2015年は、サーバーのリプレースやWindows 10のリリース、マイナンバーのスタートといった注目すべきキーワードはあったものの、なかなか売り上げに結び付けることは難しかった。そこで2015年のIT投資の動向を振り返りながら、2016年のビジネスで基軸となるであろうキーワードを中心に市場の行方を予測。エンドユーザー様の競争力を高める商品やソリューションを紹介するとともに、パートナー様のビジネスを飛躍させるIT投資を模索する。 |
昨年、ハード販売に苦戦したというパートナー様は多いはずだ。それは2015年上半期のデータにもはっきりと表れる、IT業界を象徴する出来事といえる。特にPC販売が苦戦したことは、一昨年のXP特需の影響に加え、従来のPCニーズの一部がタブレットに移行した結果と見ることもできる。
なにしろPCが売れない1年だった。2015年のITビジネスを一口でいうなら、この言葉に尽きるだろう。
ジーエフケー マーケティングサービスジャパン(GfK Japan)の調査によると、2015年上半期のIT・オフィス市場において、タブレット端末の販売台数が前年同期比32%増だった一方で、PC販売台数は前年同期比41%減。法人向けのリセラー市場に限ると前年同期比45%減という数字になった。
その一番の要因が、一昨年のXP特需の反動であることは間違いない。その後のPC需要の落ち込みは十分予測できるものだったが、ここまで影響が尾を引くとは予想していなかったというのが大方の感想だろう。その理由として、中国経済の失速に伴う設備投資の引き締めを指摘する声も多い。だが、その背後に、従来のPC需要のタブレットへの移行があることは間違いない。今後、タブレットへの取り組みはさらに重要になると見られる。
次に2015年をキーワードで振り返ってみよう。昨年もさまざまな出来事があったが、IT業界において、特に大きなインパクトになったのは、大手ソフトウェアメーカーのサブスクリプションビジネスへの移行だった。その販売には難しい部分も多いが、この大きな流れは今後も続くと考えられる。
上半期に注目を集めたのが、Windows Server 2003サポート終了に伴うサーバーリプレース需要だった。2013年末時点、国内で稼働していたWindows Server 2003は約36万台。昨年7月のサポート終了時点で移行を終えていないサーバーは約6万台残ると見られている。セキュリティの観点からも、Windows Server 2003を継続使用するエンドユーザー様には、今後も積極的な働きかけが求められる。
一方、下半期に注目を集めたのはWindows 10だ。無料アップグレードというこれまでにない展開方法でも注目を集めるWindows 10は、近い将来、クライアントOSの主流になることはまず間違いない。
一方、モバイル端末に目を向けると、既存通信事業者の回線網を借りて独自のサービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)の台頭もあり、ビジネス市場におけるSIMフリースマホの普及も大きなトピックといえる。マイナンバー制度も、2015年のIT業界を賑わせた。今年の夏に向けてが、そのビジネスの正念場になるだろう。
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