、最近は関数命令が充実しており、細かい実践的な経営資料を十分作成できる。コンピュータ利用の原点は、実際に業務に携わる人がシステム構築するのが、一番良いのである。
したがって、活用要員に表計算でできる関数機能を教えることで、使用する人が一番欲しい情報を最適な形で手に入れられるようになる。
何もマクロ機能を使って第三者に作業をさせるような作り込みは必要ない。かえってマクロを作ってしまうと一般的なシステム同様、ブラックボックス化してしまう可能性が高いのでおすすめできない。
それよりも一緒にその仕事を行っている他の者が、ロジックを表計算の関数の使い方として理解し、仕事の中身も併せて把握できる方が、IT活用の輪を広げることにもなる。
最後に、中小企業のIT利用とは、すべてをクラウドやパッケージなどの業務システムで賄おうとし、IT業者の高い費用請求を受けることではない。自社に必要なデータの活用には、自社の環境を一番よく知っている、社内の隠れた逸材を大いに活用することが重要である。
【経営者とIT いま求められるITセンスとは】
・第1回 クラウド時代の企業戦略 【Vol.48】
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