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| 2010年5月時点の情報を掲載しています。
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 昨年2月に首都圏の一部でサービスを開始したWiMAXが、いよいよ本格的な普及期を迎えつつある。2010年1月には設置済みの基地局数が5,000局を突破、3月末時点で全政令指定都市と県庁所在地のカバーを完了した。当初の目標として掲げた、「2012年度末までに人口カバー率90以上」は、もはや夢物語ではない。 サービス開始当初は、サービスエリアとされていても、電波の届きにくい場所、接続が不安定な場所が散見された。が、こうしたサービスエリアの質の問題も、地道なチューニングが実を結びつつある。都内の場合、サービスエリアとされる場所であれば、少なくとも地表面に関しては接続できないケースはほとんどない。しかも、接続できれば、理論値で最大40Mbps、実効値でも10Mbps〜15Mbps程度とADSL並の通信速度が期待できる。モバイルブロードバンドの呼称はダテではないのだ。 現在、接続が難しいのは、地下街や高層ビルの上位階といったエリアである。素人考えでも電波が届きにくそうな地下街はともかく、見晴らしのよい高層ビルでWiMAXの利用が難しいのは意外にも思える。通常、建物の屋上等に設置される基地局からの電波は、基地局間の干渉を避けるため、上ではなく下を向いて発射される。快適な利用を実現するには、電波が飛びすぎても困るのである。上で述べた「チューニング」とは、サービスエリアを広げながらも、電波が飛びすぎないよう最適化を行う気の遠くなりそうな作業だ。地下街や屋内への浸透という点では、小型基地局の展開による改善が行われることになるだろう。 こうしたサービスエリアの拡充と改善のかたわら、サービスプランの充実も図られている。当初から提供されていた月額4,480円の定額プランであるUQ Flatに加え、月額最低料金を380円に抑えることで「使わない月」の負担を減らしたUQ Stepは、とりあえず様子を見てみたいユーザーには最適だ。うっかり使いすぎても、上限額が4,980円と定められているから、請求書を見て青くなる心配はない。もし、使わない日、使わない月が多いと分かれば、一切の定額料金が発生しないUQ 1Day選んでもいい。これは1日600円でWiMAXを利用するプランで、使いたい時に使った分だけ料金を支払う究極の料金プランだ。 UQ WiMAXサービスの長所は、この料金プランでも分かる通り、ユーザーに分かりやすいシンプルなサービスであることだ。一定期間の利用を義務づける「縛り」や、解約時に支払う違約金といったものは原則的に存在しない。WiMAXの端末も、キャリアであるUQ Communicationsが販売するだけでなく、同社の回線を借りてサービスを行うMVNO業者、さらにはPCベンダーがWiMAX端末を内蔵したPCを出荷するなど、さまざまな形態がある。さらに障害情報もWebページで公開するなど、極めてオープンなサービスという印象だ。 高速な通信速度、充実しつつあるサービスエリア、そしてオープンなサービスポリシーの3つが相乗効果をもたらしているのか、ここにきてWiMAXのユーザー数が伸び始めている。社団法人電気通信事業者協会の発表によると、2010年3月末の契約数は15万300で、2009年12月末の6万3,600から倍以上に成長した（UQ Communicationsの契約者数は四半期毎の発表となっている）。 まだまだ絶対数としては少ないが、伸び率は極めて高い。WiMAXは、サービス開始当初の、サービスエリアが限定されるイメージを払拭できず、契約数が伸び悩んでいたが、ここにきて使えるサービスとしての認知が高まりつつあるようだ。後は、モバイルブロードバンドの真価を実感できるようなサービスが登場することを期待したい。
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