2014年前半のITビジネスは、「Windows XPの入替需要」と「消費税の増税による駆け込み需要」により、近年まれに見る繁忙期が訪れた。ところが4月を過ぎ、特需の反動はIT投資の冷え込みとなってパートナー様を苦しめることになる。この特需の反動が落ち着きを見せる2015年、パートナー様のビジネスを拡大するための方策とは何なのだろうか。本特集では、2014年のITビジネスを振り返り、2015年、パートナー様のITビジネスをさらに飛躍させる提案商材やソリューションを模索したい。 |
日本の社会環境の変化は、年々その速さを増している。そのような実感を持つパートナー様も多いに違いない。ましてや、犬の成長の速さを引き合いに“ドッグイヤー”と呼ばれてきたIT業界の変化のスピードには、業界内の人間であっても、目が回りかねないのが実情だ。
では、ITビジネス市場は今年どのような展開を遂げるのか。それを考える前に、まずは2014年を簡単に振り返っておきたい。最大のトピックは、やはりWindows XP移行需要になるだろう。長年にわたり、国内法人市場のクライアントOSの主流に君臨し続けたWindows XPのサポート終了による入替需要は、まさに特需の名にふさわしいものだった。
そのため、エンドユーザー様のIT予算の多くがクライアントOSの移行に費やされてしまったことも否めない。そういう意味では、なかなか“攻めのIT投資提案”にまで手が回らなかったパートナー様も多かったはずだ。
なお、2015年7月には、Windows Server 2003のサポートが終了する。2013年末時点で国内において稼働するWindows Server 2003は推定で約36万台。2014年末時点でも、中堅・中小企業を中心に、約21万台が稼働していると見られている。その移行が、Windows XP移行に続く需要を生むことは間違いない。さらに、多様なアプリケーションが稼働するサーバーOS移行には、案件規模を拡大させるチャンスが多い点には注目が必要だ。
通信教育大手による過去最大規模の個人情報漏えい事件も、2014年のトピックの一つだ。情報漏えいが企業価値そのものを左右する現実が浮き彫りとなったという意味で、多くのパートナー様にとっても印象に残る事件だったに違いない。直近のトピックとしては、いわゆる「マイナンバー法」の施行を控え、セキュリティ意識の高まりは新たなニーズを生むはずだ。
なおサポート終了前のOS移行は、セキュリティ対策の大前提になる。だが2014年末時点でも、大都市圏以外の中小企業や公共団体では、Windows XPが継続利用されているケースが少なくない。Windows Server 2003のサポート終了も含めて、エンドユーザー様への啓発に努め、移行ニーズを確実に拾い上げていくことが大切になるだろう。
ハードウェアに目を向けると、2014年の最大のトピックはやはりビジネス市場へのタブレット普及と言えるだろう。“2台持ち”あるいはタブレットによる“2in1”という形で、ビジネスシーンへのその普及は確実に進んでいる。また、法人市場においてWindowsタブレットの普及が進んでいることも注目ポイントの一つだ。
最後に、2014年に急速に進んだ円安の影響を見ておきたい。急速な円安は、HDD、メモリなど海外から輸入されるPCパーツ価格の値上がりに直結した。その結果、2015年初頭にはIT機器の一斉値上げが見込まれている。為替動向にもよるが、この傾向はしばらく続くことが予想される。
続き、「時代の変化はIT投資への好機 2015年、ITビジネスの注力ポイントはこれだ!」は 本誌を御覧ください。
|