レッドハットのオープンソースソフトウェア(以下、OSS)、『Red Hat Enterprise Linux 5』(以下、RHEL5)と『JBoss Enterprise Middleware』(以下、JBoss)は、これまで大企業を中心に採用されてきた。というのもOSSは、何らかの障害やトラブルが生じた場合に、保守面で不安があるため、自社に専任のシステム担当者やLinux専門家がいる大手企業に導入されがちだったと言える。
しかしレッドハットのディストリビューションOSS製品群なら、試用版をダウンロードできるので中堅中小企業などでも試験的に運用して製品評価することができ安心だ。
レッドハットの名前を広めたのは、カーネル、ドライバをパッケージにしたLinuxディストリビューションであり、エンタープライズの最新版『RHEL5』は2007年3月にリリースされた。仮想化まで含めたコンピューティングインフラストラクチャ全体において、高い運用の柔軟性を提供している。既に『RHEL5』を導入・運用しているユーザ企業のCIOやシステム管理者の評価は、まず既存OSからのリプレイスの容易さを挙げる。2つ目にライセンス料金が発生しない価格体系を挙げている。『RHEL5』導入のメリットは、保守費用にかわるサブスクリプション費用しか発生しないローコストな点だ。大企業や公的機関のなかには劇的なコストダウンに成功したことから、関連企業や団体に『RHEL5』を推奨する企業もあるようだ。
またレッドハットには、Javaによるオープンソースミドルウェアとして企業ニーズに対応した『JBoss』がある。レッドハット版は商用のJ2EEサーバに準拠しており、他社商用サーバと比較した場合、同等かそれ以上の性能や拡張性、柔軟性、可用性により、優れたWebアプリケーションを構築できる。Webコンテナ(Tomcat)、SOAPなども同梱されており、『JBoss』を導入するだけで容易にWebアプリケーションの動作環境を入手できる製品構成だ(図1)。オープンソースミドルウェアなので、ライセンス料金は発生せず、劇的なコスト削減が可能になる。高度なWebアプリケーション構築により、優れた効果と運用コスト削減を求める企業ユーザに、導入をお勧めしたい最適な製品だ。
■Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 『Red Hat Enterprise Linux』はLinuxサーバのデファクトスタンダードとして、80%以上のシェアを持っており、社会のインフラおよび企業システムを支えるメインフレームやハイエンドUNIXサーバ、PCサーバまで、一つのOSで対応する。新しい技術として注目されている仮想化技術も、『RHEL5』に標準で組み込まれており、最新技術の導入とシステムの安定稼働を両立させることができる。