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2008年1月時点の情報を掲載しています。
当連載は、いよいよ、最終回を迎えることになりました。 締めの定番は「まとめ」です。「売れるショップに、売れる人」も定番を外すことはやめましょう。売れるショップ、売れる人になるための「まとめ」は”こんなことをやっていませんか?”と問いかけてみたいと思います。ドキリとした問いかけがありましたら、そこを修正していただきたいと思います。
筆者が秋葉原の量販店でマネージャーを務めていたとき、自店・他店を比較して、いろいろなことに気付き、レポートを作成していました。通称「アキバ」を卒業した現在も、定期的にそれを続けています。競争が常態という場所ですが、市場には優勝劣敗の法則があります。現在にも通用する”問いかけ”を紹介しましょう。
■いつでも”いらっしゃいませ!”を使う店員が働いてませんか?
ショップで働くヒトを店員と呼びますが、このような店員が案外多いものです。店頭応対用語の筆頭に「いらっしゃいませがありますが、朝礼や研修などで何度も唱和させながら、唱和させる側も本来の意味を理解せず、ただ明るく・快活に・元気にと指導することがあります。デパートの食品売り場が典型的な事例で、意味知らずの「いらっしゃいませ」が見込み客を逃します。接客マニュアルを読めば、お客様の来店を促すための言葉、お客様と店員の距離感を縮めるための言葉、お客様を歓迎するための言葉、と記載しているでしょうが、本来の「いらっしゃいませ」で留意すべきは、使うタイミングです
■お客様に”こちらがお得です”と商品を推奨してませんか?
規模の大小に関わらず、大半の店員が使う言葉です。インターネットが普及する以前でしたら、大胆に使うことが許された言葉ですが、産地直販サイトや価格比較サイトが当然となった時代の「こちら」は、下手をすると押し付け商売になる危険が伴います。売場面積が地域最大だとしても、推奨商品は在庫の中のひとつに過ぎません。市場に出回っているすべての商品をカバーしているわけではないのです。商品ライフサイクルが短く、しかもグローバル市場の時代です。購入後まで考えて、お客様側に選択させる言葉を考えるべきでしょう。
■競合店を意識して”他店より値段が高い場合は店員にお問い合わせください。対応いたします”と店内放送してませんか?
潔いサービスだと感じているのはショップの自己満足です。秋葉原に同様のショップがありますので、筆者は何度か問い合わせてみましたが、実際に対応してくれた店員は一人もいませんでした。某店では「お客様、当店ではインターネットのショップは対象外としています」と胸を張られました。「どうして?」と確認すれば、「ネットショップはおとり価格を提示したり、実態のないお店もありますから」と説明しました。筆者が問い合わせた競合店は実際に存在するショップで、住所は某店から徒歩数分の場所です。それも説明すれば「そちらで購入してください」とけんもほろろ。「店内放送に言葉足らずのところがありまして、大変、申し訳ありませんでした」と謝罪するだけのことを、どうして指導していないのでしょう。
まだまだ紹介したいことがありますが「お知らせ」がありますので、またの機会に譲りたいと思います。当連載は今回で締めとなりましたが、次号から「知ればお得な、最新IT用語検定!」という連載を開始します。筆者は専門学校でマーケティング関連の講師をしながらこの隔月誌に連載していますが、IT業界にとっての2ヵ月という期間は、他の業界の1年分にも相当するのではないかと感じています。四者択一のクイズと解説を交えることで、読者の皆さんのIT感度の向上に役立てられればと考えています。次回からの新連載も、ぜひ、お楽しみください。
島川 言成
パソコン黎明期から秋葉原有名店のパソコン売場でマネージャを勤め、その後ライターに。IT関連書籍多数。日本経済新聞社では「アキハバラ文学」創生者のひとりとして紹介される。国内の機械翻訳ソフトベンチャー企業、外資系音声認識関連ベンチャー企業のコーポレート・マーケティング部長を歴任。現在、日経BP社運営のビジネスサイト「日経SmallBiz」でIT業界の現状分析とユニークな提案をするコラムを連載中。PC月刊誌「日経ベストPC」では秋葉原のマーケティング状況をリポート。また、セキュリティ関連ベンチャー企業のマーケティング部門取締役、ゲームクリエーター養成専門学校でエンターテインメント業界のマーケティング講座も担当。
【コラム】「売れるショップに売れる人」
・第16回 必要性が高まる企業の対検索エンジン部署 【Vol.35】
・第15回 Web2.0からIT2.0に注目する時代 【Vol.34】
・第14回 みんなが参加できるシステムが成功へ導く 【Vol.33】
・第13回 攻めの姿勢の空気を充満させよう 【Vol.32】
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