2001年に発売されて以来、じつに9年にもわたってNo.1のシェアを誇ってきたWindows XP。だが、Windows 7が好調なこともあり、主要PCメーカーでは、ついにプリインストール版PCの出荷を終了すると発表している。Windows XPに依存した独自システムを利用している企業などにとってはまだ需要が高いと思われるため販売終了を迎える前に早めにご相談いただきたい。 |
2010年10月22日、Windows XPがプリインストールされたPCが出荷を終了する。米マイクロソフトの発表では、XPへのダウングレード権自体はOEM版Windows 7の提供が終了するまで継続するとのことだが、国内主要PCメーカーは、2010年10月22日でXPがプリインストールされたPCの出荷を終えることを発表している。
この機会に買い逃した場合、エンドユーザ様はWindows 7搭載の新規PCを調達し、自らWindows XPへのダウングレード作業を行わなければならない場合がある。Windows XPのライセンス購入費用など、予想外のコスト負担がかかるうえ、ドライバの適用などで時間がかかり、本来の業務を圧迫するほどの導入負荷がかかる可能性がある。
現時点で、Windows 7環境へ移行するための評価作業が終わっていない企業様や、XPにしか対応していない周辺機器・社内システムを必要とする企業様に心当たりがある場合には、すぐにXPでのリプレースをご提案いただきたい。
はじめに、ダウングレード権について簡単に説明すると、現行OS購入時に、過去バージョンから現行OSへの移行期間を保証するユーザのための権利のことだ。この権利は、Windowsの正規版ユーザに付与される。
OEM版OSの場合、通常は現行OSの1つ前のOS、つまり7に対してはVistaが対象となる。しかし、ユーザ数の多さからか、Windows 7からXPへのダウングレード権は特別に認められている。
ダウングレード権を行使してPCを購入した場合、出荷時には旧OSがプリインストールされ、現行OSはメディアで添付される。つまり、ユーザ自身が手間のかかるOSのダウングレード作業を行う必要がない。ライセンス的には、将来、Windows 7へ移行するときに、新たにWindows 7のライセンスを買い直す必要がなくなるため、コストメリットも高い。
再度、Windows XPをクリーンインストールしたい場合には、購入時に添付のリカバリディスクなどから行える。
10月22日以降はWindows XPへのダウングレード権こそ残るものの、Windows XPがプリインストールされたPCは通常出荷されなくなり、一部のメーカーによる有償のサービスとなる。
有償サービスの詳細はメーカーによって異なるが、Windows XPのインストール作業費として1台につき3,000円〜4,000円程度の費用がかかり、さらに25台以上、エンドユーザ様直送などの制約ですべてのユーザが利用できるわけではない。また、有償サービス自体の提供期間はメーカーによって定められるため、時期によっては、希望メーカーや希望スペックのPCを購入することができなくなってしまう可能性もある。
有償サービスが終了したのちには、エンドユーザ様自身がWindows XPのメディアを入手し、Windows 7のPCに、Windows XPをクリーンインストールする作業を行う必要があるがOSはアップグレードこそ簡単だが、ダウングレードは思いのほか難解な作業だ。OEMライセンスの場合、1台ごとの手作業となるうえ、OSとPCに対応したドライバを用意する必要があるなど、工数のかかる作業となる。Windows XPでの導入を迷っているエンドユーザ様には、コストと手間の負担が大きくなるということをご案内いただきたい。
このように10月22日から時間がすぎていけばいくほどコストがかさむうえに人手も時間もとられてしまうという、デメリットばかりが目立ってくることになる。そのため、PCの購入を考えているエンドユーザ様にはWindows XPの利用の有無を確認し、必要であるならば早めの決断をしてもらえるように働きかけていくことが重要になる。
もっとも低価格で手間をかけずに「Windows XP」のPCが入手できる最後のチャンスが、2010年10月22日であるということを強調していただきたい。
続き「今すぐご相談を!プリインストール版PCの出荷終了目前 さよなら?Windows XP」は本紙でご覧下さい。
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■図1 企業におけるWindows XPの普及率は約8割
株式会社ウェザーニューズは、2010年7月7日、「 “ゲリラ雷雨”発生回数は全国的に昨年より3割程度多い見込み」と発表した。
出典:『今夏のゲリラ雷雨傾向』発表 2010年・株式会社ウェザーニューズ |