2008年秋のリーマン・ショック以降、新年を挟み、国内の景気、業績は急激に落ち込みました。新卒の内定取り消しや派遣切りなども大きなニュースになりました。それを踏まえて、弊社の2009年度は、初めて減収減益で計画しました。そして、第1四半期、第2四半期と期が進むにつれて、少しずつ経済活動が戻ってくると予想したのです。
　しかし、この1年を通して見ますと、弊社の計画よりも景気回復が若干遅れているようです。弊社ではお陰様で、若干前年より割れる程度で、大きな落ち込みはありませんでしたが、上場以来、社史に残る厳しい1年であったことは間違いありません。今期もかなりきついのではないかと見ていますが、日経平均株価は年初から昨年来高値を上回りました。I T市場では、昨年後半からの政府の景気刺激策などにより、公共需要やWindows 7を核にしたコンシューマ需要が法人需要の落ち込みをカバーしている部分もあるようです。
　極端な円高も一服感がある現在、こうした流れが政権交代後の景気対策の発動や補正予算などにより、一気に国内にも流れ込んでくるように期待しています。


　法人需要においては、2000年対応で入れ替えたシステムも2巡目に入り、リプレイス需要が期待できます。また、クラウドとかS a a Sとはいうものの、企業の場合、全部のI T資産を社外に置くことはできません。手元になくてはいけないサーバやアプリケーションはありますし、それらをスムーズに運用するためには、回線環境の整備やサーバ、PC端末の強化は必要不可欠です。
　Windows 7にしても、これまでオフィスユースの中心であったWindows XPはサポートの期限も近づき、セキュリティの面からも我慢の限界にきています。Windows 7にアップデートするならば性能面、環境面を考慮して、そろそろ新しいハードにしたいということになります。クライアントがWindows 7になったら、その機能を十分に活用するためにサーバもWindows Server 2008 R2にしたいという流れになりますね。
　WiMAXのアクセスポイントもだいぶ充実してきました。IPアドレスの枯渇を目前にしてIPv6にも計画的に対応していく必要があります。つまり、今年の法人需要にも市場活性化のトリガーはたくさんあるのです。4月以降市場が急速に立ち上がる可能性はあるのではないでしょうか。弊社でも、これらのソリューションの自社検証に励み、積極的に取り組んで参ります。


　こうした厳しい市場環境においても業績を伸ばしている企業はあります。パートナー様のなかにも細かいビジネスを含めて、落ち込みが少なく、しっかりとお客様との関係を構築して、着実に事業を進めているパートナー様もございます。
　弊社の場合、創業以来、ハード、ソフト、S Iに加えて、文具、生活用品、オフィスサプライなども販売して参りましたが、近年、それらストックビジネスへの取り組みとそのWeb展開を強化してきました。お陰様で、その集大成である「たのめーる」が60万社とお取引いただけるまでに成長して昨年10周年を迎えました。
　また、昨年はこの厳しい中においても、IT投資を積極的に続け、社内のコスト削減と生産性の向上を目指しました。結果、流動比率や自己資本比率は改善されて、財務体質そのものは強化されています。具体的には昨年サーバの入れ替え仮想化を進め、55台のサーバを3台に集約して、電気使用料などの経費を削減しました。今年はさらに110台のサーバを仮想化によって5台にする予定です。
　つまり、膨大な口座数となるストックビジネスへの取り組みとI T投資による財務体質の強化の2本柱で、昨年来の急激な市場環境の変化に何とか対応できたのではないかと考えております。ここで培った私たちのノウハウをパートナー様にもぜひご活用いただきたいと思います。



　ディストリビュータとしての大塚商会の特色は、マルチベンダー、マルチフィールドでお届けするハードウェアやソフトウェア商材にとどまらず、大塚商会がこれまで社内改革や営業活動で培ったノウハウをお届けできることです。
　例えば、弊社の通販サイト「たのめーる」です。BP事業部では、それをそのまま御社のサプライ販売サイトとしてご活用いただける「TPS -SHOP」という仕組みを用意しています。これまでサプライ販売事業をされていなかったパートナー様でも景気変動に強いストックビジネスを手軽に始めることができます。
　また各種ハード、ソフトやLED電球などエコ商材まで各種サプライ品をWebから簡単にご注文いただける仕組み「BP PLATINUM」もシステムを一新、機能を大幅に強化して一層使いやすくしました。
　今後ともパートナー様とともに、お客様の目線で、希望にあふれた一年にするべく、BP事業部はより精一杯努力致しますので、今年もより一層のご愛顧を賜りますようにお願い申し上げます。