『IBM HAクラスター太鼓判構成』は、『Windows Server 2003 R2』と『Red Hat Enterprise Linux 5.2』のOSに対応している(右頁図1)。ラックマウント構成とブレードサーバ構成の2つのサーバタイプを選択できる。このうち、ラックマウント構成は、IBMのサーバ『IBM System x 3 6 5 0 』とストレージシステム『I B M System Storage DS3000シリーズ』を組み合わせたもので、Linux用のHAクラスタソフトとして『LifeKeeper for Linux v6』を推奨している。これにより、ストレージへの書き込みが頻繁な業務運用において最適なHAクラスタシステムを実現する。
一方、ブレードサーバ構成は、IBMの『BladeCenter S』(シャーシ)と『Blade Center HS12』(ブレード)2台で構成されており、Windows用に『LifeKeeper for Windows v6』、Linux用に『Life Keeper for Linux v6』を推奨している。シャーシに内蔵されたストレージを利用するため、外部ストレージは不要だ。省電力・冷却効率・拡張性、耐障害性に優れたシャーシ内に2枚のブレードを装着することで、複雑なクラスタシステムをオールインワンで簡単に構築することができる。ストレージの負荷が比較的少なく、連続稼動が必要なサーバをコンパクトにまとめたい環境に最適で、オプションの「11U静音ラック」に収納すれば、静音機能と防塵機能が加わり、オフィスの一般フロアへの設置も問題なく行える。サーバリプレイスの時期を迎えていたり、コンピュータシステムの省スペース化を図りたいという企業には特にお勧めだ。
『IBM HAクラスター太鼓判構成』で推奨している『LifeKeeper for Linux v6』および『LifeKeeper for Windows v6』は、CDP(継続的データ保護)を実現するリワインド機能※を搭載しているので、データ・レプリケーションでの利用の幅が広がっている。データが変更される度に、その変更履歴が記録されるので、あらゆる時点のデータをリカバリすることできるのだ(図2)。たとえば、万一の障害によりデータを消去してしまった場合、通常は元に戻すことはできないが、リワインド機能を使えば簡単にデータを消去する前の状態に戻せるようになる。
また、システム停止の要因のひとつに人的な操作ミスが挙げられるが、可視化されたわかりやすいGUIを搭載しているので、そうしたミスを大幅に削減できる。さらに、アプリケーションリカバリーキット(ARK)と呼ばれるオプションを使用することにより、各種ミドルウェアのHAクラスタ化を専用のスクリプトを組まずに容易に実現する。
このように高性能なHAクラスタソフトを検証済みのハードウェアとセットで気軽に手間を掛けずユーザーに導入提案できることが、『IBM HAクラスター太鼓判構成』の最大のメリットだ。
※リワインド機能は、『LifeKeeper for Windows』のオプション製品である『SteelEye Data Replication』の機能である。