BPNavigator to GO - コラム＞進化するIT基礎技術の可能性

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2012年1月時点の情報を掲載しています。

　2011年10月19日、グーグルがAndroid OSの最新バージョン「Android 4.0」の詳細を発表した。Androidは、スマートフォンやタブレット向けのプラットフォームで、その中核をなすOSがAndroid OSである。Android OSは、Linuxベースで、オープンソースで提供されていることが特徴だ。スマートフォン向けOSとしては、iPhoneに搭載されているiOSが先行したが、Androidが猛追し、2011年には日本とアメリカにおいてトップシェアを獲得している。
　そこで、Android OSの歴史を振り返ってみたい。Androidの起源は、アンディ・ルービンらが2003年10月に設立したAndroid社に遡る。Android社は、携帯電話向けプラットフォームを開発していたが、2005年にグーグルに買収され、グーグルで開発を継続することになった。2007年11月5日、グーグルは携帯電話向けプラットフォームのAndroidを無償で提供することを発表した。その後ベータ版を経て、2008年9月に正式版であるAndroid 1.0が公開された。翌10月には、世界初のAndroid携帯電話「T-Mobile G1」（H T C社製）が登場した。次の大きなアップデートが、2009年4月に登場したAndroid1.5（コードネーム：Cupcake）である。なお、Android 1.5以降のバージョンでは、開発コードネームが明らかにされているのだが、コードネームはすべてお菓子の名前で、頭文字がCから順にD、E、Fと進んでいく。2009年7月には、日本初のAndoid 1.5搭載スマートフォン「HT-03A」（HTC社製）が登場。2009年10月にAndroid 2.0（コードネーム：Eclair）が発表され、プラットフォームとしての完成度が高まったことで、Android搭載端末が一気に増加した。マイナーバージョンアップのAndroid 2.1を経て、2010年5月には、Android 2.2（コードネーム：Frozen Yogurt）が登場。さらに2010年12月には、Android 2.3（コードネーム：Gingerbread）が発表された。
　Andorid 2.x世代では、液晶が4インチ前後のスマートフォン以外に液晶が7～10インチ程度のタブレットも多数登場した。しかし、Android 2.xのUIは大型液晶に最適化されていなかったため、2011年2月に新UIを搭載したタブレット専用のAndroid 3.0（コードネーム：Honeycomb）が登場した。Android 2.xとAndroid 3.xはその後もマイナーバージョンアップを続けているが、Android 2.xとAndroid3.xではUIや機能に差異があり、Android 2.x用のアプリケーションがAndroid 3.xではうまく動作しないこともあった。そのため、OSの統合が急務とされていたのだ。
　Android 4.0の強化点は多岐にわたるが、その中でも特に注目すべき機能としては、NFC（NearField Communication）でデータを共有する「Androidビーム」やWi-Fi経由で他のAndroid端末と直接つながる「Wi-Fiダイレクト」、顔認識によるアンロック、サムネイル表示に対応したマルチタスク、タブブラウズ機能の強化などが挙げられる。通常、OSがリリースされてから、搭載製品が登場するまでには数カ月のタイムラグがあるが、Android 4.0のベースモデルであるサムスン電子の「GALAXY NEXUS」は、他社に先駆けて2011年12月に発売された。2012年には、Android 4.0搭載端末が次々登場することが予想される。Android 4.0では、ネットワークやセキュリティ関連機能も強化されているため、企業向け端末やバーチカル市場においても、Androidの本格的な普及が始まるだろう。

text by 石井英男
1970年生まれ。ハードウェアや携帯電話などのモバイル系の記事を得意とし、IT系雑誌や Webのコラムなどで活躍するフリーライター。

【進化するIT基礎技術の可能性】

・第2回　4Gに向けた高速データ通信規格の争い「Long Term Evolution VS WiMAX VS DC-HSDPA」【Vol.59】

・第1回　高画質の画面転送技術「WiDi （Intel Wireless Display）【Vol.58】

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