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2018年5月時点の情報を掲載しています。

国内でも一般販売が開始されたスマートスピーカー、Amazon Echoが注目を集めている。スマートフォンに匹敵するイノベーションという声も聞こえ始めた評価の背後にあるのが、Amazonが開発を進める音声認識ソフトAlexaと、音声認識を前提としたアプリケーションであるAlexaスキルだ。

　イノベーションのキーテクノロジーとして、音声認識が注目されている。
2 011 年に公開され音声入力の先鞭をつけたApple Siriにはじまり、Google Assistant、Microsoft Cortana、さらにはLINE Clovaまで、大手ベンダーが音声認識技術の開発に取り組む中、ライバルたちから一歩抜け出した存在と目されているのが、Amazon Alexaだ。
　その強みは、クラウドサービスとしてのAlexaと連携し、声による操作を実現したスマートスピーカー、Amazon Echoの商業的成功にある。その発売は2014年。2016年には1100万台、昨年はその2倍の2200万台を世界で販売したといわれるAmazon Echoだが、国内での発売は遅れ、昨年末の発売後も予約販売というイレギュラーな販売形態がとられてきた。その背後に、日本語への対応という大きな課題があったことは間違いないだろう。
　万全を期し、今年4月に一般発売されたAmazon Echoは、日本語認識への評価も高く、日本でもスマートスピーカー市場のトップシェアを握ると見られている。なぜGoogle Homeをはじめとする競合製品の中で、Amazon Echoが勝利を収めたのだろうか。その理由の一つに、スマートフォンのアプリに相当するAlexaスキルの存在がある。
　Alexaと他の音声認識ソフトとの違いの一つに、音声認識エンジンとしてのAlexaを使ったアプリケーション開発のための開発キットを無償提供している点がある。開発キットにより、企業や個人がAmazon Echo上で稼働するアプリケーションを容易に生み出せる環境が整っているのだ。その中で生まれたAmazon Echo対応アプリケーションの総称がAlexaスキルだ。
　スマートスピーカーという言葉から、Amazon Echoは音楽を楽しむ道具として受け止められがちだ。だがその可能性は、曲目の変更やAIによる他愛のない会話だけに留まらない。その一例が、赤外線による家電製品の操作である。Amazon Echoと赤外線コントローラなどの対応機種との連携により、「アレクサ、エアコンを止めて」「アレクサ、灯りをつけて」という一言だけで家電製品が反応するスマートハウスの実現も可能なのだ。それを支えているのがAlexaスキルだ。
　日本語に対応したAlexaスキルは3月時点で700個近くに及び、すでに音楽関連や人気キャラクターの対話などに留まらない多様なスキルが登場している。中でも人気が高いのが、既存のニュースサイトのコンテンツを音声で読み上げるスキル。これは忙しい朝などに自分が関心を持つ分野の情報を効率的に得る手段として、今後、確実に注目されるはずだ。
　声による商品発注の仕組みもすでに登場している。例えば、外食チェーンのすき屋は、お弁当の注文にAlexaスキルによる音声発注を導入している。興味深いのは、大手銀行が、ネットバンキングの残高確認や直近の入出金確認を行えるAlexaスキルを開発している点だ。明言はされていないようだが、その背後に、身体的ハンデキャップがある顧客への対応という観点があることは間違いないだろう。
　キーボード操作を前提としたPCも、専用アプリを前提にしたスマートフォンも、インターフェースには一定の課題が残る。声による操作を可能にするAlexaスキルは、その新たな可能性を切り拓くに違いない。

■「Amazon Alexaスキル」
2018年2月の人気ランキングトップ20
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※フラッシュニュースの設定が可能なスキルは除く
※ 2018 年2 月2 日～3 月3 日のデータに基づくもの
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