Windows 10がリリースされて、2カ月が過ぎ、そろそろエンドユーザー様からの問い合わせも増えている頃だろう。本格的な導入はまだ先の話。しかし将来を見据えた情報収集と、エンドユーザー様への情報提供は、パートナー様のビジネスには必要不可欠といえる。そこで今回は、Windows 10に関する新しい概念についてご紹介する。ぜひ、パートナー様の営業にお役立ていただきたい。 |
Windows 10を理解する上でまず押さえたいポイントは、新機能の追加は、今後すべてWindows Update(クラウド)経由で行われる点だ。Windows OSはこれまで2、3年に一度のメジャーバージョンアップを通して機能強化を図ってきた。今後、機能追加は従来のセキュリティパッチのインストールのように、クラウド経由で行われることになる。Windows 10が「Windowsの最終形」と呼ばれる理由もここにある。
Windows as a Serviceと名付けられたこの全面的な方針転換の背後に、変化への柔軟かつ迅速な対応と一層のセキュリティ向上という、今日のシステム管理部門が直面する二律背反する課題があることは間違いない。日々刻々と変わるニーズに対応する上では、必要に応じて随時、クラウドを経由して迅速に機能強化できる形への移行は必然とも言えるからだ。
今後、マイクロソフトは、デバイスが製品寿命を終えるまで無償でWindows 10の更新サービスを提供し続けることを発表している。それに伴い、エンドユーザー様は、OSではなくハードウェアのサポート寿命に基づいたリプレースを行うようになる点も、重要なポイントになるだろう。
一般報道で触れられることは少ないが、プログラム更新に対するマイクロソフトの考え方が大きく変わることも注目すべき点の一つだ。Windows 10では新機能の追加は随時行われるが、それをリスクと考えるエンドユーザー様は決して少なくないだろう。更新に伴い、既存システムに思わぬ障害が生じかねないことがその理由だ。この課題にマイクロソフトは、マイクロソフト社員から数百万人が登録するWindows Insiderへ、そして一般ユーザーから企業ユーザーを経て、企業ユーザーの特別なニーズへと、段階的にリリースし、バグ出しや検証のフィードバックも段階的に進めることで対応を図る考えだ。
これに関連して、常に最新の機能が提供される「最新化モデル(CB)」、「いつ、どの種類の更新プログラムをどのデバイスに展開するか」が選択できる「企業向け最新化モデル(CBB)」、機能強化は行われず、セキュリティ更新とバグフィックスのみが提供されるミッションクリティカルシステム向けの「固定化モデル(LTSB)」という3種類のサービシングモデルが提供される点も注目点の一つになるだろう。
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