大塚商会の販売最前線からお届けするセールスノウハウマガジン「BPNavigator」のWEB版です。
|
News
|
にっぽんの元気人
|
巻頭特集
|
第2特集
|
Focus
|
コラム
|
イベント
|
バックナンバー
|
vol35以前のバックナンバー
|
2014年1月時点の情報を掲載しています。
IT業界にとって2013年は、タブレットが大きく躍進した年といえる。以前は、タブレットの選択肢はiPadかAndroidタブレットの2つしかなかったが、2012年末頃から、Windows 8タブレットが登場し、三つ巴の戦いが始まった。さらに、2013年末から2014年初にかけて、8インチ液晶を備えたWindows 8.1タブレットが各社から登場し、大きな話題を集めた。その中でも特に人気の高いレノボの「Miix 2 8」は、数日で完売する店舗が続出し、今も品薄が続いている状況である。Miix 2 8は、あくまでコンシューマー向け製品であるが、2014 International CESの開催にあわせて、レノボからビジネス向けWindowsタブレット「ThinkPad 8」が発表された。レノボのビジネス向けWindowsタブレットとしては、2012年10月に登場した「ThinkPad Tablet 2」に続く製品となる。ThinkPad Tablet 2は、10.1インチ液晶搭載タブレットで、ペンに対応するほか、専用Bluetoothキーボードなどのオプションも充実していることが魅力で、ビジネスユーザからの高い支持を得た。今回登場したThinkPad 8は、1,920×1,200ドット表示が可能なWUXGA液晶を搭載していることが特徴だ。8インチWindowsタブレットでフルHDを超える解像度の液晶を搭載した製品は、ThinkPad 8が世界初となる。CPUもクアッドコアのAtom Z3770を搭載するなど、まさに8インチWindowsタブレットの本命といえる製品だ。重量も430g(WiFiモデル)と軽く、携帯性は優秀だ。
ThinkPad 8をはじめとするWindowsタブレットの最大の魅力は、フルスペックのWindows 8.1とOffice 2013を搭載していることである。iPadやAndroidタブレットでも、アプリを使えばOffice文書の閲覧や編集も可能だが、機能的に一部制限があり、完全な互換性があるわけではない。さらに、普段業務で使っているWindowsアプリケーションも、Windowsタブレットならそのまま利用できる。10インチ以上の液晶を搭載したWindowsタブレットでは、サイズや重量がUltrabookに近くなってしまうため、Ultrabookとの棲み分けが難しくなるが、ThinkPad 8の8インチという液晶サイズは、スマートフォンとUltrabookの間を埋める絶妙なバランスといえる。もちろん、営業先で顧客に画面を見せて説明するには小さいのだが、出張時などにメールを読み書きしたり、報告書を書くといった用途にはちょうどいいサイズだ。iPadやAndroidタブレットは、コンテンツ・コンサンプションデバイス、つまりコンテンツを消費(=閲覧・視聴)する道具としては適しているが、コンテンツ・クリエイション・デバイス、つまり自らコンテンツを創り出す道具としては力不足であった。ThinkPad 8の登場によって、Windowsタブレットは、コンテンツの消費だけでなく、コンテンツを創造するための道具としても、実用的なレベルに達したといえるだろう。
もちろん、ThinkPad 8にもまだまだ進化の余地は残されている。それはハードウェアというよりも、ソフトウェアやOS面での不満だ。現行のWindowsタブレットは、せっかくの高解像度を十分に活かしているとは言いがたく、むしろ、デスクトップモードでは、解像度が高くなると、アイコンやボタンが小さくなり、タッチによる操作性が低下してしまうという問題がある。Windows 8登場当初に比べると、タッチ操作に最適化されたストアアプリも増えてはきたが、さらなる充実に期待したい。Windowsタブレットの進化は、企業の新たなIT投資への追い風となる。今年は、さまざまなビジネスシーンにおいて、Windowsタブレットが使われる場面が増えてくることが予想される。
text by 石井英男
1970年生まれ。ハードウェアや携帯電話など のモバイル系の記事を得意とし、IT系雑誌や Webのコラムなどで活躍するフリーライター。
レノボのWindowsタブレット
「ThinkPad 8」。8インチながら1,920 × 1,200ドットの高解像度表示に対応する。
【進化するIT基礎技術の可能性】
・第13回 下り最大110Mbpsを実現する「WiMAX 2+」がもたらす新たなビジネスチャンスとは?【Vol.71】
・第12回 5年ぶりの新規格「USB 3.1」で何が変わるのか?【Vol.70】
・第11回 無線LANの常識を変えるIEEE 802.11acとは?【Vol.69】
・第10回 いよいよ登場する 第4世代Core iシリーズの強化点を探る【Vol.67】
本紙の購読申込み・お問合せはこちらから
Copyright 2014 Otsuka Corporation. All Rights Reserved.