タブレットをビジネス用のクライアント端末に選ぶ企業が急増している。薄型軽量ながら性能が高く、バッテリーで長時間使用でき、セキュリティを確保するためのアプリやサービスも充実してきたからだ。役員や営業担当者への社有品貸与だけでなく、私物持ち込み(BYOD)の解禁による導入も増えている。そこで効果的なタブレットの導入提案を導入事例を交えつつ紹介したい。 |
ビジネス現場におけるタブレットの活用シーンも多種多様になってきた。外出先や出張先でのコミュニケーションにはもちろんのこと、会議やセミナーでのプレゼンテーションと議事メモ、小売店店頭での決済と顧客管理(CRM)、航空機内での業務マニュアルの参照、設備点検場所での記録など、さまざまな業務での活用が可能。効率と品質が向上すれば、企業の競争力もそれだけ強まることは言うまでもない。
特に大きな効果が期待できるのは、「情報共有」「プレゼンテーション」「業務処理」「デスクワーク」の四つの用途だ。
情報共有では、管理職と従業員の間、あるいはチームのメンバー同士で業務に必要な情報のやり取りが行われる。クラウドや社内サーバーに設けたグループウェアサーバー、メールサーバー、ファイルサーバーなどにタブレット側のアプリからアクセスするというのが典型的な使い方だ。
一方、営業活動での即戦力となるのがプレゼンテーションツールとしての使い方だ。Microsoft PowerPointやAdobe Readerが動作するタブレットを選べば、紙のプレゼンテーション資料やパンフレットを持ち歩く必要はなくなる。電子化したパンフレットをクラウドに置いていつでもどこでも見られるようにしたクラウドサービスもすでに登場している。
このほか、外出先のタブレットでも社内と同等のPC環境を使えるようにすれば、業務処理やデスクワークだけのためにオフィスに戻る手間と時間も省くことができる。例えば、業務処理では顧客管理、受発注処理、交通費精算などのデータ入力、デスクワークではワープロ文書や表計算シートの作成などだ。
エンドユーザー様は何を必要としているのか? この点がはっきりすれば、提案すべきタブレットの仕様も自ずと絞られてくる。
最初のポイントとなるのは、画面サイズだ。
例えば、プレゼンテーションに使うのであれば、10インチ前後のタブレットを提案するのがよいだろう。あまり大きいと持ち歩くには不便だし、小さすぎても用をなさない。そのほかには、画面表示が美しく、意思伝達に優れる高い解像度(1インチあたりのピクセル数)の製品がおすすめだ。
一方で、業務処理やデスクワークといったノートPC代わりの用途には、10インチ超のタブレットが適している。キーボードマウスを併用すれば、文字数の多い文書や表計算シートの作成・編集も容易。メーカー数も機種数も多いから、選択の幅も広い。
そして情報共有やコミュニケーションへのベスト提案となるのは、7〜9インチのタブレットだ。ポイントは、片手で持てるコンパクトなサイズであること。移動中の電車内で最新の経済ニュースのチェック、訪問先までのルートを歩きながら確認したりといった“ながら利用”はこのサイズがベストだ。
また、提案にあたっては、タブレット本体だけでなく、周辺機器や関連商品/サービスも含めた総合的な構成として提示することも望まれる。例えば、通信用のWi -Fiルーターなどのネットワーク機器、クラウドや社内サーバーと安全に接続するためのVPNソリューション、VDIを含むリモートデスクトップソリューション、文字を快適に入力できる外付けキーボード、タッチパネル上での選択を確実にするタッチペン、紛失・盗難時にタブレット内データを遠隔消去できるMDMソフトウェアなどだ。
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