Windows Server 2003のサポートが終了する。日本マイクロソフトの積極的な広報活動もあって、大企業を中心としたエンドユーザー様の移行は、順調に進んでいると見られる。ところが情報システム部を持たないような中堅・中小企業のエンドユーザー様は、少し事情が異なる。例えば、「Windows Server 2003を利用していることを認知していない」ことがあるのだ。このような場合は、エンドユーザー様が本意ではない不利益を被る可能性がある。お客様利益を考えるのであれば、パートナー様は今すぐに行動を起こすべきだ。今回の特集では、簡単な事例を交えながら、サーバーリプレースの最終提案の具体例を紹介。パートナー様の営業活動のご参考になれば幸いである。 |
2015年7月のWindows Server 2003サポート終了に向けたサーバー移行ビジネスは、いよいよ終盤戦を迎えようとしている。
まずは現時点の状況を確認しておこう。今年に入り、大企業を中心にサーバーOSの移行は加速化している。日本マイクロソフトによると、2014年末時点で国内において稼働していた約21万台のWindows Server 2003は、今年3月末までの3カ月間で約14万台に減少している。サポート終了までに同社は、さらに9万台の削減を目指している。
ところが7月までに移行を終えるエンドユーザー様は4割程度に留まるとも見られている。その背景には、予算化の遅れと共に、マイナンバー制度と合わせて対応したいというニーズがある点には注目が必要だろう。
マイナンバーの通知は今年10月から開始されるが、変更が予定される帳票の様式が一部確定していないこともあり、対応が夏以降になるパッケージソフトも少なくないと見られる。そのため、マイナンバー制度と合わせた移行提案はこれからが本番になる。セキュリティ対策を合わせて提案することで、案件規模の拡大を積極的に図っていきたいところだ。
その一方で「セキュリティソフトを導入しているため、OS移行の必要はない」「仮想化しているので、サポート終了の影響は受けない」という認識を持つエンドユーザー様は今も少なくない。特に後者の場合、サポート終了後に発見されたぜい弱性に完全に無防備な状態になってしまう。サポート終了後のリスクについて、今後も積極的に啓発を続ける必要があるだろう。
また、「社内で稼働中のサーバーOSのバージョンを把握しきれていない」という声を耳にすることも多い。特にファイルサーバーの場合、クライアントOSなどとは違って、利用者がOSバージョンを意識する機会はほとんどない。スムーズなOS移行の実現を図る上では、エンドユーザー様の社内に眠る対象OSの発掘を積極的にサポートすることも大切になるだろう。
その際に利用を検討したいのが、サーバーOS発見サービスだ。NECでは2015年4月より、Windows Server 2003で動作するサーバーを発見する「ファイルサーバー発見サービス」を開始している。これは同社が提供する機器をエンドユーザー様のネットワーク環境に一定期間設置し、その後、機器を返送することで、NECがOS情報の抽出・解析を行うもの。対象OSの発掘を効率的に行うには、こうしたサービスを活用してもいいだろう。
なお日本マイクロソフトの調査によると、現時点で対応が最も遅れているのはファイルサーバーであると見られている。対象OSの発掘も含め、ファイルサーバー移行提案はこれからの重要な課題になるだろう。
続き、「Windows Server 2003のサポート終了目前! 事例を交えたサーバーリプレース最終提案の具体例」は 本誌を御覧ください。
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