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第2特集 備えを通じて信頼関係の強化を目指す 夏の防災商材総点検!
2015年7月時点の情報を掲載しています。

東日本大震災から4年が経ち、震災後にそろえた防災製品の保存期間を確認する必要がある。水や食料はもちろん、医薬品、乾電池、非常用トイレなど、あまり保存期間を意識することのない備品は特に注意が必要だ。そこで、多彩な防災商材を提供するコクヨS&T株式会社に防災商材の交換やアップグレードするための提案方法について聞いた。

大手ベンダーがサブスプリクションへの移行を急速に進める背後にあるものは?

被災時も事業継続性を確保できる BCPを多くの企業が策定している
 災害大国ともいわれる日本では、大きな自然災害がたびたび発生している。
 地震に限っても、この100年で関東大震災(1923年)、三陸沖地震(1933年)、昭和東南海地震( 1944年)、昭和南海地震(1946年)、福井地震(1948年)、阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)などが発生し、そのいずれでも1,000人を超す死者・行方不明者が出た。昨年発生した広島市の土砂災害(2014年6月)と御嶽山の噴火(9月)など、地震以外の自然災害でも大きな被害が生じることは珍しくない。
 このような災害に遭っても事業を続けることができるようにと、日本の企業はかねてからさまざまな対策に取り組んできた。
 特に意識が高まったのは阪神・淡路大震災と東日本大震災の直後である。事業継続計画(BCP)と事業継続管理(BCM)に取り組む企業が一挙に増え、その取り組みを支援するセミナーや研修会の開催、そして災害対策用品の販売や関連サービスの提供も盛んになった。IT機器やサービスを提供するパートナー様の中にも、災害対策やBCP/BCMに関連するビジネスを手掛けているのではないか。
 行政の側も、防災(被害をゼロにする)と減災(被害をなるべく減らす)に向けた枠組み作りにとりかかっている。
 まず、東日本大震災から2年あまりが過ぎた2013年12月に国土強靭化基本法を施行し、それに基づく国土強靭化基本計画を翌2014年6月3日に閣議で決定した。さらに、年間の具体的施策をアクションプランとして毎年策定する、と国土強靭化基本計画に定められていることをうけて、2014年6月3日には国土強靭化アクションプラン2014、2015年6月16日には国土強靭化アクションプラン2015もそれぞれ発表されている。


一回やって安心”ではなく 策定した後も維持活動が肝要
 このような災害対策と事業継続計画(BCP)は、“一回やって安心”できるものではない。企業の災害対策に関係する状況は時とともに変わっていくし、備蓄しておく災害対策用品の中には水・食料・電池のように保存期限が設定されているものもあるからだ。BS25999やI SO22301などの事業継続管理(BCM)でも、BCPを常に実現可能な状態に保つには「継続的な訓練と改善」「BCM文化の構築と浸透」「BCMの意識付けとスタッフのスキル向上」などの活動が欠かせないとされている。
 ただ、現実問題として、すべての企業がBCP維持活動に十分なパワーを割けるわけではない。特に中堅企業ではBCPの担当部署が総務部門になっていることが多く、どうしても片手間の仕事になってしまうのだ。
 そこに、IT機器やサービスを提供するパートナー様にとってのビジネスチャンスがある。
 例えば、IT機器のビジネスでお付き合いのある企業から災害対策についての相談を受けたら、その内容がミネラルウォーターや防災用ヘルメットといったITにまったく関係ないものであってもきちんと対応するべきだろう。それによってエンドユーザー様との“絆”を深め、自らのビジネスの幅も広げることができるからだ。
 また、新たに開拓した企業に対しては、災害対策の提案をドアオープナーとして使い、信頼を獲得した上で、IT機器のビジネスへと拡張していくという戦略も考えられる。


災害発生からの時期を4つに分け各段階で必要なものを挙げていく
 では、どのような防災ソリューションを提案すれば顧客や見込み客に受け入れてもらえるのか。
 防災ソリューションを法人向け事業の柱の一本に据えているコクヨS&T株式会社 事業戦略部・防災ソリューションVU・部長 東賢吾氏は、「時系列に沿って必要なものをリストアップし、その企業が必要としているものをご提案するとよいでしょう」と語る。
 この“時系列”とは、防災用品やサービスがいつ使われるかに着目して分類した時間区分のことである。コクヨS&Tが提唱しているのは、時系列を「災害発生前」「災害発生直後」「数分〜数時間後」「数時間〜数日後」の4期に分ける方式だ。
 「災害発生前」とは、その防災用品やサービスが災害発生に備えて普段から使われることを意味する。一時的な使用ではないから、ここに分類される防災用品やサービスには、使いやすく、長期間の使用に耐えられるものであることが求められる。
 地震の場合、「災害発生直後」とは地震動が始まってからの数分間のことである。ただ、津波は地震発生から数時間後に到達することが多いし、大きな余震が数日から数年後に発生することも珍しくないので、あまり杓子定規にとらえるべきではないだろう。この段階で行われるおもな活動には「脱出」「安全確保」「救助・避難」「救命・救護」などがある。
 規模がそれほど大きくない災害の場合、簡単な安否確認をした上で、「数分から数時間後」には従業員を帰宅させることができる。しかし大規模災害の場合は道路の破損や交通機関の運休によって人の移動ができなくなるので、災害対策本部を企業内に設置して「全員の安否確認」「情報収集」「復旧活動」などに着手することになる。「数時間〜数日後」の期間は、大規模災害の場合にのみ生じる。“帰宅困難”の状態が長期に及ぶと予想されるので企業内に私設の避難所を設ける、というのが典型的なシナリオだ。

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■コクヨS&Tが提唱する4つの“時系列”図
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