大塚商会の販売最前線からお届けするセールスノウハウマガジン「BPNavigator」のWEB版です。  
BPNavigator to Go Index Backnumber BP PLATINUM
第2特集 情報漏えい、容量不足、機器の選定・設置ミス etc 失敗から学ぶ導入事件簿
2015年11月時点の情報を掲載しています。

時代の先端を走るIT機器を効果的に利用するためには、時として厳しい使用条件を満たす必要がある。さらに進歩の激しい機器をメンテナンスせずに放置してしまうと、いざというときに役に立たないこともある。ちょっとした配慮に欠けていたため、思わぬトラブルに発展した失敗事件を紹介したい。パートナー様は、この失敗事件簿を反面教師として、実りある結果を得るために、導入・運用の提案を実践していただきたい。

導入事件簿No.1 容量不足が引き起こした悲劇
ネットワークカメラやファイルサーバーやNAS導入提案では、適正なHDD容量を選定することが重要だ。その容量を大きく見誤ったがゆえに生じた、海の向こうの悲劇を紹介する。

消えた自動監視システムの保存データ
 「Nシステム」と呼ばれる、走行中の自動車のナンバープレートを自動的に読み取る装置が実用化されたのは1987年のこと。装置が設置された道を通過する全車両のナンバープレートと共に運転者と助手席の同乗者を撮影するNシステムは、当初プライバシーの侵害が取り沙汰されたが、その一方では、犯罪摘発や渋滞状況の把握などに大きな成果を挙げることにつながっている。
 同様のシステムは今日、世界的に普及が進んでいる。米国の場合、ライセンス・プレート・リーダー(LPR)と呼ばれる装置が国境検問所や路肩に配置され、日々情報を収集している。事件はカリフォルニア州オークランドで起きた。LPRのデータは、過去に発生した事件の裏付けを取る目的もあり、長期にわたって保存される。だが、その情報がある日ごっそりと削除されてしまったのだ。その理由は、システムの容量不足。同地のLPRデータは、わずか80GBのPC内蔵HDDに保存されていたのだ。膨大なデータを保存するには、どう考えても容量不足である。オークランドではその後、6カ月おきに全データを削除する形で運用が行われているとか。地方分権の国、米国らしいエピソードとも言えるが、「6カ月しか保存せずに、犯罪捜査に役立つの?」というもっともな疑問が、市民から寄せられていることは言うまでもない。


画素数×フレームレートで算出されるHDD容量
 日本では考えられないミスかもしれないが、物理的セキュリティ対策として普及が進むネットワークカメラ導入案件では、こうしたことが起こらないようぜひ注意したい。システムに必要なHDD容量は、画素数(解像度)、フレームレート、録画期間、設置台数などを前提に決定される。
 画素数は、カメラから出力される1枚の画像がいくつの点で構成されているかを表す数値で、画素数が多くなればなるほど高精細な画像になる。フレームレートはカメラが1秒間に出力する画像枚数を表し、数値が大きくなればなるほど、動画に近い滑らかな映像になる。
 またカメラが1 秒間に出力するデータ量は、画像転送レートと呼ばれる。これはネットワークに掛かる負荷を知る上で重要な数値で、画素数とフレームレート、圧縮率によって求められる。なおHDD容量は、メーカー提供の試算ツールなどで簡単に算出できる。

arrow 続き「情報漏えい、容量不足、機器の選定・設置ミス etc 失敗から学ぶ導入事件簿」は本紙でご覧下さい。

■画素数の考え方とフレームレート図
拡大
「画素数」は1枚の画像がいくつの点で構成されているのかを表す数値。 D1 と呼ばれる画素数は横720個、縦480個の点で1枚の画像を表現する。「フレームレート」とはネットワークカメラ
が1秒間に出力する画像枚数を表す。
 

Backnumber
【弟2特集】
 
・備えを通じて信頼関係の強化を目指す 夏の防災商材総点検!【Vol.81】

・ソフトウェア販売の新しいビジネスモデル サブスクリプションビジネスの始め方 【Vol.80】

・IaaS/PaaSがパートナー様のビジネスを拡大する クラウドビジネスの本命に注力 【Vol.77】

個人情報漏えい事件から学ぶ 物理セキュリティの提案ポイント【Vol.76】


 
PageTop
BP PLATINUM本紙の購読申込み・お問合せはこちらから
Copyright 2015 Otsuka Corporation. All Rights Reserved.