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2018年11月時点の情報を掲載しています。
2019年の規格化に向けた作業が進む次世代Wi-F「i IEEE802.11ax」が「Wi-Fi 6」と命名された。それに伴い、過去2世代のIEEE802.11規格にも「Wi-Fi 5」「Wi-Fi 4」の新名称が付与され、世代の把握がより分かりやすくなる見通しだ。この機会に、IEEE802.11規格を巡るキーワードをあらためて整理しておきたい。
今年10月、無線LAN 標準化団体のWi-Fi Allianceは最新の通信規格である「IEEE802.11a x」をベースにした次世代W i - F iの名称を「W i - Fi6」にすると発表した。併せて二世代前まで遡り、「IEEE802.11a c」には「Wi - Fi5」、「IEEE802.11n」には「Wi-Fi 4」という新名称が与えられた。
Wi-Fi Alliance社長兼CEOのエドガー・フィゲロア(Edgar Figueroa)氏は発表にあたり「Wi-Fiユーザーは20年近く、技術的な命名ルールを順守して最新Wi-Fiがサポートされているか判断する必要がありました。新しい命名ルールを導入することで、IT業界やWi-Fiユーザーが機器の接続時にどのWi-Fi世代がサポートされているのか容易に理解できるようになります」とコメントした。この名称変更に伴い、スマートフォン上に表示されるWi-Fi接続時のアイコンにも、今後は世代を表すナンバーが表示されるようになる見通しだ。
確かにIEEE802.11シリーズの通信規格は、最後の1〜2文字のアルファベットが違うだけという分かりにくいものだったことは否めない。この機会に、「IEEE802.11」シリーズにおける基本ワードとその最新版である「IEEE802.11ax」=「Wi-Fi 6」について改めて整理しておきたい。
まず押さえておきたいのが、「I E E E」と今回プレス発表を行った「Wi-Fi Alliance」の関係。IEEEは北米に本拠を置く非営利の電気工学・電子工学学会。同学会が策定する無線LAN規格が今日広く普及する「IEEE802.11」シリーズになる。ただし通信規格を策定しただけでは、メーカーが異なる製品間の互換性に不安が残る。そこで「IEEE802.11」規格ベースのWi-Fi製品の相互互換性を保証し、その普及を促進する業界団体として設立されたのがWi-Fi Alliance。そのメンバーには通信機器メーカーをはじめとするWi-Fi関連機器メーカーが名を連ねている。
次に見ていきたいのが「IEEE802.11」シリーズの歴史だ。下のグラフからも分かる通り、1999年に策定された通信速度54Mbpsの11aから続くその進化は、通信速度向上の歴史でもある。なおWi-Fiには、電波干渉が少なく安定した高速通信が可能な5GHz帯と、障害物に強く安定的な接続が可能な2.4GHz帯という二つの周波数帯域が使われている。同時期に策定された11aと11bの通信速度の差は、前者が5GHz帯、後者が2.4GHz帯を利用することに由来する。
最新規格であるWi - Fi6の特長の一つは、5GHz、2.4GHzの双方に対応し、9.6Gbpsという通信速度を実現した点にある。ただし通信速度はあくまで理論上のもので、通信環境によっては実効速度がその半分以下に留まることも珍しくない。Wi-Fi 6の技術上の最大のポイントは、多数のユーザーが同時に接続する環境でも実効速度が下がりにくいという点にある。具体的には、通信が混み合った状況でも各ユーザーのスループット(実効速度)を従来の4倍にすることが目標として掲げられている。その背後にあるのがMU-MIMO(マルチユーザーMIMO)や OFDMA といった技術。Wi-Fi 6はHEW(High-Efficiency Wireless LAN)、日本語で「高効率無線LAN」とも呼ばれている。
Wi-Fi 6に対応したアクセスポイント(無線LAN親機)はすでに市場に出回り始めている。ただし現時点では規格化は完了していないため、現時点で出回るのはドラフト規格に対応した製品ということになる。Wi-Fi Allianceによる認証が開始される2019年以降は、Wi-Fi 6がオフィスの無線LANシステムや公衆Wi-Fiサービスの主流になることは間違いない。
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