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2013年5月時点の情報を掲載しています。
ここ数年、インテルの主力CPUとして各社のPCに広く採用されているのが、Core iシリーズである。Core iシリーズは、2008年に「Nehalem」(開発コードネーム)として知られていた第1世代の製品が、2011年に「Sandy Bridge」(同)として知られていた第2世代の製品が登場し、現在は2012年に登場した第3世代Core iシリーズが主流である。第3世代Core iシリーズの開発コードネームは「Ivy Bridge」であり、22nmルールで製造されている。Ivy Bridgeでは、新構造の3Dトライゲートトランジスタを採用することで、消費電力あたりの性能を大きく高めていることが特徴だ。Ivy Bridgeの後継として、2013年6月に登場すると見られている最新CPUが第4世代Core iシリーズだ。第4世代Core iシリーズは、開発コードネーム
「Haswell」と呼ばれており、プロセスルールは第3世代と同じ22nmであるが、マイクロアーキテクチャが一新され、CPU、GPUともに大きく性能が向上している。
CPUについては、動画や画像などのマルチメディア処理性能が向上する新命令「AVX2」をサポートしたほか、命令発行および実行ユニットが強化されており、最大8内部命令(uOPs)を同時発行、4整数演算を並列実行できるようになった(現在は6内部命令/3整数演算)。また、開発コードネーム「Clover Trail」ことAtom Z2760がいち早く実装した新たなシステム動作状態「S0ix」をサポートしたこともポイントだ。S0ixのサポートにより、アイドル時の電力を従来の20分の1に削減し、スリープ状態からの高速な復帰を実現している。第4世代Core iシリーズの登場により、Windows 8の新機能である「Connected Stanby」がようやくメインストリームPCで利用できるようになるのだ。Connected Stanbyは、システムをスリープ状態にしても、インターネットとの接続が維持される機能であり、利用にはアプリケーション側の対応も必要だが、これまではAtom Z2760搭載機でしか使えなかったこともあり、アプリケーションの対応が遅れていた。第4世代Core iシリーズの登場により、Connected Standbyへの対応が進むことが期待される。GPU部分についても、3D描画機能が大きく強化され、最新のDirect3D 11.1やOpenGL 4.0をサポートするほか、ノートPC向けのハイエンド製品では、現行のIvy Bridgeの最大2倍の性能を実現する。
第4世代Core iシリーズの登場により、大きな進化が期待されるのが、Ultrabookである。インテルが推進する薄型ノートPCフォームファクターである「Ultrabook」は、昨年大きくシェアを伸ばしており、ビジネスユーザーをターゲットした製品も各社から登場し、確固たる存在感を示している。第4世代Core iシリーズが登場すれば、基本性能がさらに底上げされるだけでなく、省電力機能がより強化され、アイドル時の消費電力が大きく削減されているため、バッテリー駆動時間もさらに延びることになる。重さ1.5kgを切る製品でも、10時間を大きく超える駆動時間を実現できることが期待される。さらに、Connected Stanbyの利用により、スリープ中でもインターネットから最新情報を常に取得し続け、使いたいときには一瞬で復帰するという、現在のスマートフォンとほぼ同じ使い勝手を実現できるようになるだろう。今年の後半は、第4世代Core iシリーズを搭載したUltrabookに注目が集まることは間違いない。Windows 8対応アプリケーションの拡充とあわせ、絶好の商機となりそうだ。
text by 石井英男
1970年生まれ。ハードウェアや携帯電話など のモバイル系の記事を得意とし、IT系雑誌や Webのコラムなどで活躍するフリーライター。
第4世代Core iシリーズの試作チップ。ダイの形はかなり横長である
。
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