Windows 7の発売を機にコンシューマ市場が盛り上がりを見せている。法人市場に関してもWindows 7の評判が上々であることから、移行に向けての情報収集に積極的だ。パートナー様にとって大きなビジネスチャンスが期待されるWindows 7への移行提案にあたって、その施策を伝授する、ビジネスパートナー事業部(以下、BP事業部)主催の「誰も教えてくれない Windows 7 売り方セミナー」は、多くの参加者を集め、非常に盛況だった。そのセミナーで語られた提案のポイントをレポートする。
昨年のI T業界で最大の話題となったWindows 7。コンシューマ市場はもちろん法人ユーザの間でも高い関心を集めている。
大塚商会のBP事業部は、2009年12月に、「誰も教えてくれない Windows 7 売り方セミナー」(以下、売り方セミナー)を大塚商会の本社にて開催した。
同セミナーは、当初100名の定員で募集していたが、予想を上回る勢いで応募が集まり、大人数に対応できる会場に急遽変更を行うなど、驚くほどの反響があった。当日の参加人数は169名に膨れ上がり、満員となった会場は熱気に包まれていた。
「売り方セミナー」の主なセッションとしては、「見せます! 魅せます! Windows 7 活用術デモンストレーション」、「Windows OS 今後のロードマップ」、「Windows 7 簡単導入ガイド徹底活用法」などが行われた。今回は、セミナーの概要を紹介しつつ、Windows 7の「売り方」について考えてみたい。
最初のセッションとなった「見せます!魅せます! Windows 7 活用術デモンストレーション」では、Windows 7の新機能や魅力を「速い」「使いやすい」「安心」という3つキーワードに沿って紹介していた。
まず、起動速度やパフォーマンスの向上、大きく変更されたユーザインターフェースの説明が行われた。次に企業ユーザには、重要な訴求ポイントとなる、セキュリティ関連の機能として、ディスクの暗号化機能「BitLocker & BitLocker To Go」や企業内のアプリケーションの実行を制御する「AppLocker」について紹介。さらにWindows Server 2008 R2との連携機能として、VPNを使用せず社外から社内ネットワークにセキュアに接続できる「Direct Access」についてデモンストレーション形式で分かりやすく説明された。
そして、このセッションで最も時間を割いたのが、互換性についての説明だった。互換性については大塚商会が開催するWindows 7関連セミナーでも多くの質問が寄せられ、提案時にも重要なポイントとなる。Windows 7では、過去のアプリケーションを動かすために、「互換モード」やWindows 7上で仮想のXP環境を作り、アプリケーションを稼働させる「XPモード」を搭載している。「XPモード」は、Windows XPとの100%の互換性は謳っていないものの、「互換モード」で稼働しない場合の最終手段としての期待は大きい。ただし、「XPモード」を利用するためにはCPUやBIOSなどの対応が必要となるため、事前にP Cメーカーへの問い合わせが必須となることなど、注意点についても説明されていた。互換性については提案の際にも頻繁に質問させるポイントとなるため、参加者はメモを取りながら熱心に聞き入っていた。
「Windows OS 今後のロードマップ」は、どのタイミングでWindows 7に移行すべきなのか、という点にフォーカスをあてたセッションとなった。
現在、Windows XPを使っている企業の中には、できるだけWindows XPを使い続けたいと考えている企業も少なくない。その際にポイントとなるのがサポート期限である。現状ではWindows XPのサポートは2014年4月に終了する予定になっており、これだけ見ると、まだ時間が残されているように感じる。しかし、その間にも企業内ではPCの故障などによる買い替えが起こることが想定されるが、Windows XP搭載マシンが購入できる期間はあと1年未満しかないことが紹介された。現在、Windows XP搭載マシンを導入する際は、ダウングレードモデルを購入するのが一般的だがPCメーカーがダウングレードモデルを提供する期限が2010年10月の予定となっているのだ。つまり、この時期までに、企業はいずれかの結論を出さなければならない。パートナー様は提案時にこうした各種期限などを頭に入れたうえで移行のタイミングについて説明する必要がある。まだ先だと思っている企業ユーザに、ロードマップを伝え、移行を促すには、今年こそが大きなビジネスチャンスの時期となる。ロードマップから導き出されるこの事実に、多くの参加者が大きくうなずいていた。